石野卓球 meets デノン Bluetoothスピーカー Envaya DSB250BT|音楽を持ち運ぶ楽しさ

デノンからBluetoothスピーカーの最新シリーズ「Envaya(エンバヤ)」が登場した。デザインは落ち着いたインテリアにもなじむファブリック仕上げで、アウトドアに最適な防塵・防水性能を備える。さらに、高音質で遅延が少ないコーデックaptX Low Latencyに対応した機種で、マルチペアリング機能によりパソコンやスマートフォンなどのBluetooth対応機器を最大8台まで登録可能。SiriやGoogle Nowにも対応しており、スマートフォンのハンズフリー通話にも利用できる。サイズの異なる3モデルが用意されており、いずれも収納に便利なスリムシェイプ。

今回音楽ナタリーではEnvayaシリーズの実力を探るべく、石野卓球に試聴をしてもらった。石野はEnvayaシリーズでもっとも重厚なサウンドが楽しめるEnvaya DSB250BTを、自身のスマートフォンを使ってチェック。Bluetoothスピーカー黎明期からさまざまな機種を使い込んでいるという石野が感じた、本機ならではの魅力とは。

取材・文 / 臼杵成晃 撮影 / 後藤倫人

Bluetoothスピーカーは聴いていて楽しいかどうか

石野卓球

──Envaya DSB250BTはいかがでしたか?

音はクセがなくていいと思いますよ。個性が強くていいスピーカーもありますけど、このぐらい自然なほうが買いやすい。あと何よりこのサイズ感がいいですね。俺、スピーカーはこのぐらいの大きさが好きなんですよ。(手に取って)この“音楽を持ってる”感じがヤバいでしょ。家ではホントにこうやって(ズボンのポケットに入れる仕草)歩いてたりするから。

──今、特に説明も受けずにすぐ接続して使用されていましたけど、Bluetoothスピーカーは普段から使い慣れてるんですか?

出始めの頃から使ってます。今持っているのはiLoudと、BOSEと、あとJBLの筒型のやつ。2万円から3万円ぐらいのものは、気になったら買うようにしてるんですよ。と言うのも、今はみんなこれで聴いてるでしょ? 立派なオーディオセットで聴いてる人はほとんどいないから。Bluetoothスピーカーにはものすごく音に色が付いたやつとか、普及しているわりに思いのほかショボいやつもあるけど、みんなが使っているもので一応確認しておきたくて。だから基本的には全部買うようにしてるんです。お金はあるんで(笑)。

デノンのBluetoothスピーカー「Envaya」シリーズラインナップおよびスマートフォン。

──新製品をこまめにチェックしているんですか?

いや、地方でスピーカーを忘れたときなんかに、量販店とかで「どうせ買うなら持ってないやつを」って。

──ミュージシャンの方は、自分の作品をラジカセやカーステレオで聴いてミックスやマスタリングを確認すると聞きますけど、今はそこにBluetoothスピーカーが加わっていると。

うん。このあたりが今の平均的な音響設備だと思うので、無視できないですよね。Bluetoothスピーカーに音質のよし悪しはそこまで求めていなくて、いいに越したことはないんだけど、それよりも聴いていて楽しいかどうかが大事。スタジオモニター的なものを求めるならば、同じBluetoothスピーカーでももっと高級なやつはあるけど、それだと出力がデカすぎたりして、聴いてて楽しくはないんですよね。10M(スタジオモニターとして長年愛用されているスピーカー、YAMAHA NS-10M)で聴いてても楽しくないのと同じで。この機種は音もお化粧されすぎてなくて、自然でいいと思います。

石野卓球

ゲットーブラスターみたいなもんですよ

──石野さんはBluetoothスピーカーを主にどんな用途で使ってますか?

旅先で使うのもありますけど、今は家でもオーディオのスピーカーで聴くことはあまりないですね。仕事として音楽を聴くのは、スタジオの大きいモニタースピーカーでいいから。だいたい毎週旅をしているので、もはや必需品と言うか。

──Bluetoothスピーカーを選ぶときにもっとも譲れないポイントは?

やっぱ機動力ですかね。大きすぎると荷物としてかさばってしまうし、手で持ったときの収まりのよさも大事ですね。かと言って軽すぎるのはよくなくて。ある程度の重さがあったほうがしっかり低音が出るし、軽すぎると自分の低音で動いちゃったりするから。

──石野さんはラジカセの時代からいろんなポータブル機器を体験してきたと思いますが、Bluetoothスピーカーもその流れの1つとして愛用しているのでしょうか?

石野卓球

そうそう、昔で言うゲットーブラスター(ラジカセの俗称)みたいなもんですよ。肩に担いでたやつ(笑)。あとは入学祝いに買ってもらうコンポみたいな、あの立ち位置ですよね。自分の部屋にオーディオを置きたいと思ったらそれなりのスペースが必要だったけど、今はこれ1つで済む。ディスクドライブが要らなくなったことも大きいと思うけど。

──音楽配信が普及することでハードのあり方も変化して、今はPCやスマホに音楽環境を集約している人が多いと思うんですけど、「ステレオの前で腰据えて聴く」みたいなことが減った寂しさみたいなものはありませんか?

僕も相変わらずディスクで買ってますけど、まあいずれなくなっていくんでしょうね。でもそっちのほうがいいと思いますよ。

常にトランクに入っている1台に

防塵、防水が特徴の「Envaya」シリーズ。

──Envaya DSB250BTの機能面で何か気になるところはありますか?

防塵機能あるんですよね。防水・防滴は僕の場合あまり重要視してないんですけど、防塵は実はけっこう大事で。意外とみんな見落しがちなところだと思うんですけど、屋外で使うと埃でダメになっちゃうことが多いんですよ。

──デザイン面はどうですか? ビジネスマンのような大人にも使ってもらえるようにあえて落ち着いたデザイン設計にしているそうです。

落ち着いてますよね。山村聰、って感じで。最近加齢で物忘れがひどくて、ホテルの部屋に忘れてきちゃうんで、そういう意味では僕は派手な色のほうがいいです(笑)。でもデノンのロゴにはこれが合うんじゃないかな。布で防水ってあまりないですよね。

デノンスタッフ 撥水性があるんですよ。

ルックスが重厚で部屋置きにいい感じなのに、防塵防水で持ち運びしやすいのはいいですね。森元首相みたいな。首相だけどラグビーをやる。

石野卓球

──それ、褒めてるんですよね(笑)。

褒めてますよ。防水はどのぐらい持つんですか?

デノンスタッフ 水に浸かった状態で30分は大丈夫です。

すごい。Ramonesのアルバムなら1枚聴けるじゃないですか。

──あはははは(笑)。

「ラモーンズのアルバムなら水の中で1枚聴けます」ってコピーで。

──石野さんだったらEnvaya DSB250BTはどういう用途で使いますか?

きっと旅先でかなり使うと思います。旅のときはトランクに荷物を詰めて移動するんですけど、これはたぶん収まりがいい。今使ってるものはトランクの中でゴロゴロ転がっちゃって、どうも収まりが悪くて。これなら常にトランクに入っている1台になると思います。

デノン Bluetoothスピーカー
Envaya DSB250BT / Envaya Mini DSB150BT / Envaya Pocket DSB50BT
オープン価格
DSB250BT

Envaya
DSB250BT

  • 定格出力:2×13W
  • 動作時間:13時間
  • 充電時間:3.5時間
  • 外形寸法(W×H×D):209×77×74mm
  • 質量:750g

詳細はこちら

DSB150BT

Envaya Mini
DSB150BT

  • 定格出力:2×7W
  • 動作時間:11時間
  • 充電時間:3時間
  • 外形寸法(W×H×D):187×65×63mm
  • 質量:541g

詳細はこちら

DSB50BT

Envaya Pocket
DSB50BT

  • 定格出力:2×5.5W
  • 動作時間:10時間
  • 充電時間:2.5時間
  • 外形寸法(W×H×D):163×58×56mm
  • 質量:390g

詳細はこちら

主な仕様
  • Bluetooth:バージョン4.2
  • 対応プロファイル:A2DP / AVRCP / HFP
  • 対応コーデック:SBC / AAC / aptX Low Latency
  • 対応コンテンツ保護:SCMS-T 方式
  • ステレオペアリング:○(Envaya Link)
  • マルチペアリング:8台まで
  • マルチポイント:2台

アンプ部

  • アンプ形式:Class-D

バッテリー

  • タイプ:リチウムイオン

総合

  • カラー:ブラック、ブラック/グレー
  • 防塵性能:IP6X 相当
  • 防水性能:IPX7 相当
  • AUX入力:3.5mmステレオミニジャック
  • ハンズフリー通話:○
  • Siri / Google Now 対応:○ / ○
  • 付属品:クイックスタートガイド、ストラップ、USBケーブル(充電用)
石野卓球(イシノタッキュウ)
石野卓球
1967年生まれのDJ / プロデューサー / リミキサー。インディーズバンド・人生を経て、1989年にピエール瀧らと電気グルーヴを結成。1995年には初のソロアルバム「DOVE LOVES DUB」をリリースし、この頃から本格的にDJとしての活動も開始する。1990年代後半からはヨーロッパを中心に、海外での活動も積極的に展開。1998年にはベルリンで行われたテクノ最大の野外フェス「Love Parade」のファイナルギャザリングで150万人を前にプレイした。また、1999年からは日本最大級の屋内テクノフェスティバル「WIRE」を主宰。2006年には川辺ヒロシ(TOKYO No.1 SOUL SET)と新ユニット・InKを結成した。2012年には、1999年から2011年までに「WIRE COMPILATION」に提供した楽曲を集めたDISC 1と、未発表音源などをコンパイルしたDISC 2からなる2枚組アルバム「WIRE TRAX 1999-2012」を発表した。2016年8月に6年ぶりとなるオリジナルソロ作品「LUNATIQUE」をリリース。2017年12月にニューアルバム「ACID TEKNO DISKO BEATz」を発表する。
石野卓球「ACID TEKNO DISKO BEATz」
2017年12月27日発売 / Ki/oon Music
石野卓球「ACID TEKNO DISKO BEATz」

[CD]
2700円 / KSCL-6299

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石野卓球「Takkyu Ishino Works 1983~2017」
2017年12月27日発売 / Ki/oon Music
石野卓球「Takkyu Ishino Works 1983~2017」

[CD8枚組]
27000円 / KSCL-3021~9

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