Crossfaithがニューシングル「FREEDOM」を8月2日にリリースした。彼らにとって約1年ぶりとなる新作にはEnter Shikariのラウ・リーノルズ、The BONEZおよびRIZEのJESSEという2人のフィーチャリングゲストが参加。楽曲はCrossfaith本来の魅力であるロック×ダンスミュージックの要素がふんだんに盛り込まれており、同時に「これまでにない意欲作」とメンバーが語る通り、斬新なアプローチに驚かされる内容となっている。さらにバンドはシングルのリリース日と同日に2作目となるライブDVD「Crossfaith -LIVE IN JAPAN- AT MAKUHARI MESSE」も発売した。今作には今年2月に幕張メッセで開催した「New Age Warriors Japan Tour -Final Series One Man Shows-」の模様を収録しており、Crossfaithらしいエンタテインメント性の高い作品に仕上がっている。
音楽ナタリーではこの2作のリリースに際しメンバー5人にインタビューを実施。新作に込めた思いのほか、現在の彼らのライブ観についても聞いた。
取材・文 / 田島諒 撮影 / 草場雄介
Crossfaithの新機軸を盛り込んだ「FREEDOM」
──ニューシングル「FREEDOM」ですが、収録曲3曲共スケールが大きい楽曲だと感じました。
Koie(Vo) バンドとしてもこれまでにやっていなかったことをいろいろやってみよう、という感覚はありましたね。意欲作と言うか、新機軸を盛り込んだ作品だと思います。
Teru(Program, Vision) 今回のシングルに対して、何か新しいことをやりたいという気持ちはずっとあったんです。それでプロデュースも前作とは異なる同年代のヤツ(ドリュー・フルク)にお願いしました。年齢が近いプロデューサーと仕事をしたことがこれまでになかったんで、そこでCrossfaithとしても変化が生まれたと言うか。「Freedom」「Rockstar Steady」共にフィーチャリングゲストでボーカルを迎えていますが、それぞれが俺たちにない部分を表現してくれて、バンドの別の側面を見せられる作品になったんじゃないかと。ライブハウスでやっても、スタジアム級のハコでやっても、どちらでも魅せられる楽曲だと思いますね。
──「Freedom」「Rockstar Steady」の2曲はこれまでのCrossfaithの楽曲に比べると、少しだけテンポを落としているように感じました。
Teru そうですね。ロックとエレクトロの融合というのはCrossfaithにとってはずっと根底にあるテーマなんですけど、ダンスミュージックが持っているテンポ感ってジャンルごとにしっかり決まっていたりして、けっこうキッチリしているんですよ。そこを楽曲に反映させつつ、Crossfaithらしいロックミュージックを表現できるようバランスを取りました。その結果、今までとはテンポが異なっているんですよね。
Koie 楽曲ごとのテンポについては、上げ下げしたものをメンバーで聴き比べて決めていきました。ちょっと変えるだけで、どの部分を聴かせたいかが変わってきたりするものなので「ちょっと速くない? 下げてみようか」とか、そんなやり取りをプリプロの段階からけっこうやっていました。どの曲もそうなんですけど、今回はその調整を入念にやったかな。
──メンバー全員で聴きながら決定していった?
Koie そうですね。それといろんな状況で聴いたりもします。朝と夜じゃイメージが全然違うし、自分たちが実際にライブで聴くという状況を想定しながら聴くことが多いですね。
Teru ロックシーン、ダンスミュージックシーン、どっちのお客さんでもキャッチできるようなビート感にしたかったんで、そこはしっかり調整しました。
「Freedom」のテーマは“NEO TOKYO”
──「Freedom」ではEnter Shikariのラウ・リーノルズの入るパートで一気に楽曲の雰囲気が変わりますね。この曲はどのように制作したんですか?
Teru 基本となる部分は俺が作っていて、ラウが入ってくるトラップミュージックっぽいパートは、確かもともと……。
Koie なかったよな?
Teru うん。このパートは作曲中にけっこうノリで入れたと言うか。
Koie そう、ノリやったよな! Teruが「これ、どう思う?」って聴かせてくれて、「ええんちゃう?」って。トラップミュージック的なパートは、今までのCrossfaithになかったアプローチだったんで、単純に面白いと思ったんですよね。それでラップをするなら俺でなくて、ラウにお願いしたいって思って。
Teru 最初は好奇心と言うかね。ヒップホップ的なトラックをCrossfaithの楽曲に入れたらどうなるか、という期待もあったんですよ。それでこういう曲に仕上がりました。
──歌詞はSFの物語を連想させますが、「Freedom」にはどんなテーマがあるんですか?
Teru 自分の中に、ここ1年くらい“NEO TOKYO”って言葉があって。世間的にも2020年に東京オリンピックがあるじゃないですか。そういった世相から連想される、すごくデカいテーマがあったんですよ。それをイメージしました。
──“NEO TOKYO”というのは今の時代感といったイメージですか?
Teru いえ、今の東京と言うより、SF作品からインスパイアされたところが大きいですね。
Koie 自分たちが多感な頃に観ていた近未来的な作品、映画などからテーマが出てきているんじゃないかなと。ラウにも曲の設定とストーリーを理解してもらって歌ってもらいました。「今、自分たちが想像している未来に起こっている問題を歌ってほしい」みたいな感じで。Crossfaithの楽曲には、そういう世界観が詳細に構築されているものが多いんですけど、その中でも「Freedom」は特に明確な世界観がありますね。
Teru その世界観をどうライブで表現していこうかを考えると、もうワクワクしてきますよ。
次のページ »
「ロックスターはどこに行ったんだ?」をJESSEと歌う
- Crossfaith「FREEDOM」
- 2017年8月2日発売 / Sony Music Records
-
初回限定盤 [CD2枚組]
1600円 / SRCL-9470~1 -
通常盤 [CD]
1300円 / SRCL-9472
- CD収録曲
-
- Freedom(ft. Rou Reynolds from ENTER SHIKARI)
- Rockstar Steady(ft. JESSE from The BONEZ / RIZE)
- Diavolos
- 初回限定盤付属CD収録内容
-
- Revolution(The Bloody Beetroots Remix)
- Kill 'Em All(Shikari Sound System Remix)
- Rx Overdrive(TeddyLoid Remix)
- Crossfaith「Crossfaith -LIVE IN JAPAN- AT MAKUHARI MESSE」
- 2017年8月2日発売 / Sony Music Records
-
[Blu-ray Disc]
5980円 / SRXL-131 -
[DVD]
4980円 / SRBL-1761
- 収録内容
-
- New Genesis
- Monolith
- We Are The Future
- Jagerbomb
- Kill 'Em All
- Snake Code
- Eclipse
- Wildfire
- Mirror
- Madness
- Photosphere
- Tears Fall
- Scarlett
- System X Remix
- Xeno
- Raise Your Voice
- Devil's Party
- Astral Heaven
- Rx Overdrive
- Revolution
- Drum Solo
- Countdown To Hell
- Leviathan
公演情報
- Crossfaith「10th ANNIVERSARY TOUR ONE MAN SHOWS - FAITH LASTS FOREVER -」
-
- 2017年10月27日(金)東京都 Zepp Tokyo
- 2017年11月5日(日)愛知県 Zepp Nagoya
- 2017年11月10日(金)宮城県 Rensa
- 2017年11月12日(日)石川県 金沢EIGHT HALL
- 2017年11月17日(金)広島県 広島CLUB QUATTRO
- 2017年11月18日(土)福岡県 DRUM LOGOS
- 2017年11月22日(水)青森県 青森Quarter
- 2017年11月24日(金)北海道 札幌PENNY LANE24
- 2017年11月29日(水)香川県 高松オリーブホール
- 2017年12月10日(日)大阪府 Zepp Osaka Bayside
- 2017年12月16日(土)沖縄県 桜坂セントラル
- Crossfaith(クロスフェイス)
- 2006年11月にKoie(Vo)、Teru(Program, Vision)、Kazuki(G)、Hiro(B)、Tatsuya(Dr)により結成。2009年4月にリリースした1stアルバム「The Artifical theory for the Dramatic Beauty」が国内メタルコア、スクリーモシーンを活気付ける起爆剤に。その後「Warped Tour UK」「Sound Wave Festival 2013」「Download Festival 2014」「Reading / Leeds Festival 2014」など海外の大型フェスにも多数出演し、各国のメディアに取り上げられる。2014年10月にキャリア初となるシングル「MADNESS」をソニー・ミュージックレーベルズからリリースするが、2015年1月にKazukiが脳内出血の治療によりライブ活動を休止。サポートギタリストを迎えてライブ活動を行う一方で新曲レコーディングを実施し、9月にメジャー1stアルバム「XENO」をリリースした。同月のKazuki復帰後は世界遺産・日光山輪王寺でのライブや日本テレビ系「スッキリ!!」への出演など国内での活動も活発化させる。2016年7月にシングル「New Age Warriors」をリリース。アジアツアーを挟み、9月よりバンド最長ツアー「New Age Warriors Tour 2016」を開催し、2017年2月にツアーファイナルとして千葉・幕張イベントホールにて大成功に収める。同年8月にニューシングル「FREEDOM」と、幕張イベントホールでの公演の模様を収めたDVD/BD「Crossfaith -LIVE IN JAPAN- AT MAKUHARI MESSE」を同時リリース。