ナタリー PowerPush - ダウト×美川憲一

一お墨付きゲットなるか!? ダウトが美川憲一に突撃

幸樹(Vo)&玲夏(B)インタビュー

今年は年中レコーディングしてるんですよ

──リリースのペースが早いですよね。前回のフルアルバム「MUSIC NIPPON」からまだ半年しか経ってませんし。

幸樹 今年は音源をたくさん出す年にしようって決めてたんです。毎年同じようなスパンでリリースするような活動もつまらないし。例えば来年は新曲を一切出さずにライブだけをする年になるかもしれないとか、何事もそういうメリハリって大事かなと思っていて。

──ああ、そういうことなんですね。「曲があふれるようにどんどんできる時期」というわけではなく。

幸樹 うちらってケツ叩かれないとなんにもやらないタイプなんで(笑)。なんか今年は年中レコーディングしてますね。

玲夏 そうだよね。このミニアルバムのレコーディングが本当につらくて、録り終わったとき「ああー! やっと終わった!」って思ったんですよ。なのに3日間休んだら曲作りが始まって、すぐ選曲会。今は次のレコーディングやってます。

──今回の「high collar」だって、ミニアルバムとはいえ中華盤(通常盤)のカバーアルバム「登竜門(2)」をあわせるとかなりのボリュームになりますしね。

玲夏 結果12曲ですね。もうフルアルバムです(笑)。今回の「和洋中」っていうコンセプトは、「あいするひと」のシングルを出したあたりからずっと幸樹がやりたいって言ってたんですよね。

幸樹 そうですね。いつかやりたいと思って。今回それが実現して、アートワークもすごく面白くできて良かったです。

玲夏 撮影が大変だったんですよ。早朝から夕方まで、1日に3件の店を回って(笑)。

ジブリ映画で使える曲を用意してるんです

──ダウトは元々音楽性が幅広くていろんなジャンルに挑戦しているイメージがあったんですが、今作は今までよりも焦点が絞られていて「ダウトらしさ」が表れている気がしました。

幸樹 そうですね。うちらの作品としては偏り気味だと思います。いつもはそこのバランスを取ったりするんですけど、今回はわざと偏らせたところがあって。

──やっぱり意識していたんですね。それ以外に今回意識したことはありますか?

玲夏 うーん……、エゴにならないようにすることかな。

──「エゴになる」とは?

幸樹 自分がやりたいことをただただ全部曲に詰め込むこととか。それで気付いたら5分以上ある曲になっちゃったりしがちなんで、そこはやっぱりよく考えないとダメですよね。

玲夏 自分で曲作るときも4分超えたら「あ、まずいな」と思う。3分ちょいでちょうどいいかな。もう自分の好みがそうなってるんですよね。「Aメロ2回いらねえな」とか、自分の中でもう解決しちゃうようになりました。

──聴く音楽の好みも変わってきたんですか?

玲夏 最近音楽聴いてないんですよね(笑)。

幸樹 聴いてないの!? 何してるの!

玲夏 忙しくて聴けてないんです。常日頃から聴きたいと思ってるんだけど。俺の自宅のパソコンのiTunesには2万曲くらい入ってて、それだけあるとやっぱりほとんど聴いてない曲もあるわけで、それを探してちょっと聴いてみたりとかはしてますね。

幸樹 俺は最近ジブリ作品のDVDをずっと観てて、「これ素晴らしいな」と思ってジブリ映画のサウンドトラックを全部買いました。優しい気持ちになれる(笑)。

──でもダウトの世界観は、あまりジブリの音楽からダイレクトに影響されてる感じはしないですけど(笑)。

幸樹 えー本当ですか? もうちゃんとジブリ映画で使える曲を用意してるんですよね。

玲夏 あとは使ってくれるかどうかで(笑)。

幸樹 ジブリって(ダウトの所属レーベルの)徳間と関わりが強いじゃないですか。だから期待してたんですけど、でもスタッフに「全然関係ない」って言われました(笑)。

「POKER FACE」はずっと選曲会で銀メダルだった

──今作の中で、個人的に思い入れが強い曲はありますか?

玲夏 「high collar」の中では「POKER FACE」ですかね。俺が作った曲の中では唯一、前からずっと温めておいた曲なんです。ずっと選曲会で銀メダルだった子なので、今回やっと陽の目を見れたな、って。

──そうだったんですか。

玲夏 「登竜門(2)」の中では「未来予想図II」(DREAMS COME TRUEのカバー)ですかね。これ、メッチャメチャ難しいんですよ(笑)。フレーズを考えるのも1日がかり、録るのも1日がかり、って感じで。「登竜門(2)」はベースプレイやアレンジなども全部好き勝手にやらせてもらえたんですけど、その中でもこの曲が一番詰め込めたというか。

──幸樹さんはどうですか?

幸樹 うーん、「spotlight」ですかね。原曲は打ち込みで作ったんですけど、そこにピアノが入ったり、みんなに演奏してもらったことですごくパワーアップして、うまい具合に表現できたなと思ってます。

──バンドならではの化学反応が生まれた感じなんですね。「登竜門(2)」のほうは?

幸樹 「tears」(FAYRAYのカバー)です。これだけはどうしてもやりたいって思ってて。他に安藤裕子さんの「のうぜんかつら」っていう候補もあって揺れたんですけど、前からの思い入れを大事にしました(笑)。

代々木ワンマンはターニングポイントとは思ってません

──今年は残りもこのペースで精力的にやっていくつもりですか?

幸樹 12月30日に国立代々木競技場第二体育館っていう大きい会場でライブをやるんで、まずはそこに向けて前進あるのみですね。まあ、まずはその前に音源リリースも控えてるんですけど。

──リリースラッシュが続きますね。次はシングルですか?

幸樹 シングルです。アルバムは無理です(笑)。

玲夏 だって7月の頭に「high collar」のマスタリングを終えたのに、既にもう次のシングルのオケを録り終わってますから。ずっとスタジオに入りっぱなしですよ(笑)。

──そうなりますよね(笑)。では最後に、代々木ライブに向けての意気込みを教えてください。

幸樹 2012年の締めくくりでもあるし、ウチらにとっては今までで一番大きい場所になるんですけど、目先ばっかりじゃなくてその先にあるものを見据えてやれたらなって、最近すごく思ってるんです。だから「このライブがバンドにとってのターニングポイントで、これがダメだったらもう終わり」みたいな気持ちじゃなくて、もっと難なくこなせたらなって。もちろん、みんなに期待以上のものは見せたいなと思ってますけど。

玲夏 観に来て損はさせないことをやるつもりです。俺らは結成当初からずっとエンタテインメント性を意識してたけど、その現時点での集大成を出し惜しみすることなく見せられたらな、って思ってます。

ミニアルバム「high collar」/ 2012年8月15日発売 / 徳間ジャパンコミュニケーションズ

CD収録曲
  1. ハイカラベイベ
  2. POKER FACE
  3. プレイガール
  4. アイ・アム
  5. いばらみち
  6. spotlight
初回限定和食盤 DVD収録内容
  • ハイカラベイベ(MUSIC CLIP)
  • 和食盤懐石メイキング
  • ダウト自作自演弾丸ツアー特番!「FESTA NIPPON!!」上巻
初回限定洋食盤 DVD収録内容
  • POKER FACE(MUSIC CLIP)
  • 洋食盤デミグラスメイキング
  • ダウト自作自演弾丸ツアー特番!「FESTA NIPPON!!」下巻
中華盤 CD収録内容
  1. 能く在る輪廻と猫の噺
  2. 未来予想図II
  3. Yesterday Once More
  4. さそり座の女
  5. tears
  6. シャングリラ
ダウト史上最大の挑戦!!
The 5th Anniversary yearに華咲かす為ダウトとD=OUTが手を組んだ!? 極上のダウト愛を込めて全身全霊でお贈りする見納めのドリームステージ!「THE FINALE」

2012年12月30日(日)
東京都 国立代々木競技場第二体育館
OPEN 15:00 / START 16:00
前売 全席指定4800円
一般発売日:2012年9月29日(土)

ダウト(だうと)

ダウト

幸樹(Vo)、威吹(G)、ひヵる(G)、玲夏(B)、ミナセ(Dr)からなる5人組ヴィジュアル系バンド。2006年から活動を開始し、オリコンウィークリーインディーズチャートでシングルが2作連続1位を記録。2011年7月に徳間ジャパンコミュニケーションズからメジャーデビューを果たした。バラエティに富んだ多彩な音楽性や、親しみやすいキャラクターで人気を拡大している。2012年2月にフルアルバム「MUSIC NIPPON」、8月にミニアルバム「high collar」をリリース。同年12月には過去最大規模の会場となる東京・国立代々木競技場第二体育館でのワンマンライブも決定している。