同郷のスター・大石昌良
──ここからはアルバムに収録される新曲について伺います。まずは大石昌良さんと園田健太郎さんが共作した「トーキョーラビリンス」ですが、「人生Heyday」と同じく、作り手の顔が見えるサウンドと言いますか、イントロのアコギから「大石さんの曲だ!」とわかる1曲ですね。
綾介 めちゃくちゃカッコいいアコギのリフのイントロで始まるの、すごくアガるよね。
TAKA 実は大石さんと僕、愛媛県宇和島市の出身で同郷なんですよ。通っていた高校も一緒で。僕が在学中に学校に歌いに来てくれたこともあって。僕にとっては地元出身のスターなので、そんな人とご一緒できるのは本当に夢みたいな感覚でした。デモが届いたのが舞台の稽古中で、いつもなら稽古に集中して終わったあとにデモを聴くんですが、このときばかりは我慢できなくて、稽古の休憩中に聴いちゃいました(笑)。もう曲が届くのが楽しみで仕方なかったんですよ。
──「トーキョーラビリンス」では、地方から上京してきたときの戸惑いが描かれていますが、大石さんが歌詞に書いた戸惑いと同じ思いをTAKAさんも感じていたわけですよね。
TAKA そうなんですよ。ジャンルは違えど愛媛から東京にやって来て音楽をやる、というシチュエーションは一緒なのですごく胸が熱くなりました。レコーディングでは大石さんが直接ディレクションしてくださったのでめちゃくちゃ緊張しましたが、優しくいろいろ教えていただけて気持ちよく歌えました。でも緊張しすぎて記憶が曖昧だな(笑)。
──これまでのCUBERSの楽曲には漠然と都会的なイメージがあったので、地方出身者の目線で描かれた「トーキョーラビリンス」という曲のテーマは少し意外に感じました。TAKAさん以外の皆さんはこの曲とどう向き合いましたか?
春斗 僕と優は東京なので、ある程度新鮮な気持ちで歌詞と向き合っていたかな。
9太郎 僕は千葉なので、東京は憧れていたけど行こうと思えば行ける距離、みたいな。TAKAほど共感していたわけではないかもしれない。
綾介 それで言うと、佐賀出身の僕が一番田舎なのかな。歌詞を読んで、一人暮らしをするために上京したときの風景を思い出しましたね。1人で羽田空港からモノレールに乗って、天王洲あたりのタワーマンションを見て「東京すげえ!」って思って(笑)。夜に飛行機が着いたので赤いランプが点滅してるビル街とかもすごく煌びやかに見えたし。あの気持ちが呼び起こされた1曲でした。
9太郎 僕らというより、もしかしたらファンの方に共感してもらえる曲なのかもしれないですね。
TAKA そうかも。これから上京して就職しようという人たちとか、もっと言えば僕らのライブを観に遠征してきてくれる人とか。47都道府県を回ったときに会ったファンのみんなに「私の曲だ」と思ってもらえたらうれしいですね。
一番近くで見ていきた人の提供曲
──9曲目の「Romantic」は小田桐ゆうきさんの提供曲です。小田桐さんはTAKAさんと綾介さんのペア曲「Dangerous Kiss」を手がけた方ですよね。
TAKA はい。「Dangerous Kiss」がすごく大人びた楽曲だったのに対して、「Romantic」はアダルトな感じとポップさを織り交ぜた、ちょうどいい塩梅に仕上げてもらった曲ですね。
綾介 小田桐さんの曲は言葉遊びが多くてすごく好きです。「Romantic」はいつも以上に韻を踏んでいて、もうラップなんじゃないかと思うくらい。おしゃれなサウンドに遊び心のある歌詞まで書けて、すごい才能だなと思います。
優 スタッフさんに聞いたんですが、「Romantic」はAメロ、Bメロ、サビをそれぞれ違う曲のデモから持ってきたらしくて。合体させてみたらめっちゃいい感じになったという。
春斗 すごくライブ映えしそうな1曲なので、早くライブで披露したいなあ。
──アルバム最後の1曲「ゆらゆら」は、CUBERSのチーフマネージャーでもある堀切さんが作詞作曲を手がけた楽曲です。楽曲について堀切さんと何か話したりはしますか?
TAKA グループのことはいろいろ話しますが、曲をもらうときは意外とあまり話さないんですよ。だから歌詞を読むときに「何か伝えたいことがあるのかな」とか、いろいろ考えながら向き合っています。僕らのことを一番近くで見ている堀切さんの書く曲ということもあって、ほかの楽曲と向き合うときとは違う感覚があるかな。
9太郎 歌い出しに「見本にしてた人も変わる」と書いてあって、すごく肯定されたような気持ちになりました。楽になれたというか。CUBERSは堀切さんが作ってくれたグループだから、期待に応えられてるかなと思うときもあるし、僕なんか特に「こういう自分でいいのかな」と思うことがある。そういうときに「見本にしてた人も変わる」「いつの間にか僕も変わる」と書いてくれて、ふっと心が楽になりました。作家さんじゃなくて堀切さんが書いた歌詞だから、こういう気持ちになったんだと思います。
TAKA 堀切さんの書く曲は僕らに向けてのメッセージかもしれないし、もしかしたら堀切さん自身が思っていることかもしれない。僕が「ゆらゆら」で感じたのは後者のほうでした。
──チーフマネージャーでもあり、作家でもあり、つばさ男子プロダクションのプロデューサー的な立ち位置でもある、いろんな側面を持った堀切さんは皆さん5人にとってどんな存在ですか?
優 スパフルや世が世のメンバーからすると、堀切さんってちょっと怖いらしいんですよ。「堀切さんに怒られる!」とか言ってたりしてて。堀切さんはちょっと無表情なところがあるだけで、意外と人間味のある人であることは伝えてあげたいですね。僕らはずっと一緒にいるからよくわかるけど、接したばかりだとそう見えちゃうのかな。
春斗 むしろ堀切さんは“熱い人”だよね。
優 うん。
TAKA でもつかみきれない存在でもあるかな。距離の取り方がうまいというか。僕は堀切さんとメンバーが仲よくなりすぎてしまうと、いろんなことの先が見えてしまうような気がして。ある程度何を考えているかわからないからこそ、突拍子もない面白いことをいきなり言われて、驚いたり、喜んだりもできる。「堀切さん、今何を考えているんだろう」ってわからないくらいがちょうどいいんだろうなって、最近感じています。そのほうが刺激的で面白いから。
悔しさをようやく晴らせる渋公ワンマン
──5月26日にはCUBERS最大規模となるLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でのワンマンライブが開催されます。どんなライブになりそうですか?
TAKA やっぱりここはつば男最年長の春斗くんに締めてもらいましょう!
綾介 ひと言お願いします!
春斗 2021年2月に東京国際フォーラムで開催予定だったワンマンライブが中止になってしまったので、その悔しさをようやく晴らせるという気持ちですね。思うようにライブができなかった3年間の思いをぶつけつつ、CUBERSがまたひと皮剥けるような、成長できる1日になったらいいな。ファンの人たちが「CUBERSについて来てよかった」と思えるようなライブにもしたいです。
綾介 デビューしてからずっとライブをやっていた身からすると、ここ数年はライブができない歯がゆい思いをしてきたので、やっぱり気合いが入りますね。5人でちゃんとツアーを回れたのは、去年の春の5大都市ツアーからだし(参照:CUBERSが5人の個性を開花させる春ツアー、東京で開幕)。まだまだやり足りないので、今回のワンマンはすごく楽しみです。
TAKA 新しいアルバムも出るし、絶対いい1日にするのでみんな遊びに来てくれたらうれしいな。
ライブ情報
CUBERS LINE CUBE SHIBUYA LIVE2023
- 2023年5月26日(金)東京都 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
プロフィール
CUBERS(キューバーズ)
2015年7月に結成されたTAKA、優、春斗、綾介、末吉9太郎の5人からなるボーイズユニット。キャッチフレーズは「友情・努力・音楽!」。同年10月にシングル「SHY」をリリースし、インディーズデビューを果たす。2017年には“楽曲がよくなければ全額返金”キャンペーンや、“100円貰えちゃうCD”のリリースなど、一風変わったプロモーションで話題を集めた。2019年5月、つんく♂の提供曲「メジャーボーイ」でKING RECORDSよりメジャーデビュー。グループとしての活動と並行してメンバーそれぞれが俳優としてドラマや舞台などでも活躍している。2023年3月にメジャー2ndアルバム「MAJOR OF CUBERS 2」をリリース。5月26日にグループ史上最大規模の会場である東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でワンマンライブを行う。
CUBERS(キューバーズ) (@cubers_official) | Twitter