音楽ナタリー PowerPush - Da-iCE
5人が描く夢の続き
5人組ダンス&ボーカルグループのDa-iCEがニューシングル「BILLION DREAMS」をリリースした。メジャー5枚目となる今作の表題曲は夢を思い描く人の背中を押す、ミディアムテンポのさわやかな応援ソングだ。これまでに描いてきた夢を着実に実現させ、さらなる高みへと邁進している5人に、ナタリーではインタビューを実施。グループのこれまでの歩みから未来まで、じっくりと語ってもらった。
取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / 小坂茂雄
ボーカルも踊る5人組
──まずDa-iCEっていったいどんなグループなのか、リーダーにお聞きしたいです。
工藤大輝 Da-iCEは5人組のダンス&ボーカルグループです。「2ボーカル+3ダンサー」という形ではなくて、ボーカルも踊る「2ボーカル+5ダンサー」っていう形でずっと活動してます。自分たちの楽曲の世界観を表現するにあたって5人がバラバラに動くフォーメーションがあったりするので、誰かが同じ立ち位置にずっといることができないんです。なので必然的にボーカルも踊ることになるっていう。
──ボーカルのお2人にとってこのスタイルは大変じゃないですか?
大野雄大 大変ですね(笑)。でも「嫌だな」と思うことはないです。これがDa-iCEのスタイルなので。
花村想太 そうですね。今ではダンスも大好きですよ。
──ナタリーでインタビューをさせてもらうのは初めてですし、グループのこれまでの歩みからじっくり話を伺おうと思っています。まず、どうやってこの5人が集まったんですか?
花村 ダンス&ボーカルユニットを作ろうとしていた今の僕らのマネージャーが集めたメンバーですね。
──そうだったんですね。2011年の結成当初に合宿をしたって聞いたんですけど、合宿では具体的にどんなことをやったんですか?
工藤 ご飯に納豆をかけて……。
花村 (笑)。ひたすら踊るか筋トレするかなんですけど、食事は大盛りの白飯を食べさせられるんですよ。スタッフさんが吉野家で食事を買って来てくれたから「あ、牛丼食べられるのかな」と思ったら牛丼じゃなくて大盛りのご飯だけで、隣に納豆ともずくが置いてあるんです。そのご飯を全部食べ切らないと、次の予定に進めないっていう。
工藤 それで俺お腹壊しましたもん。無茶なんですよ(笑)。
岩岡徹 そもそもメシを食うにも筋トレのメニューが終わらないと食えなかったしね。「筋トレ終わったヤツから食ってけ」って言われて。
花村 しかも1人1杯じゃなくて1人2杯くらいあったんですよ。筋トレがつらすぎて食欲なんかないのに(笑)。
工藤 だからもう、精神的な部分を鍛えた感じだよね。
大野 牛丼食べたかったよな。本当は肉が疲れを癒すんですけどね!
花村 しかも筋肉になっていくのは肉だしね!(笑)
──つらい思いを共有して、5人のチームワークが培われていったんですね(笑)。
大野 そうですね。いつの間にかみんな仲良くなっていましたね。
和田颯 そうだね。
名前だけでも
──そうして同じ2011年にライブ活動がスタートして。初めてのライブって記憶に残ってます?
花村 めっちゃ疲れたのを覚えてますね。たった2曲だけのパフォーマンスだったのに。歌ってても、次のフレーズが歌えなくなっちゃうくらいに息が切れちゃって。
──それって緊張から来る疲れですか?
花村 もありますし、そもそもの実力がないってことですよね。
大野 体の使い方がわからなかったね。
──当時は主にどういった場所で活動していたんですか?
大野 クラブですね。
工藤 あとは小っちゃいライブハウスです。同じようなスタイルでやってるグループと一緒に、オムニバス形式でのライブを積極的にやってました。
──そういった場所って、自分たちを観に来たわけではない人もいるじゃないですか。そういう人たちに向けてパフォーマンスをするときって、どういう見せ方をするんですか?
工藤 自分たちの持ってる曲をとにかく多くやることを意識してました。セットリストの構成もメドレーみたいな感じにして、歌とダンスをたくさん見せて。
大野 あと、まず名前を知ってもらおうっていう思いがありましたね。今でこそMCではいろんな話をしますけど、当時は「Da-iCEです。名前だけでも覚えて帰ってください」ってことだけしか言ってなかったですね。
花村 もう、自分たちを観に来てくださってるお客さんばかりじゃないっていうケースが普通だったんです。だから今、ワンマンライブをやらせてもらってホームに感じるっていう感覚のほうがまだ慣れてないというか。
和田 うん。
工藤 アウェイ慣れだね。
花村 だからフェスとかのほうが自分たちの実力を出せているような気もしますね。
──そういった場所で経験を積んで、今に生かせていることってありますか?
工藤 たくさんありますね。アウェイのほうが「行くぜ!」という気持ちになるし。それはホームのときがダメっていうわけではもちろんなくて。楽しいスイッチじゃなくて「俺ら、ここでかまさないとな」っていうスイッチを持てているっていうのは、過去のそういった経験から来てるものなのかな。
転機はAAA
──2012年にはAAAのツアーのオープニングアクトを任されました。このトピックはグループの活動の転機になった?
一同 間違いないですね。
工藤 会場の規模がそれまでとケタ違いでしたから。
花村 ずっと200人とか300人のハコでやってたのが、そのツアーでは1万人とかね。
──ツアーの最初にステージに立ったときの気持ちってどんなものでしたか?
花村 僕はAAAさんを観に来てる方たちが、その日最初に観るアーティストがAAAさんじゃないっていうことに怖さを感じてました。「なんでわけわからんグループを先に観なあかんねやろ」って思われるんじゃないかって。
工藤 めっちゃ怖かったですね。
大野 「ダイス? ダイズ?」みたいなね。
工藤 僕らがステージに上がるのが開場したばかりのときなんで、客席を移動してるお客さんが目に入るんですよ。しっかり観られているよりも、チラチラ観られているほうが緊張する。
和田 「誰なの? この人たち」っていう表情の人が多かったよね。でもツアーも終盤になると、僕たちの曲が鳴るとみんな急いで席についてステージを観てくれるようになったんです。それはすごいうれしかったですね。
岩岡 温かかったですね。
和田 1日でTwitterのフォロワー数が何百人と増えたりもして、それもびっくりしましたね。
花村 ツアーが始まる前は、みんなフォロワー数が2000人くらいだったんです。それが最終的に1万人以上になったよね。
工藤 もう感謝しかないですね。
花村 ありがたかったよね。AAAさんともう1回一緒にツアー回らせていただきたいなって思います。今やったら、もっと違った景色が見られるような気がするから。
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- ニューシングル「BILLION DREAMS」2015年4月15日発売 / UNIVERSAL SIGMA
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1620円 / UMCK-9727
- 通常盤 [CD] 1080円 / UMCK-5566
- 配信版 / 700円
- 限定ソロジャケット盤 [CD] 1080円
- 岩岡徹ver. / UMCK-9728
- 工藤大輝ver. / UMCK-9729
- 大野雄大ver. / UMCK-9730
- 花村想太ver. / UMCK-9731
- 和田颯ver. / UMCK-9732
初回限定盤CD収録曲
- BILLION DREAMS
- Fashionable
限定ソロジャケット盤、通常盤CD収録曲
- BILLION DREAMS
- Fashionable
- BILLION DREAMS -English ver.-
配信版収録曲
- BILLION DREAMS
- Fashionable
- ナミダの容量 / 工藤大輝
- Eternally / 岩岡徹、和田颯
- BILLION DREAMS -English ver.-
初回限定盤DVD収録内容
- BILLION DREAMS Music Video
- The Making of BILLION DREAMS
Da-iCE(ダイス)
2011年に結成された、ボーカリストの大野雄大、花村想太、パフォーマーの工藤大輝、岩岡徹、和田颯の5人からなるダンス&ボーカルユニット。クラブやライブハウスを主な活動の場として年間100本を超えるライブを行い、2012年にはAAAのツアーのオープニングアクトに抜擢された。同年12月にミニアルバム「Da-iCE」でインディーズデビューする。2013年にメジャーデビューが発表され、2014年1月にユニバーサルシグマからメジャー1stシングル「SHOUT IT OUT」をリリース。同年4月に2ndシングル「TOKI」、8月に「ハッシュ ハッシュ」と短いスパンで作品を発表する。10月には1stアルバム「FIGHT BACK」をリリースした。2015年1月に4thシングル「もう一度だけ」を、4月に5thシングル「BILLION DREAMS」を発表。