皆さんの夏の恋を音楽で盛り上げたい

──なぜ今回、このようなラブソング限定アルバムを出そうと思ったのですか？

池森秀一（Vo）　この時期に出すアルバムっていうことがやっぱり大きかったかな。夏ならではのイベントや出会いがあったり、恋愛もいつもより熱くなったりするじゃないですか？ 皆さんの夏の恋がさらに楽しいものになるよう、僕たちが音楽で盛り上げたいってところですね。

田川伸治（G）　オリジナルアルバムを夏にリリースするのはひさびさなんですよ。だから自分たちにとってもエネルギッシュな作品を生み出すいいきっかけになると思ったし、最近はアッパーな楽曲のシングルが続いてて、それを受けてのアルバムっていうこともあって。必然的にエネルギーに満ちた作品になるんじゃないかという予感はありました。

山根公路（Key）　やっぱり夏は心躍る季節ですから。最後のバラード以外は“どんどん行こうぜ！”っていうようなアッパーチューンやミディアムナンバーですね。

──“全開”感が出てますもんね。ところでこのタイトルは6月にリリースされたシングル「千回恋心！」とかかっているわけですよね？

田川　そうですね。もともとはスタッフが提案してくれたものなんですけど、ダジャレの領域を出ないというか……。

池森　完全にダジャレでしょ！

田川　でもうまいこと言うなって。ひらめきが効いてる。あとこれ、そのまま中華圏でもリリースできそうな字面だよね。サブタイトルには英語も入ってるし、世界にも通じそう（笑）。

──意外にもワールドワイドなタイトルだったと（笑）。

山根　僕はタイトルもそうですけど、このジャケットも好きですね。海に浮かぶハートがだんだん水面に溶けていく……みたいな。ロマンチックでいいなって思います。

ちょっとエロスな夏の歌

──アルバムの収録曲についてですが、ラブソングと一口に言ってもテンポ感や歌詞のストーリーなどいろいろな方向に振れるわけで。制作を始める前に、こういう作品を作ろうという話し合いはあったんですか？

田川　DEENのアルバムのコンセプトって、大体その前のシングルから派生することが多いんです。シングルだけ浮くのも嫌だし、やっぱり全体的な一体感は持たせたいので。

池森　だから今回は、昨年リリースしたシングル「君が僕を忘れないように 僕が君をおぼえている」と「千回恋心！」のような、ギターメインでラウドなリズムが響く曲が入ってくるだろうなという感じがありましたね。で、そういうイメージを3人の中で共有しつつ、山根と田川がトラックを作ったり、ストックの曲からピックアップしていって。最初は20曲くらい候補があったと思います。

──そのうち最初に完成した曲はどれになりますか？

池森　えっと、「ハイビスカス」かな。

──全力で夏に浮かれる男の子の姿を描いたこの歌詞、私、大好きです。

田川　エロスな感じですよね。

池森　俺の口からは言ってないよ？

田川　じゃあ“官能的”に変えましょうか？

山根　どっちでもいいわ（笑）。でも歌詞は意外性があるんじゃない？ 池森が書くものとしては。

池森　そうですね。サーフィンが大好きで仕事はあまりしたくないっていう主人公で、夏は海と君がいればパラダイス……みたいな。桑田（佳祐）さんまでいけないけど、ああいうちょっとエロスな夏の歌を僕が表現したらどうなるんだろうっていうチャレンジでもありました。

田川　俺、これいいと思ったよ。言葉が踊ってる感じで。

池森　男ならやっぱり海へ行くと女子が気になりますからね（笑）。

──サウンド面も、ガンガン上げておいて最後のサビ前で1回テンポがスローダウンします。この展開は意表を突かれました。

池森　ちょっとブルースっぽくなるところですよね。

田川　シングルではここまで思い切ったアレンジはできないと思って。アルバムならではの遊びというか、そういうギミックも取り入れてみました。