でんぱ組.incが10人組に!初の全員インタビューで新体制初シングルの秘話や変わりゆくメンバーの関係性を聞く

新メンバーお披露目ライブの思い出

──新メンバーの5人は2月のライブでお披露目となりました。今振り返ってみてどうですか?(参照:成瀬瑛美でんぱ組.incに「ポジティブ☆ストーリー」の置き土産、メンバーは10人体制で未来へ

「ウルトラ☆マキシマム☆ポジティブ☆ストーリー!! ~バビュッといくよ未来にね☆~」公演の様子。(撮影:チェリーマン)

愛川こずえ 当日はやっぱりすごいプレッシャーでした。サプライズだし「えー?」みたいな空気になっちゃったらどうしようって心配してたんですけど、でもいざ出ていって歌い始めたらファンの方が温かく見守ってくれて。お披露目の1曲目が「プリンセスでんぱパワー!シャインオン!」だったおかげであの空気が作れたのかなと思ってます。

小鳩りあ 私は以前いたグループ(ENGAG.ING)が解散したあと事務所に残る選択をしたんですけど「私がアイドル続けてていいのかな?」ってずっと不安だったんです。そんな中でんぱ組.inc加入のお話をいただいて。最初はすごく悩んだけど、私がでんぱ組.incに入ったら前のグループのファンの人も喜んでくれる確信があったし、すごくいっぱいがんばったら私でもでんぱ組.incの役に立てるのかもしれないと思って、初ライブはそういう気持ちでステージに立ちました。だから「王子様を幸せにしてあげる!」という歌詞が最後のほうにあるんですけど、そこはすごく気持ちが入りました。

空野青空 さっき話に出た「変わることが怖い」という感覚は私もすごくわかるので、私自身もライブの前日ぐらいまで「私いらないんじゃない?」「明日行かなくてよくない?」みたいな気持ちでいたんです。でも周りで支えてくださる方々が背中を押してくれたおかげで吹っ切れて「行くぞ!」って思えるようになりました。初舞台はめちゃくちゃ緊張したけどすごく楽しかったし一生忘れないだろうなって。走馬灯に絶対出てくると思います。

「ウルトラ☆マキシマム☆ポジティブ☆ストーリー!! ~バビュッといくよ未来にね☆~」公演の様子。(撮影:チェリーマン)

高咲陽菜 私はずっと大好きだったグループに入ることになって不安もたくさんあったけど、周りの人たちの期待に応えられるようにがんばろうと思って。とにかく本番中だけは泣かないようにって決めてたんですけど、できませんでした。

天沢璃人 わしもライブ前にギャン泣きしてステージ上でもずっと泣いてました。自分の中で「アイドルはかわいい女の子がなるもの」ってイメージがあったから、よくわかんない異物が入ってきたと思われるんじゃないかってずっと不安で。そしたら曲の途中でピンキーさんが優しく背中をポンってしてくれて、それでさらに泣いちゃいました。

藤咲 りとくんも泣いてたし、ひなちゃんも声がひっくり返ったりとかしてて、それを見てたら「新メンバーが涙流してひっくり返ってがんばってるんだ。私もがんばらなきゃ」と思って思わず背中を押してましたね。

10人の声質と歌い方

──実際にこの10人で歌ってみた印象はどうでしょうか?

根本 声質がみんな被ってなくて、歌い方もきれいにバラけてるんですよね。音源を聴くだけで誰が歌ってるかわかる。すごくいいバランスだと思います。

でんぱ組.inc

──今回「プリンセスでんぱパワー!シャインオン!」との両A面でリリースされる新曲「千秋万歳!電波一座!」は玉屋2060%さん作の高速ナンバーです。新メンバーの皆さんはレコーディングで苦労したのでは?

空野 死ぬかと思いました(笑)。息継ぎができなすぎて。

藤咲 早口でギュッと詰めこんでく感じは玉屋さん独特だよね。

愛川 私はノリノリで楽しく歌ってたら終わってました。自分の声質がけっこうパキパキした硬めの声なので「プリンセスでんぱパワー!シャインオン!」より「千秋万歳!電波一座!」のほうが歌いやすかったかも。

「ウルトラ☆マキシマム☆ポジティブ☆ストーリー!! ~バビュッといくよ未来にね☆~」公演の様子。(撮影:チェリーマン)

天沢 わしは兼任でmeme tokyo.っていうグループにいるんですけど、そっちではけっこう低めの声でおしゃれめなラップをやってまして、だからでんぱ組.incで高い声を出すのは自分じゃないみたいでした。新しい自分が見えた気がしてまだちょっと戸惑ってます。

相沢 10人で「Future Diver」を歌ったときに声の混ざり具合がいいなって気付いたんですよね。強めの声の中にまろやかさも加わって、今までのも全部いいんですけど、このメンバーで歌う「Future Diver」はまた違うよさがあるんです。

よりハードになった新体制のダンス

──ダンスについても聞かせてください。でんぱ組.incのダンスはほかのグループと比べてもだいぶ特徴的ですよね。

高咲 振りの中で小さいお芝居みたいなのが入るところが楽しいです。

空野 私が兼任してるARCANA PROJECTはそんなに激しく動かないんで、それに比べるとでんぱ組.incは運動量がえげつない(笑)。どっちもYumiko先生が振り入れしてくださってるんですけど、表現の幅の広さを感じますね。

でんぱ組.inc

小鳩 振り付けに1人ひとりのキャラクターがすごく出てる気がします。たぶんパッと1曲ステージを観ただけでその人のキャラがわかると思う。踊っててすごく楽しいです。

天沢 でんぱ組.incはmeme tokyo.とは全然違ってて、meme tokyo.はけっこう流行りの動きとかも取り入れてるけど、でんぱ組.incはダンスがわからない人が観ても意味がわかるというか。すごく丁寧に噛み砕いて伝わる振りになってると思います。

愛川 私は要所要所で奇想天外な振りが入ってくるのがすごいなと思ってて。急にねもちゃんが大の字になって持ち上げられたりする場面とか「アイドルのライブでそんなことある?」って笑っちゃうんです。でもそういうのも全部意味があって作られてて、観てる人も「何やってるんだろう」と頭を使って楽しめる。それが色濃くギュギュッと詰め込まれてるのがでんぱ組.incだなって思うんです。

藤咲彩音(撮影:川本史織)

古川 Yumiko先生がそれぞれのキャラに合わせて指導してくれるんですよね。例えばひなちゃんだったらちっちゃくて無邪気な感じだから、Yumiko先生も「もっと目を開いて光を入れて!」みたいに言ってて。「りとはもっとカッコよく」とか「りあはもっとキュルンとして」「あおにゃんはもっとエロくやって」とか(笑)。1人ひとりの個性が出せるダンスを組んでくれてて、それが10人になってさらに面白くなってると思います。

藤咲 もともとでんぱ組.incの振り付けは細かく設定があって難しかったんですけど、人数が増えたことでやれることも増えてよりハードになってますね。レッスンでも今までは10回ぐらい見ればざっくりわかってたのに、今はその倍は見ないと理解ができない。情報量が多いし見どころが多すぎて、我々もヒーヒー言いながらやってるけど、お客さんも1回観ただけじゃわからないんじゃないかな。