CYaRon! メンバーインタビュー|笑顔で歩いてきた5年間

CYaRon! メンバーインタビュー

おばあちゃんの家みたいな感じ

──アルバムにはCYaRon!の全シングル曲に加え、テレビアニメBlu-ray特装限定版の特典CDの収録曲やライブのオープニングSE、新曲も収録されています。ユニットの軌跡がまとまったような1枚ですね。

伊波杏樹 ユニットができた頃は、アルバムを出せるなんて想像してなかったです。

降幡愛 アルバムを作れるくらい、こんなにたくさん楽曲を出していたんだなって。

斉藤朱夏 トラックリスト見てると本当にそう思う。

降幡 結成5周年を迎えたタイミングでフルアルバムを出せるのはうれしいですし、先ほど対談させていただいた強メンの方々に新曲を提供してもらえたのも奇跡ですよね。「HEY!HEY!HEY!」で観ていた方が目の前にいたから(笑)。

斉藤 すごいことだよね。「芸能人がいる!」って思ったもん(笑)。

──「ラブライブ!サンシャイン!!」はAqoursの活動はもちろん、CYaRon!、Guilty Kiss、AZALEAとしてユニット活動をそれぞれがっつりやっているところにも面白みがありますよね。ユニット合同イベントやユニット対抗全国ツアーをはじめとしたライブの開催、そしてフルアルバムの発表と精力的に活動しています。

降幡 面白いですよね。CYaRon!に関しては、2年生のメンバーから梨子ちゃんとルビィが入れ替わっただけでこんなに雰囲気が違うんだなって(笑)。1人変わっただけで色がまったく違うものになるのは、1人ひとりの個性が強いからだと思います。

斉藤 ガラッと変わるから不思議だよね。

──2016年にユニット活動が始まったとき、CYaRon!にどういう印象を持っていましたか?

降幡 すごくバランスの取れたユニットだと思っていましたね。

伊波 なんかCYaRon!は実家感というか、おばあちゃんの家みたいな感じがあって(笑)。

降幡 あははは(笑)。

斉藤 実家よりもやばいね(笑)。

伊波 当時、Aqoursのリーダーとして任されたことをすべてしっかりやりきらなければと、根詰めていることがすごく多かったのですが、そんな中で、このユニットではいい意味で普通の自分でいられたというか。自分にとって、かなり心の拠り所だった気がしますね。

斉藤 最初の生放送から、とにかく3人で楽しいことをしたいという気持ちが強かったよね。

伊波 面白いことができたらいいなっていう(笑)。

──この前Aqoursの2年生のインタビューで、伊波さんがAqoursの“色味”に関するお話をしていたときに「私たちはユニットもやってるからそれぞれ見ているものが違って、そこからまた9人に戻ってきたときに経験やパワーが結集する」ということをおっしゃっていました(参照:Aqours「smile smile ship Start!」インタビュー)。そのCYaRon!として見ているものや景色って、言葉にできるものですか?

伊波杏樹

伊波 うーん。抽象的な言葉にはなっちゃうんですけど、“めちゃくちゃでっかいハート”、ですかね。Aqoursとしては、応援してくださる皆さんが作ってくれる虹、海辺に太陽が出たときのきらめくような景色、雨が降ったあとの晴れた空、波のゆらめき、さざなみの音、砂浜を踏みしめる音……そういうものをたくさん見たり感じたりしてきたんです。じゃあCYaRon!としてはどういう景色を見てきたんだろう?って考えると、でっかいハートなんですよね(笑)。ほかのユニットは恋愛の歌が結構多いんですが、私たちは友情寄りの歌が多くて。仲間同士の間で生まれる愛みたいなものがあって、その大きなハートがあるからこそ、私はあいあいと朱夏に信頼を置いて自由に活動できている。そして、その空気感がお客さんに伝わったときに、さらにでっかいハートが私たちに返ってくるんです。

斉藤 わかる気がする。

伊波 ハートを投げたら、ハートが返ってくるんですよね。メンバー間でも、応援してくださる皆さんとの間でも、そういうキャッチボールができているようなユニットだと思います。

降幡 MC中とか、みんな素で笑ってるよね(笑)。

伊波 そうそう。居心地がよくて、ラフな空気感があると思います。

──CYaRon!の楽曲はもちろん、3人の空気感そのものが好きというファンの方もとても多いと思います。

降幡 私たちは今こうやってしゃべってる感じも、ステージに立ってるときの空気も、全然変わらないというか(笑)。間違ってもいいじゃん、正解なんてないじゃんみたいな。

伊波 あと、CYaRon!には親しみのようなものがある気がする。ファンの方も優しいなと思いますね。

斉藤 それはファンミーティングとかでもめっちゃ思うよね。温かい空気がある。

降幡 憧れとして見られてるというよりは、親しみやすい感じのユニットのような気がします。

距離感の近さ

──まさにCYaRon!の楽曲にはリスナーの心に寄り添ってくれるような親しみやすさがあると思います。ポップかつキャッチーで、友情と恋愛のどちらでも受け取れるような、人とのつながりを感じられる楽曲が多い印象があって。

伊波 人のぬくもりを感じるような楽曲が多いですよね。

斉藤 ダンスもメンバー同士の距離感が近い印象があって。3人が離れている動きよりは、スリーショットがちゃんときれいに見える振り付けが多いと思います。メンバーの距離感が近いから、自然とそうなるのかもしれない。

降幡 ライブのMCのとき、気付いたらみんな寄っちゃってるんですよ(笑)。

斉藤 あの現象、なんなんだろうね?

伊波 ホント不思議だよ。広いステージなのに。

斉藤 ほぼ0番(ステージの中央)にみんないる(笑)。MCの内容もガッチリ何かを決めることってあんまりないよね?

伊波 大枠を決めるぐらいじゃない?

斉藤 その場のテンションとノリでどんどん変わっていきます(笑)。

──誰もが日常生活で感じ得る思いを等身大の言葉で歌っているところも、親しみやすさにつながっているのかなと。例えば「夜空はなんでも知ってるの?」の「ちょっぴり意地悪だったな 言い方わりとキツかった いまさら後悔してるけど」のような、リスナーも「あるある!」と思えるようなフレーズがCYaRon!の楽曲には多い気がします。

降幡愛

降幡 そうかもしれない。そういうなかなか気持ちを言えないけど相手のことを思っているような感情って、みんな経験があることだと思うし。特に千歌ちゃん、曜ちゃん、ルビィは、すごく気い遣いな3人なんですよね。

伊波 言葉がスッと入ってくるような歌詞が多いと思います。

斉藤 歌詞を見たときにハッとするよね。

──Aqours同様に沼津の海を連想させるようなワードが多い印象もあります。「潮の香り」「海岸通り」「海の匂い」「波の音」といった言葉から、CYaRon!の3人の日常を感じるような。

伊波 沼津のどこかの場所に常にいますよね。「ある日…永遠みたいに!」もほかの曲にはないような変わったフレーズが多いなと思っていたけど、沼津からどこか遠い憧れの場所を見ているような感じなんです。

斉藤 東京で歌ってはいないよね(笑)。

降幡 「ネプチューン」「真珠の色」とか、ファンタジックなワードを使ってはいるものの、場所は沼津が浮かぶんです。

伊波 不思議だなって思ってた。「ドラゴンライダーズ」もきっと沼津の空なんだろうなって。

降幡 沼津から乗って沼津に戻ってくるんかい!みたいな(笑)。

──CYaRon!は元気でポップなイメージのあるユニットですが、「夜空はなんでも知ってるの?」のようなミディアムバラードや「CHANGELESS」のような胸がギュッとなる切ないバラードもファンの方々の間で定評があるかと思います。

伊波 テレビアニメーションや劇場版を観てくださった方はご存知だと思うんですが、千歌ちゃんも曜ちゃんもルビィちゃんも、それぞれがこれまでに切ない経験をしているんですよね。そこが彼女たちの歌とシンクロしているのかもしれない。明るさを残しつつ、淡い色で切なくギュッと締めているというか。

斉藤朱夏

斉藤 個人的には、CYaRon!はもっとミディアムバラードを歌ったらいいんじゃないかと思ってるんですよ。

伊波 よく話してるよね。

斉藤 元気な楽曲が多いからこそ、ミディアムバラードではまた違ったCYaRon!の一面を見せられると思いますし。CYaRon!だからこそ見せられる表現ってあると思うんです。

──「CHANGELESS」「P.S. の向こう側」「サクラバイバイ」は、まさにCYaRon!だからこそ表現できる“別れの歌”かなと。寂しくて切ない気持ちを抱えながらも、少しでも前向きに歌おうとしている3人の姿が思い浮かびます。

降幡 「サクラバイバイ」は超絶切ない!

斉藤 曲調は明るくて前に向かってるんだけど、それが切なくて……「おめでとう」をあんなに切なく歌えるのかって思います。

伊波 CYaRon!らしい見せ方なのかな、きっと。


2021年6月4日更新