──千葉・幕張イベントホールと兵庫・ワールド記念ホールで行われた「幕神アリーナツアー2017 電波良好Wi-Fi完備！」を振り返っての感想を聞かせてください。

ちゃんと私の好きなお金のかけ方をしたライブになりました。私、でんぱのライブは“普通のライブ”が好きなんです。お芝居を入れたり特別な演出をしたりとかじゃなくて、いつものライブの形を崩さずに、そこにお金をかけてカッコよく見せられたら最高だなと思ってて。そういう意味で今回はバッチリでした。いつものでんぱっぽさもあるし、スペシャル感もあるし、ファンの皆さんが見たかった特別感ってこういうものなんじゃないかな。あとトロッコもあったし、ちょっと落ち着くゾーンもあったし、私の中ではこれがベストですね。

──でんぱ組.incにとって2度目の日本武道館公演となった「幕神アリーナツアー2017 in 日本武道館 ～またまたここから夢がはじまるよっ！～」はいかがでしたか？

武道館はライブハウスみたいでしたね。めちゃくちゃエモい演出とか何か特別なことがあるわけじゃなく、いつもの曲をいつも通りにやるっていう。だから「あれ、武道館こんな感じでいいのかな？」みたいな（笑）。あとやっぱりあの近さがいいのかなって思ったりもしました。不思議なんですけど、初めて武道館に立ったとき（2014年5月）も私「思ったよりも近いな」って思ったんですよ。目がいいからわりと見えるし。実は私、1回目の武道館のMCで「こんなところで止まる気はないです！」みたいなこと言ってるんですよね。今考えると、なんでこんなとこ呼ばわりなんだ！ なんてこと言ってるんだ！と思いますけど（笑）。

──今回のツアーを通して印象に残っていることは？

やっぱり弦と管が入ったバンドの存在感はすごいなと思ってるので、だからストリングス主体のアレンジとか、でんでんビッグバンドによるアレンジコーナーみたいなのがすごくよかったです。幕張と神戸のバンドアレンジコーナーは、最初はすごく悩んだんですよ。「みんな普通の『W.W.D』が聴きたいんじゃないか」とか「普通の『ちゅるりちゅるりら』が聴きたいんじゃないか」って。それで結局いわゆるアコースティックアレンジみたいなものじゃなく、BPMを変えないで生バンドの音にするってことになって。そのあたりはけっこう協議を重ねた記憶がありますね。

──日本武道館公演では、メンバーが1人ずつファンにメッセージを伝えるコーナーもありました。未鈴さんは「何があってもでんぱ組.incをあきらめません」と話していましたね。

ライブの予定がしばらくないっていうのをファンの皆さんに伝えようと思ってたんですけど、これだけライブをやってライブが命ですって言ってきたでんぱがライブをやらんっていうのは、だいぶ波紋を呼ぶというか、動揺するファンの皆さんもいるだろうと思ってたんですよね。でも私がひと言「あきらめません」って言ったらきっと待っててくれるんじゃないかなって。実際、私は絶対あきらめないし、だったらそれを言わなきゃダメだなって思ったんです。