音楽ナタリー Power Push - Crossfaith
新境地に挑む戦士たち
「Bowline 2016」で体現した理想の遊び場所
──帰国後、4月にはタワーレコード主催のライブイベント「Bowline 2016 curated by CROSSFAITH & TOWER RECORDS」のキュレーターとして、“MASHUP”をテーマに、東京・新木場STUDIO COASTと東京・SOUND MUSEUM VISIONの2会場開催という新しいやり方でイベントを展開しましたね。やってみてどうでしたか?
Koie アフターパーティまで自分たちで企画するというのは、ずっとやりたいと思っていたことの1つでした。Crossfaithの音楽自体が、マッシュアップされたものですから、ダンスミュージックとラウドロックのシーンが一緒になったようなイベントが作れたのは面白かったです。
Teru 夜のVISIONのパーティには、いつも短パンTシャツでライブに来ているような子がオシャレして遊びに来たりしていて面白かったですね。「お前、普段そんな格好ちゃうやろ」って(笑)。
Kazuki 昼にライブして、夜も音楽で楽しめるっていうのは理想の遊び場所。海外ではそういうのが当たり前だったりするんですよ。同じ会場で昼はライブして、夜にはライブに来ていない人もクラブとしてアフターパーティに遊びに来るという。その自然に混じり合っている光景を日本でも作りたかったんです。
Koie お客さんすらもマッシュアップしたいという思いもあって。今の時代、シーンに限らずライブという現場が重要になってきていると思うんですが、だからこそシーンの垣根を超えて層を広げたいんです。クラブで遊んでいる人にも、自分たちがバンドで表現していることを伝えたいし、ライブハウスに来る人にもダンスミュージックのカッコよさを伝えたい。
今の自分たち=New Age Warriors
──「New Age Warriors」はそんな中での新作ですが、今回のシングルに収録されている3曲はそれぞれいつ完成したんですか?
Kazuki 各楽曲とも、最終的に完成したのは1月のLAでのレコーディングのときです。バンドでスタジオに入っていた時期は10月で、曲の雛形はありましたが、アメリカに行ってプロデューサーのジョシュ・ウィルバーも交えてアレンジを加えていった結果、まったく別物になりました。レコーディングのギリギリまで曲を詰めていく作業をするので、そういう意味ではどれも同時期に完成した3曲です。
──シングルに「New Age Warriors」というタイトルが付けられていますが、作品全体のテーマなどはあったんでしょうか?
Kazuki 統一したテーマはないですね。それぞれまったく色が違う、世界観が異なる曲になっていると思います。シングルはアルバムと違って、ある意味チャレンジしやすいものだと考えているので、統一感は意識しないで、激しい曲はより激しく、踊れる曲はより踊れるように、という感じで作りました。
Koie ただ激しいだけではなく、突き詰めたという意味で攻めのシングルになっているんじゃないかと。
──「New Age Warriors」というタイトルはどういう思いで?
Teru シングルのタイトルはリード曲のタイトルになることが多いと思うんですが、今回の3曲はそれぞれリード曲になり得る個性の強い曲なんで、どれか1つをタイトルにするのも違うと思って。じゃあ今のオレらを体現する言葉をタイトルにしよう、と思って探した結果「『New Age Warriors』、コレしかないでしょう!」と。
──今のCrossfaithは「新世代の戦士」であると?
Koie はい。今までCrossfaithが提示してきたものはSFだったり、未来的な世界観を感じさせるものが多かったと思うんですが、今回はこれまでとは違う世界観だなと思って。ジャケットのアートワークにしてもそう。バンドの新たな面を打ち出すべくこのタイトルを付けました。
Teru 個人的に「XENO」で一旦活動の節目が付いた気がしていて。同じことを続けても……と感じていたので「New Age」って言葉がピッタリハマってます。
次のページ » これまででもっともパンチのある「Rx Overdrive」
- ニューシングル「New Age Warriors」/ 2016年7月27日発売 / アリオラジャパン
- 「New Age Warriors」
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1944円 / BVCL-742
- 通常盤 [CD] 1296円 / BVCL-744
CD収録曲
- Rx Overdrive
- Kill'Em All
- Revolution
初回限定盤DVD収録内容
"ENTER THE XENO" ~XENO WORLD TOUR 2016:JAPAN TOYOSU PIT~
- Xeno
- Raise Your Voice
- Paint It Black
~LIVE AT NIKKO WORLD HERITAGE VOL.1~
- Devil’s Party
Crossfaith(クロスフェイス)
2006年11月にKenta Koie(Vo)、Terufumi Tamano(Programming, Vision)、Kazuki Takemura(G)、Hiroki Ikegawa(B)、Tatsuya Amano(Dr)により結成。2009年4月にリリースした1stアルバム「The Artifical theory for the Dramatic Beauty」が国内メタルコア、スクリーモシーンを活気付ける起爆剤に。その後「Warped Tour UK」「Sound Wave Festival 2013」「Download Festival 2014」「Reading / Leeds Festival 2014」など海外の大型フェスにも多数出演し、各国のメディアに取り上げられる。2014年10月にキャリア初となるシングル「MADNESS」をソニー・ミュージックレーベルズからリリースするが、2015年1月にKazukiが脳内出血の治療によりライブ活動を休止。サポートギタリストを迎えてライブ活動を行う一方で新曲レコーディングを実施し、9月にメジャー1stアルバム「XENO」をリリースした。同月のKazuki復帰後は世界遺産・日光山輪王寺でのライブや日本テレビ系「スッキリ!!」への出演など国内での活動も活発化させる。2016年7月にシングル「New Age Warriors」をリリース。アジアツアーを挟み、9月よりバンド最長ツアー「New Age Warriors Tour 2016」を開催する。