CUBERSがメジャー2ndアルバム「MAJOR OF CUBERS 2」をリリースした。
「MAJOR OF CUBERS 2」は2020年から2023年にかけてリリースされた既発曲に新曲「トーキョーラビリンス」「Romantic」「ゆらゆら」を加えた全11曲入りのアルバム。コロナ禍であったこの約3年間、CUBERSはシェアハウスでの共同生活を経験し、「バトルキューバーズ」でメンバー同士がセンターを争い、「エールCUBERS」で47都道府県を巡るなど、楽曲リリースに加えて精力的かつユニークな活動を続けてきた。さらには2021年10月、所属事務所が「つばさ男子プロダクション」を設立し、これにより兄弟グループ2組が誕生。環境が着実に変化している彼らが、完成した「MAJOR OF CUBERS 2」を聴いて改めて思うこととは? 音楽ナタリーではメンバー5人にこの3年を振り返ってもらいつつ、アルバムに込めた思いを聞いた。
取材・文 / 倉嶌孝彦撮影 / 曽我美芽
“弟”がいきなり増えた感覚
──CUBERSの所属事務所が男子部門の「つばさ男子プロダクション」を設立し、皆さんに兄弟グループができました。最近では合同イベントも開催されていますが、皆さんはTHE SUPER FRUIT、世が世なら!!!という2組の兄弟グループの誕生をどう捉えているんですか?(参照:CUBERS、スパフル、世が世がコント対決!笑いの奇跡を起こし“キングオブつば男コント”に輝いたのは)
TAKA 「かわいい後輩たちができてうれしい」というのが素直な感想ですね。彼らがオーディションに挑戦しているときから見ていたので、純粋にデビューすることができて「よかったね」という気持ちが強いです。最年少の小田惟真(THE SUPER FRUIT)とは年齢もけっこう離れているから、本当にかわいい。弟がいきなりたくさん増えたというか(笑)。
──CUBERSでは優さんが最年少で“弟的ポジション”と言われてきました。これまで“弟”だった優さんに弟ができたわけですよね。
優 僕がグループ最年少だったのもあって、スパフルと世が世の最年少がどう感じているのか、気になる部分はありますね。多分CUBERSとは空気感が違うだろうし。
TAKA 優は後輩ができてすごく生き生きしてると思う。年上ばかりの中で活動していたから、年下ができてうれしかったでしょ?
優 うん。
TAKA 僕らからしたら普段見られない“お兄ちゃんをしてる優”が見られるわけですよ(笑)。それが新鮮だし、微笑ましいですね。
──逆につばさ男子プロダクションにおいて最年長の春斗さんは、“弟”が一気に増えたことをどう感じていますか?
春斗 そっか。僕は誰よりも年上なのか(笑)。
末吉9太郎 当たり前じゃん! 今さら気付いたの?
春斗 へへへ。最初、性格悪い子が入ってきたら嫌だなあと思っていたんですが、みんなめちゃくちゃいい子なんですよ。マジで。だから仲間が増えてうれしいですね。
綾介 歳もそれなりに離れているから、春斗くんが後輩に絡みに行くところを見ると、ちょっと怖いんですよね(笑)。大丈夫かなって。
春斗 つば男で、僕らより年上のグループができたりしないかな? そうしたらもうちょっと絡みやすいかもしれないのに。
TAKA それは俺らにはわからない悩みだな(笑)。最年長だとそういうことを考えるのか。
綾介 でも突然“お兄ちゃんグループ”できたら面白いよね(笑)。
9太郎 つば男KIDS(つばさ男子プロダクションの研修生グループ)まで入れたら、最年少の子は春斗くんとひと周り以上離れてるでしょ? ヤバくない?
TAKA 春斗くんは“つば男シニア”だもんね。
春斗 やめてくれえ!
「9ちゃん」って呼ばせてる
──CUBERSのリーダーである9太郎さんは、プロダクションの中で3グループ全般を引っ張るような立場なんですか?
9太郎 そういうわけではないんですが、スパフルと世が世がデビューする前に事務所から「新人たちに向けて講義をしてくれ」と言われまして。スパフルと世が世のメンバーだけじゃなくて、新グループを担当するスタッフさんに向けて僕が講義するという会がありました。アレがあったから、きっとみんな僕のことを最初は「怖い先生」みたいに思ったようで……それがすごく嫌でした(笑)。
──その講義では何を教えたんですか?
9太郎 アイドルとしても、オタクとしても生きてきた僕だから伝えられることを講義してください、と言われて。具体的には写真を撮るときに気を付けないといけないこととか、番組のアンケートはちゃんと書きましょうとか。もうちょっと言うと、僕らの経験を生かして、これからがんばる人たちが無駄に大変な思いをしないように「こういうことは気にしなくていいよ」とか。そういうことをいろいろ伝えてみました。
──最初の接点が講義だと、どうしても9太郎さんのことを“先生”のように認識してしまいますよね。
9太郎 そう。それがすごく嫌で。
TAKA でも今ではみんなに「9ちゃん」って呼ばれてるよね。
春斗 違う違う。あれは呼ばせてるんだよ。
TAKA え!?
9太郎 無理矢理呼ばせてるわけじゃないからね! 初対面が講義だったからみんな当たり前のように「9太郎さん」と呼んでくるわけですけど、それが嫌で「9ちゃん、もしくは末9って呼んで!」と言いまくって。それが実って最近では「9ちゃん」と呼ばれるようになりました。
TAKA 「つば男FES」のようなグループの垣根を越えるイベントをやるようになって、だいぶみんな距離が近付いてきたよね。
9太郎 うん。「9ちゃん」って呼んでくれるようになったし、ナチュラルにタメ口で話してくれる子も出てきて、もう楽! 通りかかるたびに「おつかれさまです!」ってお辞儀されるような関係性にはなりたくなかったので、最近はすごくいい感じになってきたと思います。
思い出が一気に増えた共同生活
──今回リリースされる「MAJOR OF CUBERS 2」には、2020年から2023年にかけてリリースされた楽曲が収録されています。コロナ禍でもあったこの3年を、収録曲と一緒に振り返ろうと思います。時系列で言うと、最初は2020年11月リリースの「ピンキーリング」ですね。
綾介 「ピンキーリング」は共同生活のイメージが強いですね。
優 共同生活中にミュージックビデオを撮ったんだよね。
TAKA そうそう。共同生活をしながらの撮影だったから、表情ににじみ出てる。いろんなバックグラウンドが(笑)。
春斗 そんなに出てないでしょ(笑)。
9太郎 仕事から帰ってきてみんなでゲームしたり、楽しかったよね。
TAKA 思い出が一気に増えたよなあ。毎日仕事で会うのとは全然違う感覚だったし。でも9太郎が帰ってこなかった日が1回あって、そのときは本当に心配した(笑)。
9太郎 あ、ちょうどそこで駄々こねていました(取材スペースを指差しながら)。「マジであの家には帰りたくない」って。
優 大人のマジの駄々、見たことあります?
──ないですね(笑)。
TAKA 僕らはそのときに冗談にもマジにも聞こえてて、めっちゃ心配したよね。
9太郎 アレが最後の駄々じゃないかな。
TAKA つば男KIDSが見たら引いちゃうよ(笑)。
綾介 怖くて泣いちゃうんじゃない?(笑) 大人の駄々こねてる姿って、怖いもん。
──9太郎さんがグループのリーダーに就任したのは「ピンキーリング」のあとですよね。もし今の立場だったら同じことをしますか?
9太郎 しないと思います。でもそっと消えると思います。
春斗 消えはするんだ(笑)。
綾介 やっぱ共同生活はいろんな思い出があるね。
TAKA 「ピンキーリング」のカップリングに入っている「強くあれ」も、今振り返ると染みる1曲ですね。Da-iCEの工藤(大輝)さんに書いてもらった曲なんですが、「共同生活で大変だろうけど強くあれ」という言葉をもらったような気がして(笑)。俺たちも強くあろう!って話をした記憶があります。
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9太郎の“センター論”