ナタリー PowerPush - ダウト
全身全霊でV系シーンに斬り込む5人衆
好きだから無意識に歌謡曲テイストが出る
──絞るのもなかなか難しいとは思いますが、自分たちの音楽に大きな影響を与えたアーティストは?
玲夏 俺がバンドを始めたきっかけはTHE YELLOW MONKEYですね。そこからグラムに行ったりして。
幸樹 俺はMr.Childrenや椎名林檎さん。今でも好きです。
ひヵる ギターを始めたのはLUNA SEAがきっかけですね。
威吹 僕もヴィジュアル系で、PIERROTを知ってギターを始めました。
ミナセ(Dr) 親がCHAGE and ASKAをよく聴いてて、最初はそういうのが好きでした。バンドをやるきっかけはXですね。
──ダウトのサウンドは歌謡曲のポップ感がありますよね。「登龍門」で荒井由実さんの「ルージュの伝言」をカバーしてたのも印象的でした。
幸樹 単純に好きだから、そのテイストは無意識に出ちゃうんですよね。
威吹 「取り入れる」っていう意識はあまりないんですよ。幸樹が歌うとそうなるというか。
──なるほど、にじみ出る感じなんですね。で、2011年7月リリースのシングル「ROMAN REVOLUTION」でメジャーデビューを果たしたわけですけど、そこで自分たちに何か変化はありましたか?
幸樹 やっぱりたくさんの方が動いてくれるので、やれることの幅が広がりましたね。聴いてくれる人も増えて、自分たちの意識も変わりました。昔はプリプロとか適当でしたけど、クオリティが上がってきてます。今までって、ライブと楽曲制作を両方とも全力でやってたんですよ。ツアーを回りながらホテルで曲を作って、レコーディングも同じ感じで進めてました。だから、インディーズのときはクオリティ的にもう一歩の状態だったと思うんですよね。メジャーデビューしてからはひとつひとつより大事に取り組めてるし、そうすることを意識するようになりました。
玲夏 今となってはパソコンでプリプロもできるじゃないですか。でも、結成当初はMTRでやってたんですよ。ツアーにデカいMTRを持っていって、ホテルの部屋で録ってた思い出がありますね。
3日間は鼻と口からずっと血が止まらなかった
──今年の9月には幸樹さんが喉の手術で入院されてましたが、もう大丈夫なんですか?
幸樹 今は全く問題ないですよ。ツアーを回ってる5月くらいに調子が悪くなって、急だったからびっくりしましたけどね。検査をしたら、入院しなきゃいけないような思ったより深刻な状態でした。それで「スケジュールが1週間以上空いてるところで入院しましょう」と。その空いてるタイミングが9月だったんですよ(笑)。
──メジャーデビューの直後というのがまた……。今は笑ってらっしゃいますけど、実際キツイですよね?
幸樹 ヤバかったです。ガンガン切ったし、手術後の3日間は鼻と口からずっと血が止まらなかったですもん。結局、9日間外の空気や日光に触れてなかったんですけど、いざ外に出たらいきなり立ちくらみと貧血を起こしたりして(笑)。ま、ボーカリスト生命がどうっていうものではなかったから、そこに関しては良かったです。
──本当ですね。2ndシングル「全身全霊LIVES」のタイミングで復活できたのは何よりだと思います。今回は全く異なるタイプの3曲が収められてますね。
玲夏 ダウトがこれまでに培ってきたものをもっと全面に押し出していいんじゃないかって思ったんですよ。1stシングルを出したあとにそんなミーティングをして、結果としてできたのがこの3曲なんですね。
幸樹 メジャーになって初めてアレンジャーさんが付いてくれるようになって、1stの段階ではまだ少し手探りだったかもしれないけど、今回はだいぶ馴染めてきて意見交換もできましたね。だから、前回よりも我が強く出せてると思います。
──タイトル曲の「全身全霊LIVES」からはポジティブなメッセージが伝わってくるんですけど、今の世の中のムードを受けて自分たちの思いを歌ったようなところはありますか?
幸樹 どの曲でもそうなんですけど、時代背景はリンクしますね。俺、歌詞を書きためたりしないんです。例えば、1年前に書いた歌詞を今引っぱり出してきても、もうリアルじゃないんですよ。今思ってることを出さないと、言葉の重みってどんどんなくなる気がするんですよね。ただ、音楽シーンや世の中のムードに突き動かされるというよりは、シンプルに自分自身の目線で感じたことを書いてます。
収録曲
- 全身全霊LIVES
- Rain man
初回限定盤A DVD収録内容
- 全身全霊LIVES Music Clip
- バラエティーメイキング
収録曲
- 全身全霊LIVES
- Rain man
初回限定盤B DVD収録内容
- スペシャルバラエティ特番「ダ!ダ!ダ!ダウト☆」
収録曲
- 全身全霊LIVES
- Rain man
- 富と名声
ダウト(だうと)
幸樹(Vo)、威吹(G)、ひヵる(G)、玲夏(B)、ミナセ(Dr)からなる5人組ヴィジュアル系バンド。2006年から活動を開始し、オリコンウィークリーインディーズチャートでシングルが2作連続1位を記録。2011年7月に徳間ジャパンコミュニケーションズからメジャーデビューを果たした。バラエティに富んだ多彩な音楽性や、親しみやすいキャラクターで人気を拡大している。