自分だけの密かな楽しみ方
──スケール感の魅力以外に「ダムに行くとこんないいことがある」という利点があったら教えてもらえますか?
鳥口 放流しているときは、水しぶきでマイナスイオンがすごく出てるんですよ。だから体にはいいかもしれないですね。
なだぎ ダム自体なかなか放流がないんですけど、宮ヶ瀬ダムっていうのは下のほうで小さい放流みたいのがあるんですよ。その近くに行くだけでもすごくマイナスイオンが出ていて、僕もストレス発散できました。
──これからダムに行く人に向けての注意点やアドバイスは?
竹若 勉強する気で行ったほうがいいですね。行ったら何かを感じることはあると思うんですけど、お寺とかでもただ単に見るよりも、ガイドさんの話を聞いて見ると全然違う発見があったりするじゃないですか。
なだぎ そう、知ってる人が1人いたら全然違いますね。僕、この写真集(メディアファクトリー刊「ダム」)を出してる萩原(雅紀)さんという方と一緒にダムに行ったことがあるんですけど、全部説明してくれたので、倍楽しめました。ダムの真下に行って、「ここから上を見上げたときの角度がまたいいんだよ」って言われたら見るじゃないですか。そう見るとダムって表情が全然違うんですよね。「ああー、だいぶ怒ってますね」とか、ちょっと離れてみると、「ああー、なんか機嫌よさそうですね」とか(笑)。
竹若 普段は立ち入り禁止なんですけど、開放してる期間があったりとか。下から見るダムは全然違いますからね。そういう期間も調べて行ったら楽しいですよ。
鳥口 防犯用のカメラが付いているダムもたくさんあって、それをネットで見ることもできるんですよ。宮ヶ瀬ダムのカメラも見られます。
──自分だけの密かな楽しみ方を教えてもらってもいいですか?
鳥口 宮ヶ瀬ダムの話になるんですけど、背中をダムにもたれかかった状態で上を見るっていう。
なだぎ それはすごいいい角度じゃないですか。僕は小さい脚立を持っていくんですよ。それで、ダムの上に行ったときに脚立に乗って見下ろすんですよね。そうすると角度が半端じゃなくなるんです。それはもう……なかなかほかでは味わえない。吸い込まれるような感じですね。
竹若 僕は溜まってる水のところを見て、「ここに何があったんやろうな?」って勝手な妄想をずっと膨らませて楽しんでいるくらいですね。「この水が今一気に流れたら下はどうなるんやろう?」とか。
ダム好きあるある
──「ダム好きあるある」みたいなものがあったら教えてください。
なだぎ ダム好きあるある(笑)。
鳥口 ちょっとしたことなんですけど、トイレの水を流すときとかに「放流……」みたいなことを思ったりはしますね。
竹若 自分がおしっこするときにも「放流!」って思いますね。あとお風呂の水を抜くときに「これで発電できたらな」とか。
鳥口 あとはカレー屋さんに行ったら、ライスの形を変えてルーをせき止めたり。アーチ型にしたり。
なだぎ アーチ型ね(笑)。いま「ダムカレー」っていうのが流行ってるんですよ。
──「アーチ型」というのはダムの形ですね。皆さんは何型がお好きなんですか?
なだぎ 僕はやっぱり「重力式」が好きですね。皆さんが「ダム」って聞いてパッと思い浮かぶイメージがあるかと思いますけど、多分それだと思います。コンクリートの重さだけで水をせき止めてるダムですね。
竹若 ほんまに力だけで止めた、「工夫なんてせえへんぞ」みたいな。やっぱり重力ですね。
鳥口 僕も重力です。
竹若 アーチとかは見た目が楽しい。
なだぎ カーブがきれいなんですけどね。
竹若 見る風景とかもすごいんで面白いんですけど、最終的には重力ですね。
鳥口 重力はダムの内部に入れたりするんですよ。点検用の通路があって。放流のときに中も開放するところもあって。
──これだけ話が弾むのなら来年あたり「アメトーーク!」で「ダム芸人」の企画があったらいいですね。
なだぎ やってくれたらいいですけどね。
──そしたらこのデンシケンセツの曲もかかりますね(笑)。
なだぎ もちろんかかりますよ。
竹若 デートにもピッタリだと思いますよ。まずはこのCDを車でかけて。
鳥口 そう、純粋にダムめぐりのときに聴いてほしいって思ってますから。
なだぎ でも歌わされた女の子からしたら「なんでダムの歌を歌わなきゃならんの?」って(笑)。僕の夢で、ディランの格好でフーバーダムに行きたいっていうのがあるんです。フーバーダムはアメリカの砂漠の中にあるんですけど、その上をディランとして自転車で走りたいっていう。アメリカの国旗とか持って。それが夢ですね。
竹若 向こうのほう見えなくなりますからね(笑)。
CD収録曲
- souda
- スカイライン / マツダトモミ
- 重力式始めちゃいます。 / デンシケンセツ
- ワタシ ダムガール / DAMガール
- バケットカーブと怪しい二人 / デンシケンセツ
- 静かなるダムサイト / なかまきこ
- 沈んだ思い出 / 絵夢
- I Love 宮ヶ瀬ダム / 廣川由里香
- 水の無いダム / 北沢綾香
- 春のアーチ / 重力式少女
- ローラーゲート / デンシケンセツ
デンシケンセツ
風味堂のベーシスト・鳥口JOHNマサヤが、カルチャー×ミュージックをキーワードになんでも音楽にする新プロジェクト。この第1弾として、ダムと音楽のフュージョンをテーマにしたアルバム「音楽式コンプリートダム」を2011年9月21日にリリースした。
なだぎ武(なだぎたけし)
1970年10月9日、大阪府生まれ。お~い!久馬、浅越ゴエ、ヤナギブソンとともにザ・プラン9として活躍するほか、ソロとしても活動中。10月スタートのミュージカル「ROCK OF AGES」に出演。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。
竹若元博(たけわかもとひろ)
1970年8月12日、京都府生まれ。1989年に木村明浩とバッファロー吾郎を結成。2008年に「キングオブコント2008」で優勝。10月には東京・大阪で「バトルオワライヤル」を開催。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。