でんぱ組.inc|新体制でライブ再始動、古川未鈴が胸中語る

新しいでんぱ組.incを観てほしい

──12月30日の大阪城ホール公演がいよいよ間近に迫ってきましたが、今の気持ちを聞かせてください。

たぶんどんなライブをやっても「あー、昔のほうがよかったな」って思う人と「超いいじゃん! 次も観に行こう!」っていう人に分かれると思うんです。そこで「いいじゃん!」って思ってくれる人をどれだけ増やせるかが勝負だし、そういう意味で本当に大事なライブだなって思ってます。

成瀬瑛美

──自信はありますか?

はい。今メンバーみんなで一生懸命練習してて、みんなすごくやる気で。「こうしたい、ああしたい」っていう意見もどんどん言うし、危機感みたいなものも持ちながら、不安になりながらもがんばってます。

──やっぱり不安もある?

それはありますよ。受け入れてもらえるかどうか。でもいいライブをしてみんなに喜んでもらいたいし、それはきっとできると思う。

──練習ではどんなところに苦労していますか?

やっぱり慣れているものを崩すっていうのが一番難しくて。今まで6人でやっていた歌割りやダンスのフォーメーションを変えていくわけなので。

──ファンにとっては「この曲のこのフレーズはもがさんの声で再生される」みたいな感覚もあるでしょうしね。

うん、きっとライブの最中にみんなが「えっ」って思う瞬間はいっぱいあると思うんですよ。もがちゃんのことを思い出す場面っていうのは絶対あるし、その気持ちはやっぱり私たちも同じだし。今までのイメージを変えていくのは本当に難しいんですけど、でも新しいでんぱ組.incを観てほしいです。

「みりんが本当のセンターになった」

──リハーサルや撮影など、新体制で動き出してみて何か感じることはありますか?

メンバーが奇数になったことで、(夢眠)ねむは「やっとみりんが本当のセンターになった!」って言ってます(笑)。

──確かに今までは偶数だったから、並んだときの立ち位置は中心からずれていましたね。

でも個人的にはまだなんか慣れなくて、ホントのど真ん中に立ってると「なんかすいません……」みたいになっちゃうんですけど(笑)。

──「センターとしてもっとみんなを引っ張っていかなきゃ」みたいな気持ちもありますか?

古川未鈴

いや、でんぱ組.incって誰か1人が引っ張っていくみたいなグループではないと思ってるので。みんながそれぞれの個性を出しながらがんばっていくのがいい。だからあれですよ、「攻殻機動隊」で言う「チームプレイは存在しない。あるとすればスタンドプレイから生じるチームワークだけだ」みたいなやつ。どっちかっていうと私はそういう気持ちでやってます。

──今、グループの状態はいい感じですか?

そうですね。みんなホント楽しそうにやってます。この1年はみんな個人の仕事もいろいろあって、今もえいたそ(成瀬瑛美)がお芝居の稽古をしてたり、りさちゃん(相沢梨紗)もブランド始めたりとかで、すごく忙しいとは思うんですけど。でもそれがでんぱ組.incの強みでもあるし、いいことだなと思ってるので。

──じゃあ武道館のときに言っていた「1人ひとり力を付けて戻ってきます」という約束は果たせそうですね。

はい。私はまあ若干引きこもってたんですけど(笑)、とはいえ何かしらのスキルを付けて戻ってこれたと思うので、さらに戦闘力の上がったでんぱ組.incがお見せできるんじゃないかなと思います。

舞台はすべて整ったからあとは私たち次第

──話を聞いていると、年末のライブへの期待値が上がってきますね。

うん、期待してもらって大丈夫です。衣装も新しくなるし、セットリストも全部自分たちで考えているので。何度も話し合って「ここはこっちがいい、あっちがいい」って言いながら。

──どんなセットリストになりそうですか?

やっぱりひさしぶりのライブなのでベストな選曲を意識して、メンバーの好きな曲とか「この曲をやったらお客さんも喜んでくれるはず」とか、けっこうそんな感じで考えてます。

──「W.W.D」シリーズはやはり封印なんでしょうか?

そうですね。そこは、まあちょっとつらいところではあるんですけど、しょうがないと言うか。うーん……やっぱり代表曲的な感じだったので、申し訳ないなっていう気持ちはありますけどね。「WWDBEST」もあんなに気合いを入れて作った曲だったのにライブであんまりできなかったなって。

──ところで大阪城ホール公演はすでにソールドアウトしているそうですね。

私としてはこれでやっと「またスタートラインに立ったな」って気持ちです。舞台はすべて整ったから、あとは私たち次第だなって。たぶんいいライブになると思います。なんかそんな気はしていて。

──新体制のでんぱ組.incがどんなライブを見せてくれるのか楽しみにしています。

「どうなるんだろう?」って思ってるお客さんに「おお!」って喜んでもらえるようなライブがしたいですね。私はやっぱり人に喜んでもらうことが一番好きで、ライブってそれの連続なんですよ。歌って喜んでもらえて、何か発表して喜んでもらえてみたいな。だから私は武道館でうれしいお知らせが何もできなかったのがすごく悔しくて、だから泣いてたんですよね、あのとき。でもたぶんこの年末から来年にかけては、でんぱ組.incとしてうれしいお知らせがたくさんできるんじゃないかなって思う。私たちもすごく楽しみにしてます。

でんぱ組.inc

ライブ情報

JOYSOUND presents「ねぇもう一回きいて?宇宙を救うのはやっぱり、でんぱ組.inc!」
2017年12月30日(土)大阪府 大阪城ホール
でんぱ組.inc(デンパグミインク)
ディアステージ所属の女性アイドルユニット。メンバーはそれぞれアニメ、マンガ、ゲームなどに精通したオタクとしても知られ、“萌えキュンソング”と呼ばれるアッパーな楽曲と情感豊かなライブパフォーマンスで国内のみならず海外からも注目を集めている。2013年1月には、メンバー自身の暗い過去を歌ったシングル「W.W.D / 冬へと走りだすお!」でオリコン週間ランキング10位を獲得。同年10月には主演映画「白魔女学園」の主題歌を収めた「W.W.D II」を発売し、12月に2ndアルバム「WORLD WIDE DEMPA」をリリースした。2014年5月には1万人を動員した初の東京・日本武道館単独ライブを成功させ、翌2015年2月には東京・国立代々木競技場第一体育館での2DAYSライブを実施し、夏には初のワールドツアーを開催した。2016年7月より2度目の対バンツアー「はやぶさかがやきツアー2016」を開催し、同年12月にグループ初のベストアルバム「WWDBEST ~電波良好!~」をリリース。2017年1月にはアリーナツアー「でんぱ組.inc 幕神アリーナツアー2017 電波良好Wi-Fi完備!」および追加公演「でんぱ組.inc 幕神アリーナツアー2017 in 日本武道館 ~またまたここから夢がはじまるよっ!~」を開催した。8月6日をもってメンバーの最上もがが脱退。現在は古川未鈴、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、藤咲彩音の5人体制で活動している。