新メンバー1人ひとりの個性

──ここからは新メンバーのキャラクターを1人ずつ掘り下げていけたらと思います。「この人のこんなところが魅力的」みたいな話があったら教えてほしいんですが。

鹿目　それで言うと、りあちゃんはいつも穏やかで何をしても怒らないみたいなイメージがあるかも。

小鳩　「どうやったら怒るの？」っていつも聞かれるんですよね。

鹿目　キレるところ見てみたい。何すればいいのかな？

藤咲　やめなさい（笑）。

小鳩　私は人に話しかけたりするのが苦手なんですけど、でんぱ組.incはみんなすごく優しくて「お菓子食べてね」みたいに言ってくれるから居心地いいしありがたいです。ひなちゃんが「グミいりますか？」とか言ってくれたり。私ももっとしゃべれるようにがんばらなきゃ。

空野　そのままでいいんだよー。

古川　私の中でりあちゃんは“THE ディアステージ”というイメージですね。新メンバー加入の話が出たときに私は「絶対にディアステージの子を入れてほしい」って言ってたんです。ディアステージでの勤務経験がある子は、人に喜んでほしいとか自分の歌で感動してもらいたいみたいな気持ちが強いと思うんで。もともとでんぱ組.incは全員メイド喫茶出身だったし、りあちゃんはそういう血を色濃く継いでるんじゃないかな。

──りとくんもディアステージ出身ですよね。

天沢　はい。

相沢　私ディアステで一時期アルバイトの面接を担当してたんですけど、そのときに面接に来てくれた子の1人がりとくんで。

──面接官だったんですか？

相沢　店舗のスタッフさんと一緒にやってました。で、今は面接のときに歌とダンスを見せてもらうんですね。そのときのりとくんのダンスがうますぎて、面接なのに「すごいすごい！」って拍手しちゃったのを覚えてます。

鹿目　りとくんはキレキレの超カッコいいダンスと、MCのときのゆるふわなギャップがすごくいいんですよね。公開リハのあと一緒にタクシーで帰ってるとき、りとくん「自分ってこんなに笑うんだ……」って言ってたもんね。

天沢　綾波レイ感（笑）。

相沢　スタッフさんも「りとくん最近明るくなったね」って言ってたよ。

天沢　最初は大人数でいるのは得意じゃないし、どうしようかと思ってたんですけど、みんな優しいから居心地がすごくよくて、自分が明るくしてたら相手も明るく接してくれるんだなっていうことに気付いて最近は調子がいいです。皆様のおかげで。

──いいですね。今はすっかり打ち解けてリラックスしてるように見えます。

鹿目　私は最初こずえちゃんと会話が続かなすぎてどうしたらいいんだろうって思ってました（笑）。

──そんな時期が？

鹿目　たぶんお互いに人見知りモードになってたのかな。でも今は知れば知るほど好きになる感じがしてます。こずえちゃんって真面目そうに見えて真面目なんですけど、たまにぶっ込んでくるというか、そういうところも好きなんですよね。

相沢　リハのときに思ったのは、普段そんなに前に出てしゃべるタイプじゃないけど実は裏で死ぬほど努力してるんだなって。あとこずこずは言葉じゃないところでも電波を出してて、私が振り付けわかんなくなってるときとかに、隣で正しい振りをヒョイヒョイってやって見せてくれたりするんです。

空野　めちゃくちゃわかります。私もこずこずに教えてもらってる。

──「こうやるんだよ」と言葉で教えるんじゃないんですね。

愛川　質問されてるわけでもないのに教えるのは厚かましいかなと思うので、だいたい横でヒョヒョヒョってやっててそれで伝わればこっちのもんだなって。伝わっててよかったです（笑）。

古川　えいたそ卒業ライブのゲネで「プリンセスでんぱパワー！シャインオン！」を2、3回やって「これでOKですかね」ってなったとき、こずえちゃんが「めっちゃビビってるんで時間いっぱいまでやりたいです」って言ってくれたんですよ。「踊ってみた」のレジェンドと言われてる人なのに練習に貪欲でめちゃくちゃ真面目で、しかも「自分ビビってるんで」って正直に言う感じがめっちゃよくて、そうやって積み上げてきた結晶で今があるんだなってそのときにハッと思いましたね。

楽屋もLINEも和気あいあい

──あおにゃんはいつも明るいムードメーカーというイメージがありますね。

鹿目　あおにゃんは努力型のポジティブというか、明るいんだけどただ明るいだけじゃなくて、根はいろんなことを真面目に考えてる人なんだろうなと思います。わりと自分と同じタイプかもしれない。

古川　わかる。たぶんめちゃくちゃ努力してきた人で「絶対売れたい」みたいな魂がある気がする。戦闘力高い新人が加わってくれて心強いです。

相沢　どんなことでも前向きに受け止めてくれるから安心できるんだよね。私がごはんつぶ付けてファンクラブイベントに出ちゃったときも「え、なんで？ かわいい！」って笑ってくれる心の広さがある（笑）。

藤咲　うんうん、あおにゃんは優しい肯定マン。

空野　推しは褒めて育てるタイプだからね。

──そして最年少のひなちゃんについて。

相沢　ひなちゃんは人間力というか生活能力がめちゃくちゃ高いんですよね。人と会話できるとか学校に行けるとかごはん自分で作れるとか掃除ができるとか。うちらが偏った生活を送ってきたからこそ、そういうのすごく大切だなって思ってて。あと最年少なのに自分が思ったことをちゃんと言えてて私は感動しました。大人でも仕事のことで何か意見するのは怖いのにって。

鹿目　ひなちゃん最初は緊張してたからなるべくこっちから話しかけようと思ってたんですけど「学校でなんの教科やってるの？」「全教科です」みたいな会話しかできなくて。今は打ち解けてきて、一緒に話してると私も学生の頃みたいな気持ちになれてます。公園で遊ぶと童心に戻るみたいなあの感じですね。

高咲　ぺろさんはいつもいろんな話をしてくれて楽屋が盛り上がるので楽しいです。

古川　この前ひさしぶりに会ったときに一番驚いたのはひなちゃんの変化で、めちゃくちゃ悪ガキみたいになってるんですよ。楽屋でもふざけまくってて。

高咲　最初は緊張してただけで、もともとこういう性格なんです（笑）。みりんさんに「子供っぽくなったね」って言われました。

──新メンバーが増えて楽屋はにぎやかですか？

相沢　うん、いつも楽しいです。そしてうるさい（笑）。

空野　3月の公開リハのときもすごいことになってて、メンバー10人だけのLINEグループがあるんですけど、撮った写真をみんながどんどん送るから、みりんさん迷惑してただろうなって。

古川　私は不参加だったんで、もうLINEがひどくて（笑）。

一同　あはは（笑）。

古川　100件ぐらい通知が来て、みんなわけわからん動画とか写真をバンバン送ってて「なんだこれは」と思いつつそっと通知をオフにしました（笑）。でもこの短期間ですごく仲よくなったんだなっていうのは伝わってきました。

──今日のインタビューも皆さんいい雰囲気ですしね。

古川　えいたそが抜けてでんぱ組.incめっちゃ暗くなるんじゃないかって思ってたんですけど、心配なかったですね。特にあおにゃんの底抜けの明るさがありがたいです。

空野　喜び（笑）。

“家族”から“学校”へ

──この大型新人5人を迎えた今後のでんぱ組.incがどうなっていくのか、現時点で見えていることがあれば教えてください。

相沢　たぶん次のワンマンライブで新しい方向性を示せるんじゃないかな。今までとは違うでんぱ組.incの形を観てもらえると思います。

藤咲　うん、次はいろんな角度からでんぱ組.incを楽しんでもらえる気がする。

鹿目　人数が増えたことによって1人ひとりの個性が消えちゃうんじゃないかと心配してる人もいると思うんで、今回のワンマンライブで改めてメンバーみんな個性強いんだってところを見せたいですね。

──みりんさんは今回産休で欠席ということになりますが。

古川　日々送られてくるレッスン動画とか観てるんですけど、かなり“ネオでんぱ感”出てますね。でんぱ組.incのもう1つの世界線みたいな。

相沢　新曲だけじゃなく今までの曲もめちゃくちゃ面白くなってると思うよ。

古川　セトリ見たら「えっ、この曲やるの？」っていうのがけっこうあるよね。新しいでんぱ組.incを観せたいんだなって心意気が伝わってくる。

空野　最高だ！

根本　今のでんぱ組.incを観てもらえたら「この曲ってまだこんな引き出しがあったんだ」「こういう見せ方があるんだ」みたいな新しい発見がたくさんあると思います。我々だけじゃなくアイドルシーン全体の可能性が見えてくるというか。なのでこれからライブを観る方はぜひぜひ楽しみにしてください、といった感じです！

──でんぱ組.incはメンバー同士が“戦友”だと言ってた時期を経て、近年は“家族”というキーワードが似合う関係性になりました。10人になった今はどうでしょうか？

藤咲　私は学校みたいだなって思ってます。

相沢　わかる。小さな村の学校ってこんな感じかも。小学1年生から6年生まで同じ教室で先生も一緒でちょっと家族みたいな雰囲気もあってっていう。

愛川　大人数でホントに学校みたいだし家族みたいだと思います。年齢の幅もあって元気な子もいればおとなしい子もいて、このメンバーで一緒にいると安心します。もっと人数が少ないと「全員で同じ輪っかになってしゃべらなきゃ」みたいな気持ちになっちゃうんですけど、今はワイワイやってる子たちを見守って1人でニコニコしてる時間もアリなんだなって、その発見が自分の中では大きいですね。

──卒業生がいたり新入生が入ってきたりしながら伝統が続いていくんですね。

相沢　そうですね、うちらがいるからこの場所がある。“我々が守りしでんぱ組.inc”みたいな気持ちです。