絶対みんな、ふざけるほうが楽だと思ってるんですよ
──電気グルーヴの歌詞は特に最近、謎の感動があるんですよね。サニタリーショーツって言葉も、真剣に書いてるんだっていうのがわかると言うか。
石野 そうなんです。でも真剣にふざけてるのを、本当にふざけてるとしか取らないバカがいるじゃないですか。魂の田舎もん。
瀧 いい言葉だねえ。魂の田舎もん(笑)。
石野 そういうやつらはわからないんですよ。ウチらは静岡出身で田舎もんですけど、魂は田舎もんじゃない。
瀧 もっとヤベえっていう。魂がもっと荒涼としてるから(笑)。だから「お気楽にやってる」って思われると、そういうわけじゃないんだよね。
石野 そう。絶対みんな、ふざけるほうが楽だと思ってるんですよ。今まで生きてきてちゃんとふざけたことがないから。
瀧 余暇でやってると思ってるんだよね。でも違うんだよな。
石野 「お笑い芸人は楽でいいわねー」みたいに言っちゃうおばさんと一緒ですよ。
──30年間絶え間なくふざけ続けてた人から見たら、たまにちょっとふざけてるだけの人とは一緒にされたくない?
石野 そうですね。生半可な気持ちでふざけてるやつには、ちゃんと真剣にふざけろって思います。それでふざけたつもりになってんじゃねえバカ野郎!って。
──言葉に対して真剣にふざけ続けるっていうスタンスは素晴らしいと思うんですけど、音についてはどうですか?
石野 一緒ですよ。ふざけてるっていうのは語弊があると思うけど、キャッチーでポップなことをしてるつもりというか、自分たちにとってカッコいいと思うことをやってるので。
瀧 音に関しては、昔だったら一番前に出てたふざけを、今はちょっと後ろの陰に隠してたりみたいなことはありますね。8小節に1回しか出てこなかったり、絶妙になってると思う。
石野 逆に聞くと、ふざけた音っていうのはどういう音ですか? ビヨヨーンとかパフパフとか? そうじゃないですよね? ウチらがエレクトロミュージックが好きなのは、シンセの音が抽象的だからなんです。メロディがコミカルな曲っていうのは作れるけど、音で「ほら、笑ってください」ってことはできないので。そう言いつつ、牛の鳴き声で始まる曲とかも作ったりしてるけど(笑)。
俺のおかげでヤンキーがCabaret Voltaire聴いてましたもん
──アルバム「J-POP」をリリースしてから11年くらい経っていて、そろそろ結成から活動休止までの期間より、復帰から今までのほうが長くなるんですよね。
瀧 そうですね。
──さらに言うと、この10年間は「40代の10年」でもあって。
石野 自分たちの年齢と照らし合わせて活動してないから、それについては特に何もないかな。やってることは10代のときと変わってないし。
瀧 まあ、この10年は大事な10年でしたよ。この2人になってから本当にやりたいこと、できることが浮き彫りになって。
石野 「今、僕たちにできる事」(電気グルーヴも参加した、1993年発売のオールナイトニッポン・パーソナリティーズによるストップエイズキャンペーンチャリティシングルのタイトル)がな。
瀧 そう。「今、僕たちにできる事」が浮き彫りになって。それが結実した期間だったので。
石野 復帰後の10年って、自分たちがやりたいこととかやるべきこととかを探す必要がなくなっていたから、すごくやりやすかったんですよ。自分がブレないから。
──なるほど、わかります。活動休止以前は日本にテクノを広めようという使命感のようなものがあった気がしますが、そこから解放されたというか。
石野 それはないです(笑)。使命感なんか感じてたらウチらは電気グルーヴやってないですよ。
瀧 使命感的なものをウチらに与えようとしてたのはそっちでしょう(笑)。
──使命感というのは適当な言葉ではなかったかもしれませんが、電気グルーヴには「テクノになじみがない日本の音楽ファンにテクノを啓蒙していた」というイメージがありました。
石野 それはなんでかって言うと、ウチらがやりやすくなるからですよ。周りの理解度が低いとウチらがやってることが理解されないから、自分たちの可能性を狭めないようにしていたってだけ。俺が中学のとき、学校にYMOが好きなオタクと横浜銀蝿が好きなヤンキーっていう2つの派閥があって、遊ぶならヤンキーのほうが面白いけど音楽の話をするならオタクのほうが面白かった。それでどうしたかって言うと、ヤンキーをニューウェイブ好きに洗脳したんですよ。そうやって居心地がよくなる下地作りをしてたのと同じことだから、それは使命感とは違う。
──そのヤンキーはYMOを好きになったんですか?
石野 それどころかCabaret Voltaireとか聴いてましたもん。俺のおかげで。
瀧 これホントよ? ホントホント。
石野 だから昔から、「ウチらがやりたい電気グルーヴをもっと楽しむには、こういう音楽を知っておくとより楽しいですよ」ってことは言ってきたけど、別にウチらが先頭切ってテクノをやってるみたいな意識はなかったです。最近やっと「テクノって電気グルーヴみたいなのでしょ?」って人はだいぶ減ったけど、そもそもテクノってもっといろいろあるし。
──1990年代に自分たちでその土壌を作ったからこそ、今の活動がやりやすくなっている、という感覚はありますか?
石野 昔は「よくわからないからシャットアウト」って反応もあったけど、それよりはよくなりましたね。映画(2015年公開のドキュメンタリー「DENKI GROOVE THE MOVIE? 石野卓球とピエール瀧」)を作ったこともデカかったんじゃないですか? あれで過去の活動をわかりやすくまとめてくれたことで、ウチらがこういう人だって広くわかってもらえた気がするので。そっからですよ、このキチガイに拍車がかかったのは(笑)。
瀧 確かに、あれで周りのみんながお前のことを本物のキチガイだって理解したからな(笑)。
Q1. 電気グルーヴとの一番印象的なエピソードを教えてください。
卓球さんにステージご一緒させて頂き、「夢のような時間ありがとうございます」とお伝えした所、「寝てたの?」と言って頂きました。
目が覚めました。
なんと言っても今回の新しいアルバム「30」で7曲もギターを弾かせて頂いたことでしょうか。「Slow Motion(30th Mix)」 のギターは、一番早くに取りかかってフェスなどで試して、締め切り最後までRetakeしたので、かけた時間は一番多かったと思います。
卓球さんから、「最後まで粘って良かったね」と言って頂けたのが嬉しかったです。あと人生で初めてebowを使いました。卓球さんのリクエストです。「このギターの音良くない?」と教えて下さいます(Roxy Musicの「Avalon」、Manuel Gottschingなど)。
瀧さんには、「RSR」の次の日に「サトシくん明日ウニ食いに行かない?」とお誘い頂き、2時間ほどドライブし、ウニ丼をご馳走になりました。そのあと温泉まで連れて行ってもらいました。一般の方に写真撮って下さいと言われ、全く嫌な顔せず、にこやかに対応されていたのを覚えています。
Q2. 結成30周年を迎える電気グルーヴにお祝いコメントをお願いします。
電気グルーヴ様
卓球さん、瀧さん、30周年おめでとうございます。
30周年のお祝いメッセージさせて頂く機会を頂き、ありがたく思います。
今回参加させて頂いた「30」というアルバムは自分の宝物です。
お2人の益々のご活躍を願っています。
お身体を、お大切になさって下さい。
Q1. 電気グルーヴとの一番印象的なエピソードを教えてください。
Denki Groove are 2 very good old friends, they are wild and free und full of love and brilliant ideas - they connect immediately and make people come together with their music and as persons- so they did with us!
<対訳>
電気グルーヴの2人はとても素敵な友人で、彼らは自由奔放で愛にあふれ、異彩を放っています。彼らとはすぐに心を通じ合うことができ、その音楽を通して人々をつなげていきます。我々に対してもそうだったのです。
Q2. 結成30周年を迎える電気グルーヴにお祝いコメントをお願いします。
Denki Groove - you crazy wild wonderful guys! We love you and miss you - we had such a great time in Berlin with you- Shangrila-Utopia forever!
Big kisses from Tommi and Inga
<対訳>
電気グルーヴ……ワクワクさせるほどワイルドで素晴らしい2人! 我々はあなたたちを敬愛しているし、会えずに寂しいです。私たちはあなたたちと一緒にベルリンでとても素晴らしい時間を過ごしましたーシャングリラ-ユートピアよ永遠に!
トミーとインガから愛を込めて
Q1. 電気グルーヴとの一番印象的なエピソードを教えてください。
昨年のリキッドルームの打ち上げで、卓球さんが話していた「静岡県の方言で喧嘩をすると、なんかカワイイ」っていう話が忘れられません。「○○ら~」みたいなやつで、超カワイイんですよ!
Q2. 結成30周年を迎える電気グルーヴにお祝いコメントをお願いします。
おめでとうございます! 昨年はライブもレコーディングもとても楽しかったです!
よろしければぜひまた仲間に入れてください!
Q1. 電気グルーヴとの一番印象的なエピソードを教えてください。
お2人に会うとき、とてつもなく緊張します。そのままあまり喋れず終わったらどうしよう…なんて考えたりしてまた緊張を煽ったり。でも、実際にお会いすると、挨拶から間髪入れずに始まる卓球さんの嘘か本当か分からない話に、瀧さんのどっしりした空気と優しさとで、私を緊張の渦から一瞬にして引き上げてくれます。なので、初めから最後まで息が切れることのない時間で、本当に楽しいです。“大人はこうあるべきだ”という概念がなくなりました(笑)。
Q2. 結成30周年を迎える電気グルーヴにお祝いコメントをお願いします。
あけましておめでとうございます。そして、30周年おめでとうございます。…30…。
恐ろしい数字です。そして、過去をさかのぼって曲を聴いてもブレないお2人の世界観にも恐ろしさを感じます。毎回お会いするたびに、もう一生会えない2人だ!と噛み締めていますが、贅沢な願いとして、また同じステージに立ちたいなとも思っています。これからも、卓球さんのおもちゃとして、瀧さんのゲーム仲間として、可愛がってください。
Q1. 電気グルーヴとの一番印象的なエピソードを教えてください。
瀧のことはラジオでも言ったんですが、やはり、20代の頃、クラブのゲイナイトに一緒に行って怖がってたり、酔ったのでウチに泊めたら「なんかした!?」と怯えてて可愛いかった印象しかありません(笑)。
それが、この前の「CDJ」で姪っ子さんが来てて、お小遣いをあげてたのをみて、キチンと叔父さんしてるんだなぁーと感心しました!
卓球に関しては言えないことだらけで(笑)。
毎回、DJやった後は、セットリストをデータで送ってくれるので、それを私は部屋のBGMにしています!
Q2. 結成30周年を迎える電気グルーヴにお祝いコメントをお願いします。
電気グルーヴ30周年おめでとうございます!
30年前初めて会った頃、こんなヤンチャな子達が長続きすると思っていなくて、「燃える!バルセロナ」で久しぶりにお仕事をしてるうちに、大人になったなぁ~と感心するばかりです。
Q1. 電気グルーヴとの一番印象的なエピソードを教えてください。
ピエール瀧大統領。
畳時代に盃と頭突きを交わした直後にプロレスのタッグチームを結成したまま未遂の状況が続いているのでいつか実現したい所存であります。
石野卓球大統領さま。
病気療養中(現在進行形)、常に連絡をクレて励まし増してクレて実は本当に感謝してます! 自分の自伝本の対談時に楽曲提供を依頼したら、その日のうちに作って送ってくれたにも関わらず、未だに世に発表出来てなくて申し訳ないデス!
Q2. 結成30周年を迎える電気グルーヴにお祝いコメントをお願いします。
未来の電気グルーヴの歴史からみたら、たったの30年でしょ。されど獄濃な30年。メジャーだろうが何だろうがやりたいようにやる姿勢は素晴らしいと思います。今後も変わらずに遊び倒して欲しいと思います。持ち場の違う戦友としていつでも援護射撃します!
100000%アーティスト(キチガイ)!!