こんないい女風に歌えるアイドルがいただろうか
──続いて、誰がお気に入りの曲を発表しますか?
十束 私は絶対に被らないから最後で大丈夫です。
日向 じゃあ、私が言いますね。お気に入りの曲は「ハッピー・エンディング」です。アルバムの最後の曲で、ステラボールでお披露目した曲なんですけど、最初歌詞を読んだときに「どういうことだ?」と思ったんです。終わりに向かっていくことを歌った曲なんじゃないかって。
十束 私以外、みんな不安になっちゃって!(笑) 私だけ深く考えてなかった。
日向 作詞を手がけてる(ヤマモト)ショウさんに「これ、どういう意味ですか?」と聞いたんですよ。ネガティブな曲だったら歌いたくなくて。でも「マイナスな意味じゃない」と言われて、「あ、そうなんだ。じゃあいっか!」と納得しました(笑)。終わりに向かっていくというより、「何事も終わりや目標を決めて向かっていくのが物事の進め方」という意味だったらしいです。
奥津 ハルちゃん、ちょっと怒ってるくらいの勢いでショウさんに詰め寄ってました(笑)。
──音楽的にはゴスペルの要素が強い曲ですよね。
日向 アウトロにライブではやっていない私のフェイクが入っているので、ぜひそこにも注目して聴いてほしいです。私はソロのアドリブを入れるのが苦手で、レコーディングでは全然OKが出ず、40テイクくらい録り直したんですよ。今まで聴いてきた邦楽にはないフェイクを求められて、もらった参考動画もさっぱり意味がわからなかったんですけど、「理屈じゃないから教えられない」「ハルちゃんが歌で生きていくんだったら、これは絶対にできないとダメだよ」とスパルタなディレクションを受け、OKが出たときは涙が出てきました。
──日向さんの歌声について、ほかのメンバーはどのように捉えているんですか?
十束 歌に関してはハルちゃんに任せておけば大丈夫だし、私が聴いても昔と比べて声が違って。私たちの知らないところで努力し続けてるんだなと思うと、誇らしくて心強いです。
日向 やった!
──では、最後に十束さんお願いします。
十束 私は「フリー・ユア・フェスタ」です。この曲を歌えるアイドルって強すぎると思うんですよ。自分たちのキャラを出しつつ、こんなにいい女風に歌って1つの作品にまとめられるアイドルが今までいただろうかと。夏フェス用に作られた曲だったんですが、結局あまり日の目を浴びなくて(笑)。「アルゴリズムの海」と並んで大好きな曲なので、これからはもっと歌っていきたいです。
──ストレートなファンクやソウルとは違うタイプの曲ですよね。
十束 Bメロの音が低い一方、サビの音が高くて、レコーディングで苦戦した思い出があります。いつも聴けないメンバーの歌声が聴けるし、この曲をきっかけにファンになってくれる人が増えたらいいですね。
常に新しくて面白いことを
──4月には全公演バンドセットによる東名阪ツアー「Bandwagon Vol,1」が開催されます。
奥津 宮野さんが同い年くらいの若い人たちをバンドメンバーとして集めたので、ライブを一緒に作り上げていく感じが今まで以上に強まるんじゃないかな。これまでは置いていかれないように付いていくので必死でしたが、私たちもスキルが上がってきたので。
十束 若い人たちだけでライブを作り上げることは1つの試練で、それができたときに次のステップにいける気がします。大阪や名古屋の方にもバンドセットのライブを観ていただけるのがうれしいし、会場の一番後ろまで熱を届けられるようなライブをしたいです。
──日本テレビ系「バズリズム」の「これはバズるぞ2019」というランキングにランクインするなど着実にフィロのスの名前が広がっていますが、正直ブレイクする予感みたいなものは感じていますか?
佐藤 うーん、自分たちの努力次第かな。ブレイクできる環境を周りに整えてもらっていて、私たちは売れることでしかそれに恩返しできないし、やるっきゃないです。もっと気軽に現場に来れる環境を作りたいとも思っているので、アイドル現場に来たことない人に手を差し伸べていきたいですね。
奥津 「どんなもんだろう」と思ってライブに来た人の想像を超えないと新たにファンを獲得できないので、常に人の予想を上回るパフォーマンスをしていかなきゃと思っています。「思った通りよかった」くらいではダメだなって。
──ハルさんがテレビ番組「ザ・カラオケ★バトル」に出演するなど、個人での活躍も増えていますよね。
奥津 親バカエピソードなんですけど、3人で「ザ・カラオケ★バトル」の観覧に行って、ハルちゃんの歌に感動して泣いちゃったんです。改めてハルちゃんの歌の頼もしさを感じました。
日向 地上波で歌の個人仕事をいただけて、ホントにありがたかったですね。フィロのスを多くの人に知ってもらえるきっかけをいただけたことが何よりもうれしくて。売れる準備はできているので、それをどれだけ今後に生かせるかが問題です。
──フィロのスの今後の課題を挙げるとしたらなんでしょうか?
奥津 キラキラしているだけじゃなく、スクービーさんのようなアドリブ力というか、その場をぶっ壊すパワーみたいなものを身に付けていかなきゃと思ってます。
佐藤 私たち4人共小柄なので、大きなステージだとすごく小さく見えるんですよ。全員身長170cmあると思われるくらいの迫力を身に付けないと、今後は通用しないと思っています。
十束 面白いメンバーがそろっているし、「フィロのス、こんなことをやっているんだ」と思われるように常に新しくて面白いことをやり続けたいです。
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宮野弦士×ヤマモトショウ インタビュー
- フィロソフィーのダンス「エクセルシオール」
- 2019年4月5日発売 / PHILOSOPHY OF THE WORLD
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通常盤 [CD]
3240円 / UXCL-198 -
初回限定盤 / CD
[CD2枚組]
3780円 / UXCL-200 -
初回限定盤 / DVD
[CD+DVD]
4320円 / UXCL-202
- CD収録曲(全形態共通)
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- イッツ・マイ・ターン
- ラブ・バリエーション
- スーパーヴィーニエンス
- ロジック・ジャンプ
- フリー・ユア・フェスタ
- パレーシア
- シャルウィー・スタート
- スピーチ
- バイタル・テンプテーション
- ヒューリスティック・シティ
- ライブ・ライフ
- ハッピー・エンディング
- 初回限定盤付属ボーナスCD収録曲
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Live at Stellar Ball 2018/12/16
- ファンキー・バット・シック
- イッツ・マイ・ターン
- すききらいアンチノミー
- アイム・アフター・タイム
Funk Up Medley
- バッド・パラダイム~ライク・ア・ゾンビ~バイタル・テンプテーション~エポケー・チャンス~バッド・パラダイム(Reprise)
- アルゴリズムの海
- コモンセンス・バスターズ
- ラブ・バリエーション
- はじめまして未来
- ライブ・ライフ
- アイドル・フィロソフィー
- ベスト・フォー
- ジャスト・メモリーズ
- ダンス・ファウンダー
- 初回限定盤付属ボーナスDVD収録内容
-
Visions of 2018
Music Video
- ダンス・ファウンダー(Re:Vocal&Single Mix)
- ライブ・ライフ
- イッツ・マイ・ターン
- 夏のクオリア(remixed by ikkubaru)
- ヒューリスティック・シティー
- ラブ・バリエーション WITH SCOOBIE DO
Bonus 映像
- Girls Are Back in Town Vol.1 転換映像1
- Girls Are Back in Town Vol.1 転換映像2
- ヒューリスティック・シティー メイキング映像
ツアー情報
- フィロソフィーのダンス「Bandwagon Vol,1」
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- 2019年4月16日(火)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
- 2019年4月17日(水)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
- 2019年4月23日(火)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
- フィロソフィーのダンス
- 2015年に結成された、加茂啓太郎がプロデュースを手がけるアイドルグループ。「Funky But Chic」をキーワードに活動しており、宮野弦士が編曲、ヤマモトショウが作詞を担当するソウルフルな楽曲で注目を集めている。2015年12月に会場限定シングル「すききらいアンチノミー」を発売。2016年11月に東京・原宿アストロホールで初のワンマンライブ「Do The Strand VOL.1」を開催したほか、1stアルバム「FUNKY BUT CHIC」をリリースした。2017年11月に2ndアルバム「ザ・ファウンダー」を発表。2018年6月に東京・LIQUIDROOM で初の生バンド編成でのライブを行い、同月から6カ月連続で7inchシングルをリリースした。同年10月に東京・東京キネマ倶楽部でSCOOBIE DO とのツーマンライブを、12月には東京・ステラボールでホーン隊を加えたバンドセットライブを開催。2019年4月に3rdアルバム「エクセルシオール」をリリースし、全公演バンドセットの東名阪ツアーを行う。