ナタリー PowerPush - CTS
ダンスミュージックがJ-POPシーンでできること
CTSはなぜ非クラブ環境でも愛されるのか
──一方で「Sayonara Twilight」以降、5曲連続でiTunes Storeのダンスミュージックチャートの1位を獲得した。つまり非クラブ的リスナーからも評価されたわけですけど、この勝因はどこにあると思います?
DJ KAYA 一番デカいのは歌詞の世界観だったのかな。最近の海外のトラックがそうなんですけど、聴いていると実はそこまで深いことは言っていないよなあ、と思うことが多くて。もちろん全部が全部そうではないんですけど、フロアのことを歌っているだけの曲がけっこう多い中で、「Sayonara Twilight」なんかはホントに世界の問題を歌っていたりとかしているんです。だからノリながらもけっこう感動してもらえるというか。「ノリノリのはずなのにちょっと切なくなった」とか、普通のダンスミュージックではあまりみられないレスポンスがあったなっていう印象がありますね。YouTubeで曲を発表するとき、歌詞もほぼ全部出すようにしてて、それが好評なんです。
宮下 そういう曲を作りつつ、最初にライブ稼働させてもらったのが「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」っていう、本当にロック好きな人たちが集まる場所だったので。そういうアプローチができたのもよかったんだと思いますね。
あくまで楽曲、言葉ありきのコンセプト
──その歌詞なんですけどKAYAさんの言う通り、けっこうシリアスですよね。「Sayonara Twilight」や「No Reason」では世界や社会のありようをセンチメンタルなメロディに乗せて歌っていて、「Mirror」や「Never Ever Better」では実存の問題、自分とはなんぞや?みたいなことを問いかけている。
DJ KAYA そうですね。
──で、その一方でCTSってビジュアルやプロフィールからして相当にコンセプチュアルなグループですよね。だからこの詞ってどこまで本音なんだろう?って気になったんです。
DJ KAYA すべてメンバーの本音ですね。「Sayonara Twilight」が完成した時点ではアーティスト名もビジュアルも決まってなかったわけですから。単に歌いたいことを歌って、カッコいいことをやりたかっただけなので。ただ「Sayonara Twilight」ができあがって、音の構成はもちろん、CTSっていうグループが歌う歌詞の雰囲気みたいなものもある程度固まったとき、宮下くんがメンバーと一緒にアーティスト名やビジュアルも含めて、CTS全体の世界観を構築してくれたんですよ。世界観を作り上げたっていうと作り物っぽく見えるかもしれないんですけど、むしろCTSとして言いたいことや言うべきことがはっきりした。方向性が定まったことでメンバーが曲や歌詞のイメージを共有しやすくなっていて。シンセを1音鳴らしただけ、ワンフレーズ歌詞を書いただけで「あっ、それCTSっぽいよね」「これはCTSっぽくないな」って判断できるようになったので、僕らスタッフもメンバーの本音ややりたい音楽を踏まえつつ、CTSらしい曲を作れるようになった感じはしてますね。
宮下 そうですね。僕のやっている作業は逆算で。覆面とか○△□っていう記号のアイデアも「この歌やこの曲をどういう人たちが歌っていたら面白がってくれるかな」っていうことを考えていたとき、CTSにプラスアルファの付加価値付けのようなところで導き出したものです。CTSがミュージシャン、アーティストである以上、やっぱり大前提として歌詞ありき、曲ありきってところは核にしてます。
- メジャーデビューアルバム「THE BEST OF CTS」/ 2014年2月19日発売 / UNIVERSAL MUSIC / UICV-1031
- [CD] 2490円 / UICV-1031
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収録曲
- Yume Be The Light
- Everything’s All Right
- No Reason
- Blue Skywalker
- Hello Universe
- Never Ever Better
- 364
- Freak Out
- Parallel World
- Sayonara Twilight
- Space Drive
- Mirror
- Beautiful Love World
- Can’t Help Falling In Love
- 戦場のメリークリスマス
- ○△□
- New Breakthrough Live CTS
supported by JACK DANIEL'S -
2014年3月27日(木)東京都 ニコファーレ
OPEN 18:00 / START 19:00<出演>
CTS
CTS(しーてぃーえす)
CIRCLE(Vo)、TRIANGLE(Synthesizer)、SQUARE(DJ)からなるLED覆面ユニット。2012年12月の「Sayonara Twilight」リリース直後から、フロア映えする超本格派のダンストラックをバックにJ-POP、J-ROCKマナーに則った憂いを帯びたメロディと歌詞を歌う「最新型国産ダンス / ポップサウンド」とも呼ぶべきスタイルが大きな話題を集め、以来リリースしたすべての楽曲でiTunes Storeのダンスチャート1位、総合チャートでもベスト5を獲得する。またその一方で2013年には東京・ageHaやVISIONなどでの大規模イベントはもちろん、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」や「electrox」などの大型フェスにも出演する。そして2014年2月にはメジャー1stアルバムにして、ベスト盤「THE BEST OF CTS」をリリースした。