Da-iCEが11月21日に“5周年イヤー”第3弾シングル「雲を抜けた青空」をリリースする。
今作は、2018年を「デビュー5周年イヤー」として駆け抜けてきた彼らがその5周年イヤーのラストを飾るべく発表するシングル。表題曲は優しい愛の情景が紡がれるミドルバラードで、メンバーの花村想太、工藤大輝、大野雄大が初めてリード曲の作詞を手がけた。
この温かなバラードに、5人はどのような思いを乗せたのか。音楽ナタリーではメンバーにインタビューを行い、制作の背景についてじっくりと語ってもらった。
取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / 前田立
新しいDa-iCEを見せるっていう意味でも優しい歌を届けたい
──今作が「5周年イヤーシングル」としてはラストの作品なのでしょうか?
岩岡徹 そうですね。
──第3弾の作品が2016年発表の「恋ごころ」以来となるバラードシングルになったのは、どんな経緯があったのでしょう。
工藤大輝 バラードというのはわりと前から決まってたよね。
大野雄大 ね。数年前に。
大輝 そこまでではない(笑)。「恋ごころ」以来しばらく出していなかったから次はバラードにしようとは思っていて、内容についてはそのあと決めていきました。イベントなどでファンの方から「結婚式で歌えたり流せたりするDa-iCEの曲ってないんですか?」みたいなことをそれぞれがよく言われていたんですね。だから“温かい属性”のバラードにしよう、と。
花村想太 Da-iCEのバラードは失恋ソングが多いんですけど、新しいバラード曲を出すとなったときに今までのようなDa-iCEらしいと言われる失恋ソングを出すのか、少し観点を変えてあったかい曲にするのかを話し合って。今回の作品は5周年イヤーの曲でもあるし、新しいDa-iCEを見せるっていう意味でも優しい歌を届けたいねとみんなで決めた感じですね。その中で僕は、自分の思い描くウエディングソングを形にしようと思って歌詞を書いて。
──そう、「雲を抜けた青空」は想太さん、大輝さん、雄大さんが作詞を手がけているんですよね。最初からメンバーが作詞を担うことは決まっていたんですか?
想太 いえ、決まっていなかったです。僕が最初コンペに参加することになって、1人でこの曲のベースになった歌詞を「雲を抜けた青空」というタイトルで書いたんです。
──そうだったんですね。
大輝 僕と雄大くんが参加した段階で歌詞はもうほぼできあがってたんですよ。僕らは想太の伝えたいことや「この表現は気に入ってるから残したい」みたいなことを聞いたうえで、まだ改善の余地があるところを僕らなりの解釈で提案していったという感じです。
想太 制作期間に余裕があまりなくて。「自分で書き終えたいな」という気持ちも正直あったけど、短期間で仕上げるのには限界があるなと思って、今回はメンバーの力を借りました。僕が最初に書いたものはより伏せた感じでウエディング要素を埋め込んでたんですけど、もうちょっと浮き彫りにと言うか、わかりやすくしようということで大輝くんに見てもらって、最終的に雄大くんにも入ってもらい。言葉の選び方も、みんなで一から見直して仕上げていったんです。
大輝 マイナーチェンジとブラッシュアップを繰り返してたどり着いたのがこの形、という感じですね。
──雄大さんは、想太さんが書いた歌詞を見てどう感じましたか?
雄大 想太って、万人には経験がないかもしれないラインだけどみんながイメージしやすい描写を書くのがうまいと思うんです。今回もそうで、純粋に「いいな」って思いました。大輝くんも言ってたけど、もうできあがってはいたから。その中で「僕だったらこの言葉をこう届けるかな」っていう形で提案させてもらった感じです。
タイトルだけは絶対変えたくなかった
──想太さん、この曲を作詞するうえで特にこだわったところなどはありますか?
想太 タイトルはこだわりありますね。正直、何度も登場する「Two hearts as one」がタイトルのほうがいいんじゃないかっていう気持ちもよぎったんですけど、その思いが消えるようにがんばって歌詞を調整しました(笑)。
──「雲を抜けた青空」が、それほど気に入っていた?
想太 最初に決めたものだから、タイトルだけは絶対変えたくなかったんですよ(笑)。書けば書くほど「Two hearts as one」のほうが印象的に残っていくからそれが嫌で(笑)。大輝くんと雄大くんに印象的な「空」をいっぱい出すお手伝いをしてもらいました。
大輝 僕らがひねくれているのもあるんですけど、「Two hearts~」というフレーズはそこまで新しくないと思って。「雲を抜けた青空」っていう表現はなかなか出てこないものだから。タイトルになってほしいなっていう思いはありましたね。
雄大 ちょっといい? 俺、今回初体験があるんです。初めてタイトルのフレーズを歌ってないんです。
想太 えっ。あ、本当や!
一同 あはははは!(笑)
雄大 タイトルが歌詞に入っている曲は、これまでは絶対2人ともそのフレーズを歌っていたんですよ。でも今回は、俺にとってのタイトルは「窓の外の青空」……。
和田颯 あはははは!(笑)
雄大 だからしっくり来てないんだよなあ、正直。
想太 おい(笑)。
雄大 不思議な感覚があるんですよね。想太が1サビで「雲を抜けた青空」って歌って、「2サビで自分も……!」と思って準備してるんですけど、2サビも3サビもタイトルフレーズは来ない。
──でもその「空」の表現の変化が特徴的ですよね。最初は「雲を抜けた青空」、次は「窓の外の青空」と来て、最後には「見下ろした虹」と、空を見下ろしている。聴き手の視点がどんどん変わっていくと同時にイメージも広がっていくようで。
大輝 どんどん上に上がっていってますね。
雄大 部屋から外に、外から上に、ですね。
──そう。聴きながらイメージする場所が、最初と最後でがらりと変わる。言葉の少しの変化で想像をかき立てるこの表現は、すごく練られたのかな?と。
想太 はい。練りに練っております。
颯 1つひとつの景色が想像しやすいですし、皆さんも共感できるところがたくさんあると思うんですよ。自分自身も聴いていてすごくあったかい気持ちになります。
徹 俺も同じ。優しい気持ちになれるんですよね。
──想太さん改めて、自分の作詞曲が初めてリードトラックとして発表される思いを教えていただけたら。
想太 やっぱり夢でしたから。最初に「せつなくて」という楽曲を書いたときから「表題曲を書きたい」と思ってこれまでいろんな楽曲に携わってきたので。実際にシングル曲になるとすごくうれしいですし、今までやってきてよかったなって個人的には思いますね。
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今までで一番繊細なAメロにしたい
- Da-iCE「雲を抜けた青空」
- 2018年11月21日発売 / UNIVERSAL SIGMA
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初回限定盤A [CD+DVD]
1800円 / UMCK-9968 -
初回限定盤B [CD+DVD]
2300円 / UMCK-9969 -
通常盤 [CD]
1200円 / UMCK-5660 -
mu-moショップ限定盤 [CD]
1500円 / PROS-5019
- 初回限定盤A・B CD収録曲
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- 雲を抜けた青空
- リフレイン
- 通常盤 CD収録曲
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- 雲を抜けた青空
- リフレイン
- この曲のせい -5 Voice & Acoustic ver.-
- mu-moショップ限定盤 CD収録曲
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- 雲を抜けた青空
- リフレイン
- この曲のせい -5 Voice & Acoustic ver.-
- 雲を抜けた青空(Instrumental)
- リフレイン(Instrumental)
- この曲のせい -5 Voice & Acoustic ver.- (Instrumental)
- 初回限定盤A DVD収録内容
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- 「雲を抜けた青空」Music Video
- The making of「雲を抜けた青空」
- 初回限定盤B DVD収録内容
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- もうひとつのBETツアー in 韓国
- Da-iCE(ダイス)
- 2011年に結成された、ボーカリストの大野雄大、花村想太、パフォーマーの工藤大輝、岩岡徹、和田颯の5人からなるダンス&ボーカルグループ。クラブやライブハウスを主な活動の場として年間100本を超えるライブを行い、2012年にはAAAのツアーのオープニングアクトに抜擢される。2014年1月にユニバーサルシグマからメジャー1stシングル「SHOUT IT OUT」をリリースした。2017年1月に初の日本武道館公演を実施し、武道館公演の1週間後に3rdアルバム「NEXT PHASE」を発表。同年にスタートした全国ツアー「Da-iCE LIVE TOUR 2017 -NEXT PHASE-」では、最終公演を千葉・幕張イベントホールで開催した。2018年にデビュー5周年を迎え、1月に5周年イヤーの第1弾シングルとして「TOKYO MERRY GO ROUND」をリリース。5月30日に第2弾シングル「FAKESHOW」を発表した。8月には4thアルバム「BET」をリリースし、11月に5周年イヤーのラストを飾るバラードシングル「雲を抜けた青空」を発売する。