新加入時のプレッシャー

──そして新たに入った2人は既存メンバー以上の、ものすごい不安とプレッシャーを感じていたと思うんですが、そのあたりはどうでしたか？

鹿目凛　はい、私はもともとでんぱ組.incのファンだったから、もしも私じゃなくてほかのアイドルの子が「新メンバーです」って言って加入したらやっぱり複雑な気持ちになったと思うんです。だからネガティブな意見を言う人の気持ちもわかるし、だからこそ大阪城ホールをビシッて決めないとすべての人に申し訳ないなって気持ちがあって。ファンの皆さんの不安をいい方向に変えられるようにっていうのをすごく意識してました。

根本凪　私も最初に加入の話をいただいたときからずっと考えてて。大好きだからこそ自分が入ったらバランスが崩れるんじゃないかとか、ファンの皆さんはどう思うだろうとかいろいろ悩んで。でも自分が入ることが今のでんぱ組.incに必要なんだって言ってもらえたから、だったら少しでも力になりたいと思って。ただ実際に力になれてるかどうかは……大阪城ホールの記憶もあんまりない感じなので……。

夢眠　でも2人とも本当に偉くって。7人で練習してるとき、うちらにとっては既存曲でも2人には全部が新曲なわけですよ。すごく大変だしプレッシャーもハンパなかったと思うけど、弱音を吐かずに集中力を保ってやってて。大阪城ホールが終わったあとはさすがに泣いてたけど、そこまでずっと気を張って、うちらに「心配かけないように」「迷惑かけないように」っていうのを考えてくれてたんだなって……。

藤咲彩音　あれ、ねもちゃん今泣いてる？

成瀬　ティッシュあるかね？

根本　（泣きながら）ありがとうございます……。

夢眠　だからうちらにはわからない、新メンバーならではのいろんな思いがあったんだよね。ピンキーはわかるかもしれないけど。

藤咲　でも私が入ったのはメジャーデビューしてそんなに経ってない時期だったから、今の2人とは状況がたぶん違うんですよね。今はやっぱり武道館とかでライブやってるグループに入るわけだし、もともとファンだったっていうのもあるから、プレッシャーはすごかっただろうなって。

夢眠　でもピンキーも当時はいろいろ言われてたと思うけど、今はもう当たり前にここにいるわけだしね。あとから入ったのに、この3人はすごくがんばってくれたんだなーと思って。

相沢　こんなアクの強そうな人たちがいるとこによく入ってくれたよね。ありがとうね（笑）。

いびつで豊かなビックリ感

──ピンキーさんは初めて後輩ができたわけですが、どんな気持ちですか？

藤咲　ここ数年はディアステージの子とかでも後輩が増えてきて、去年はピンキー！ノーラ＆ペトラっていうユニットも組んだりしてたから、今回後輩が入るっていうのはそんなにすごい変化ってわけではないですね。それよりも先輩と後輩の間に立つ、中間管理職みたいな立場が初めてだなって。

全員　あはは（笑）。

藤咲　だから「どういう役割をすればいいのかな」っていうのはちょっと考えてるかもしれないです。

──いつまでも末っ子キャラではないということ？

藤咲　そうですね。でもファンの人が「子供のピンキーが見たい」って言ってくれる気持ちもわかるし、自分自身も「まだ子供でもいたいし、でも大人でもいたい」っていう中途半端な気持ちもあって。徐々に成長できたらいいなって思ってます。

夢眠　まあ、ちびっこリーダーみたいな感じでやってくれたらいいよね。

藤咲　ちびっこリーダー！（笑） 子供から抜け出せないんだ？

夢眠　ふふふ（笑）。でも「ピンキー大人になったな」っていうのは思いますけどね。

藤咲　だってもう7年目だからね。

──この7人でのインタビューは初めてですけど、なんだかいい空気を感じます。

成瀬　そうなんですよ！

相沢　そう、不思議なくらいいい感じなんです。

夢眠　しっくりきてるよね。

相沢　もともとでんぱ組.incは普通のコミュニケーションができない人たちの集まりなので（笑）、そこにこんなにナチュラルにハマってくれる人って、たぶん世の中探してもあんまりいないだろうなって思ってて。

──7人並んだときのバラエティ感もいいですよね。

夢眠　そうなんです（笑）。「でんぱの神神」とかでも、うちらが普段やらないかわいいポーズをぺろちゃんが先陣切ってやってくれたり。あと、ねもちゃんと私の身長差が20cmぐらいあるんでダンスの幅が広がるというか。私の真ん前にねもちゃんが立ってたとしても私の顔が見えるんで、なんか豊かなステージになる気がする。面白くなりそうな、ワクワクする要素がいっぱいありますね。

成瀬　モーニング娘。さんで言うと、辻ちゃん＆加護ちゃんがいて中澤裕子さんもいてっていう、一番ファミリー感があった頃に近いと言うか。あの楽しさに通じるものがあるのかなって。

夢眠　6人のときの見慣れたよさもあったけど、今いい意味ですごくいびつになってる気がして。最初にでんぱ組.incを見たときのビックリ感みたいなのをまた感じてもらえると思うんですよね。