音楽ナタリー Power Push - カスタマイZ
バンドの闘いと4人の絆
ピンチをチャンスに
──ライブのMCでGOROさんが「HAMAがいないピンチを、3人が成長するためのチャンスにしたい」と言っていた言葉がとても心に残りました。3人で活動する中で、実際に自分が成長したなと思えるところはありますか?
GORO 僕はHAMAがいないぶん歌をたくさん歌うので、歌に関しては前よりも突き詰められたかなと思いますね。同じ1曲でも、自分のパートだけ歌うのと休まずに歌い切るのとでは、喉の消費的にも体力的にも全然違うんですよ。歌う量が増えたことで、ボーカリストとしての成長につながったと思います。
DAICHI HAMAのぶんまで歌うのは音域的にも大変だろうし、歌詞も全部覚えないといけないので、GOROは本当によくやっていたなと思いますね。
──DAICHIさんはどうですか?
DAICHI 僕は3人のことなんですけど、今は真ん中にボーカリストがいないぶんHIROKIが大きく動いてくれたり、GOROがHAMAのパートを歌ってくれたりとお互いにカバーしあって、スリーピースでもしっかりとパフォーマンスを見せられるようにはなったんじゃないかなと思うんです。ここで3人がしっかりと土台を固めたから、HAMAが帰ってきたときにうまい具合にそこに乗っかってくれれば、バンドとしての成長につながるんじゃないかなって思います。
──確かに、パフォーマンスがより華やかになりそうですね。HIROKIさんはどうでしょう?
HIROKI ぼくはもうシンプルに……自分のMC力が上がったなと。
GORO・DAICHI あはははは(笑)。
DAICHI そうか? そうでもないぞ?(笑)
HIROKI もう、トークでしっかりステージ回してんなって思って。
GORO あはははは!(笑)
DAICHI てか、そこはHAMAがいてもいなくても変わらなくね? HAMAはよくしゃべるわけじゃないし(笑)。
──ちなみに、2周年ライブのときはHAMAさんも会場にいらしてたんですよね?
DAICHI はい。ステージの袖で観てたみたいです。
──終演後はどんな会話を?
DAICHI 「お疲れ様」って言ってくれたんだけど、でも……やっぱ悔しそうにしてるなって思いました。
HIROKI 複雑な感情がにじんでたね。
GORO 純粋に「いいライブだったな」っていう気持ちは持ってくれてると思うけど、「自分も出たい」っていう思いもあるから素直には受け止められないよな。
DAICHI うん。やっぱりボーカリストとして悔しかったんじゃないかなと思います。
HAMAとGOROが闘う「解」
──そして、活動3年目に入った11月18日に、ニューシングルの「解」がリリースされました。リード曲の「解」はとても攻撃的なナンバーですが、初めて聴いたときはどんな感想を持ちましたか?
GORO 聴く前にスタッフさんから「『K RETURN OF KINGS』のエンディング主題歌に決まった曲で、“バトルソング”だよ」ってことを伝えられていたんです。で、いざ聴いてみたらサビはボーカルの掛け合いがすごくて、本当にバトルソングだなって。HAMAと僕が歌で闘っている曲だなって思いました。
──HAMAさんとGOROさんの歌割りがここまで細かい曲って、今までにないですよね。
GORO なかったですね。いつもだったらサビは全部HAMAだったり、彼のほうが歌唱パートが多いんですけど、今回はほぼ半々です。ツインボーカルを生かした曲ですよね。
──いつもと歌い方を変えたりしましたか?
GORO かなり攻撃的な曲なので、ガツガツと“刺す”ようなイメージを持って歌いました。あとはHAMAとぶつかり合うような感じを意識して。
──リズム隊もパワフルな演奏を披露していますね。
HIROKI そうですね。ベースは、Aメロでドラムと息を合わせるところが今までにない感じでカッコいいんですよ。あとサビのベースラインがすごくメロディアスで、弾いていると体の中から何かが燃え上がるような感覚があるんです。すごく楽しいですね。
HIROKIの秘密兵器
──ミュージックビデオは4人が都市を舞台に敵を追いかけて走るシーンがあったり、その敵と闘うバトルシーンがあったりと、こちらもかなりスピード感のある仕上がりになっていますね。
GORO そうですね。実際に都内を走りまくりました! HAMAが渋谷のスクランブル交差点で撮影したときがすごく面白かったですね。映像ではめちゃめちゃ壮大にカッコよく映ってるんですけど、実際は「青だ! 今のうちに撮るぞ!」ってスタッフさんとやりとりしながら急いで移動してて(笑)。
──HAMAさんのシーンの撮影、皆さん見守ってたんですね。
HIROKI はい。車の中から見てました(笑)。
DAICHI でもそういう撮影をしていても、渋谷にいる人って全然気にしないんですよ!
HIROKI そうそう。「注目されるかな?」と思ったけどね。
DAICHI 交差点のど真ん中で撮影してても誰も見ないから「渋谷スゲーな」って思いました。
GORO 都会は冷めてるよ。
DAICHI いや、そうとは限らないから!(笑)
──(笑)。あと、敵を追いかけるシーンを観て思ったのですが、皆さん足が速いですね。
DAICHI あはは(笑)。それはカメラさんが速そうに撮ってくれたおかげです。
GORO でも実際にHIROKIは速いよね。
──運動ができる人の走り方だなと思いました。
HIROKI ホントですか? よっしゃ、それが一番うれしい。一応、サッカーをずっとやってたんで。
GORO あと空手もでしょ?
HIROKI そう、空手も7年間やってました。でも黄色帯っていうね。
GORO 一番中途半端なやつね(笑)。低くもないし高くもない。
HIROKI そう。級が上まで行き切らないまま辞めたっていう(笑)。
──あとHIROKIさん、戦闘シーンではワイヤーアクションにも挑戦されてますよね?
HIROKI そうなんです! 僕はワイヤーを使ってバック宙をしまして。最初の練習では「怖くて回れないな」と思っていたのが、思いっ切り回ってみたら意外とイケて、そのうちクセになっちゃって。
DAICHI HIROKI、練習をさせてもらったアクションスタジオに弟子入りしようとしてるんですよ。どうやらアクションをバンドのパフォーマンスに採り入れようとしているらしくて……。
HIROKI ああ、それは言わないで! まだ企業秘密!
──書かないほうがいいですか?
DAICHI そうですね!「HIROKIが何か秘密兵器を持ってるよ」ってことだけお願いします(笑)。
──MVではHAMAさんとGOROさんが胸ぐらをつかみ合って対峙するシーンも印象に残りました。
GORO そうですね。あれはこの曲だからこそできる演出だなって思いました。ボーカル2人で実際にバトルしてみようじゃないかと。斬新な見せ方になったかなと思います。
──撮影してるときは実際に“バチバチ”してたんですか?
GORO してましたね! もう、いつ殴りかかるかわからない一触即発状態で。
DAICHI ホントかよ(笑)。
──普段のお2人の姿からは想像がつかないですね。
GORO そうなんですよ。普段は2人とも温厚なので。
DAICHI・HIROKI あはははは!(笑)
GORO 曲の世界観に浸ると、人格まで変わっちゃうんですよ(笑)。でも本当に、それくらい熱い曲です。
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- ニューシングル「解」 / 2015年11月18日発売 / STARCHILD
- 期間限定盤 [CD+DVD] 2484円 / KICM-91636
- アニメ盤 [CD] 1296円 / KICM-1637
- 通常盤 [CD] 1296円 / KICM-1638
期間限定盤CD収録曲
- 解
- バンヴィーナス
期間限定盤DVD収録内容
- 解 Music Clip
- 「カスタマイZ 真夏の“お遍路×Returns”小豆島88ヵ所めぐり」ドキュメント映像
アニメ盤CD収録曲
- 解
- バンヴィーナス
- 解 TV Size
通常盤CD収録曲
- 解
- バンヴィーナス
- 絆の音楽(オト)
カスタマイZ(カスタマイズ)
スターダストプロモーションに所属する「EBiDAN」メンバーで結成された、「アニソンで天下を獲る!」をモットーに活動するロックバンド。「ハレ晴レユカイ」「もののけ姫」のカバーや、多数のライブ出演で注目を集めるも、2013年8月に解散を発表。その後メンバーのGORO(Vo, G)、HIROKI(B)、DAICHI(Dr)の3人は再始動を目指し、ボーカルにHAMAを迎えて4人体制のバンドとして活動を再開する。このタイミングでバンド名の表記を「カスタマイズ」から「カスタマイZ」へ変更した。2014年3月にキングレコード内のレーベル・スターチャイルドと仮契約の調印式を行い、6月に本契約をかけたライブに臨むも、条件を満たせず惜しくもメジャーデビューを逃す。8月にはデビューの再チャンスとして“メジャーデビューしたい”シングルと銘打ったニューシングル「Life and death」をリリースした。2カ月以上にわたって行った、108カ所の店頭を巡るイベントツアーの成果が認められ、2015年2月にシングル「一筋の光明」でスターチャイルドよりメジャーデビューを果たす。同年6月にはテレビアニメ「シドニアの騎士 第九惑星戦役」のエンディングテーマ「鎮魂歌 -レクイエム-」をメジャー2ndシングルとしてリリース。11月にテレビアニメ「K RETURN OF KINGS」のエンディングテーマを表題曲とする3rdシングル「解」を発表した。