「進撃の巨人」も参考に……

──そしてラストを飾る「蒼星」はストリングスが印象的な、壮大なナンバーです。

池森　これは北欧をイメージして描いた楽曲です。手を付けてからすぐに完成したんですよ。アイデアを話し合った翌日くらいに、山根が持ってきていたんじゃないのかな。初めて聴いた瞬間からいい楽曲になると直感したし、改めて彼は天才だなって思いましたよ。

山根　やめてよ、ニヤけるから。でもそう言ってもらえて、今日はいいお酒が飲めそうだ（笑）。僕はストリングスで壮大に盛り上がる楽曲が好きで、そこに池森のボーカルが乗ることをイメージして曲を制作しました。幻想的なオーロラや氷の世界を表現できた気がします。

池森　この楽曲はボーカリストが高揚できるものというか、歌いたくなるメロディ進行なんですよね。

──歌詞に関しては、幻想的な雰囲気を漂わせながらも、新たなDEENの「夜明け」や「誓い」を感じさせるような内容ですね。

池森　ほかの楽曲と同じくこの曲もモチーフにした国や地域の歴史や文化を調べながら完成させたんですが、「蒼星」は実はマンガの「進撃の巨人」も参考にしていて。あの作品は北欧の神話からインスパイアされているという話を聞いたことがあったので、改めて作品に目を通して宗教や歴史を背景にしたストーリー展開に刺激を受けました。なので、それらイメージをキーワードにして、昔のように剣で傷付け合うのでなく、みんなが手と手を取り合って世界を素晴らしいものにしようというメッセージを込めたいと思いました。

旅をしている瞬間のワクワクを
僕らと共に感じてくれたら

──旅の締めくくりを飾るにふさわしい楽曲ですね。本作では楽曲だけでなく、アートワークでも「旅」を感じることができます。撮影を台湾で行ったそうで、アルバムの初回生産限定盤Aにはその様子が伝わるスペシャルフォトブックが封入されています。

池森　これまでアジア圏にあまり行ったことがなくて、映画などで見かける、色鮮やかな風景で撮影したらいいのでは？と思って行ってきました。

山根　街並みがきれいだったのが印象的でしたね。とても充実した撮影になりました。

池森　台湾は古いものを慈しむ文化が根付いていて、独特な美しさがある土地なんだなと思いました。現地で暮らす人が皆さん親切だったのも印象的で、僕らが撮影していると、こちらに気を遣って道をわざわざ空けてくれたりとかするんですよ。本当に素晴らしい場所だと思いました。

──台湾を含めアジア圏にはDEENのファンがたくさんいらっしゃると思いますよ。

池森　そうですね、次はライブで足を運ぶことができたらと思います。

──今回のアルバムで始まった新しい音楽の旅が、これからどう続いていくのか楽しみにしています。

山根　新体制になって初のアルバムが完成して、さらに僕らの音楽の世界が広がっていくはずなので今後も楽しみにしていただけたらと思います。

池森　まずはこの「NEWJOURNEY」で旅をしている瞬間の高揚やワクワクを、僕らと共に感じてくれたらうれしいです。