完璧主義ゆえのプレッシャー

──メジャーデビュー曲「声の在り処」はご自分で作詞されています。作詞はこれからもやっていきたいですか？

韓国語でも一度も作詞をしたことがなかったので、「声の在り処」の日本語での作詞は思ったよりずっと難しかったです。自分の好きな単語とか歌詞を自由に書けるのは楽しかったんですけど、完璧主義なので、プレッシャーがあって。

──ご自身が完璧主義だなと感じるのはどんなときですか？

気に入らないと前に進めないときがあります。完成した曲を1カ月後に聴いたら、「ここをこう歌ったらよかったな」となる瞬間も多くて。「今日めっちゃいいのできた！」と思っても、次の日に聴いてみると全然違うので、何回も直します。カバー曲は自分でミックスすることが多いのですが、ミックスも8回以上は普通にやり直します。

──ミックスは最初からご自分でされているんですか？

ニコニコ動画で活動していたときは人にしてもらうことが多かったんですが、最近だとほぼ自分でやっています。プロの方にお願いするともっといいクオリティになるんですけど、こちらからの修正のフィードバックが大量になってしまって、申し訳ないなと思って自分でやっています。

──3月にリリースされた「Time After Time」は初の韓国語詞の楽曲です。これはどのような経緯で生まれたのでしょう？

Sweden Laundryという、韓国で音楽活動をしているバンドの方から「ダズビーさんのことを思いながら書いた曲があるんですけど、歌いませんか？」とDMをいただいて。2曲あったんですけど、聴いてみたらどちらも大好きなタイプの曲だったので、これをシングルで出すことにしました。

予想を覆すTOOBOE提供曲「砂嵐」

──そして4月12日にリリースされた最新曲「砂嵐」はTOOBOEさんの提供曲ですが、なぜTOOBOEさんと曲を作ることになったのでしょう？

TOOBOEさんの「心臓」が大好きで、事務所の方にも「これ聴いてみてください」と言っていたら、マネージャーさんがTOOBOEさんに私が聴いていることを伝えてくださって。そうしたら、TOOBOEさんも「昔から聴いてます」と言ってくださったんです。そこからTOOBOEさんがボカロPのjohn名義で投稿された曲も全部聴いたんですが、どれもよくて「なんで知らなかったんだろう」と思いました。「ヒガン」や「春嵐」が好きです。

──TOOBOEさんの音楽のどういうところに惹かれますか？

どの曲にも「TOOBOEさんの音楽」という感じが曲調や歌詞に出ていて、ボカロ曲もTOOBOEさんの声で聞こえたというか。「心臓」は特にゾンビの主人公について書いた歌詞というのが新鮮でしたし、MVもカートゥーンっぽくて素敵だなと思いました。

──楽曲を依頼するにあたり、TOOBOEさんとどんなお話をされましたか？

TOOBOEさんと直接話したわけじゃないのですが、基本的なテーマが恋や愛で、ネガティブとポジティブな面が共存しているというダズビーのコンセプトをお伝えしました。それを受けて、「この世を旅立った恋人への寂しさ」という「砂嵐」の世界観をTOOBOEさんが考えてくださいました。

──上がってきた曲を聴いていかがでしたか？

仮歌をいただいたとき、すでにクオリティが高いものだったので「これ自分の声で歌えるのかな」と心配でした。でも、最終的には自分の声でもこんな感じが出せるんだ、と思える部分が多くて、とてもいいチャレンジになりました。リリース前に楽曲の世界観だけ先に公開していて、それを見たリスナーの方が「バラードじゃないか」と予想していたのが、ティザーが出たら意外とカッコよくてファンキーな雰囲気だったことに驚いていたのも面白かったです。

──「砂嵐」を歌うときに意識したことは？

BPMがけっこう高く、難しい漢字も多かったので大変でした。早口のところが特に難しくて、そこがなんとか自然に聞こえるように何度も歌い直しました。

──感情の面で込めたものなどはありますか？

普段通りに歌うとジャンル的に合わないと思ったので、普段より力を入れて歯を食いしばるように歌うことを意識しました。愛する人を失った女性の歌なので、つらいけどそれを耐えるような気持ちですね。

──インタビューの前日にはTOOBOEさんとのラジオ収録があったそうですね。

はい。そこで初めて直接お話しして、どうして「砂嵐」なのか詳しく聞きました。TOOBOEさんが私の声を初めて聴いたときに、悲しくて寂しい声だなと思ってそれに合わせてメロディを書いたそうです。2番のサビが終わったあと、砂漠の中の砂嵐のイメージが浮かんだので、タイトルを「砂嵐」に決めた、というのをお聞きしました。完成した楽曲について、「こんなふうにも解釈できるんだ」と驚いたともおっしゃってました。

──直接お話ししてみて、TOOBOEさんの印象はいかがでしたか？

それまでもライブ映像を観ていたので、オーラが強くてカッコいい人だなと思っていました。初めてお会いするので、自分がうまく話せるか心配していたんですが、実際会ってみたら面白い方で楽しく話ができました。

現状に満足しないボーカリスト、今後の展望は

──これまでの活動を今、振り返ってみていかがですか？

メジャーデビューしてからいろんな経験をして、アニメタイアップとか、1人でやっていたときには期待もしていなかったことができました。昔の自分に言っても信じてくれないくらいすごいことをしてると思いますし、楽しいです。

──曲を投稿し続けるのに疲れた時期があるとおっしゃっていましたが、活動をやめたいと思ったことはありませんか？

疲れてはいたけどやめたいとは思いませんでした。自分の中の基準値がどんどん上がってくるのに、それを自分が追いつけない気がして、そこでどうしたらいいかわからない気持ちでした。

──それは乗り越えられましたか？

わからないです（笑）。乗り越えたのかな？ でも、今まで100%満足できたことはないので、もっと歌や表現がうまくなれたらなと思っています。

──音楽一本で生きていく決意を持ったのはいつ頃ですか？

4年前かな……。そのときは大学生で、学校を辞めたい気持ちもあって悩みが多かったです。今は卒業できて音楽だけをやれる生活で、ハッピーです！

──今後やってみたいことはありますか？

アニメ映画の主題歌を担当してみたいです。日本での活動を増やしていきたいですし、オリジナル曲も発表していきたいです。

──曲を書いてほしい方や、憧れのアーティストさんはいますか？

曲をお願いしたい方は多すぎて……（笑）。最近よく聴いているのは米津玄師さん、Vaundyさん、Mrs. GREEN APPLEです。皆さんの新曲が出るたびに聴いているんですが、どれもよくて、気付いたらファンになっていました。

──ライブについてはいかがでしょう？ メジャーデビュー後はまだライブをされていないですよね。

ライブ、したいです。ライブの経験ってあまりなくて緊張しちゃうんですけど、やってみないと乗り越えられないことだと思うので。挑戦ですね。

ダズビーを形作る4つのもの

写真・文 / ダズビー

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布団とか枕に付けるといい香りがしてぐっすり寝られます！
プレゼントしてもらったものですが、とても気に入って、今は必需品になりました。

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ビタミンは毎日欠かさずに飲んでいます。サプリに興味があって、いろいろと飲んでいますけど、毎日飲んでいるのは、このOrthomolのビタミンです！

カムコーダ

私の好きなアイテムです！ 旅行に行くときとか、少し特別な日にはこのミニサイズのカムコーダを持って出かけます。友達の姿や風景などを、スマホでは撮れない雰囲気で撮ることができて、買ってよかったと思います。