──見事サプライズを仕掛けられてしまいましたが、まずは今日の感想をお願いします。

アンコールのラストになってポーラーベアさんを呼ぶ時間だなと思って呼んだんだけど、なかなか出てこないから「どうしたの？」と思っていて。そしたら、自分のサプライズみたいなことが。最初は全然わからなくてびっくりしました。（照れながら）もう本当にすみません！ いや、すごいありがたいね。みんな知ってたのかな？

スタッフ　みんな知ってました。

何をやってるんですか（笑）。いきなりドキドキするわ。私、今日やることいっぱいあったから、私の段取りを変えないでくれと思ってたもん（笑）。

──ポーラーベアに「カワイすぎる!!」と抱きついていましたね。

すごいかわいいですね。フカフカだし。あんまり言っちゃいけないかもしれないけど（笑）、すごいリアルで。

──AIさんの楽曲「ハピネス」が「コカ・コーラ」のウィンターキャンペーンソングとして使用されるのは2011年から3年連続となります。1年目はオリジナル版の「ハピネス」、2年目は「ハピネス－スマイル・バージョン」、3年目は「ハピネス－あげようバージョン」とさまざまなバージョンが生まれていますね。

毎回PVを撮ってるんですけど、最初（1年目）はそのビデオが印象に残ってますね。清掃員とか校長先生とかトラックの運転手さんの変装をして、自分以外の人になってみたのがすごく新鮮で。自分がやってて本当にハッピーになるような感じでしたね。

──うんうん。

2つ目はいろんな人にハピネスを広げていくというか、“人のパワー”をテーマに作りました。一般の人たちから「♪ラーラーラーララー」って歌う映像を募集して、YouTubeに上げてもらって、その声を全部まとめて収めるっていう。私はやっぱり人のパワーって絶対あると思っていて、どんなに下手でも、みんなの声が合わさるとなんかすごく伝わるんですよね。で、3回目の今回。また「ハピネス」の新バージョンを作るっていう話だけ聞いたときは「え？」と思ったもん。どうするの？って（笑）。

──普通だったらあんまりないことですよね。

そしたらテーマが「ハッピーをあげよう。」で、どんなことを伝えたいかっていうのを把握したら、それはいいねと思って。「ハピネス」って曲は「♪君が笑えば この世界中に もっと もっと 幸せが広がる」っていう歌詞がもともとハッピーではあるんだけど、それをさらにわかりやすく「♪君が笑えば それでいい それだけで 幸せが広がる」っていう歌詞を入れたり、コーラスワークを自分以外の声ももっと増やして。私は、自分がたくさんのハッピーをもらったから、その気持ちを人にあげたい。その気持ちが「ハッピーをあげよう。」っていうテーマにつながるんじゃないかなと思うし、「ハピネス - あげようバージョン」もそういうふうに聞こえたらいいなと思って作りました。こんな感じで「ハピネス」は3バージョン作りましたけど、それぞれ違う意味というか、PVを観たりすると受け取り方が違ってくると思います。

──今年の「あげようバージョン」ならではの歌い方、聴き方のポイントがあれば教えてください。

これは誰かと一緒に歌ってほしいかな。「♪ラーラーラーララー」っていうコーラスのところで、別の人が「♪君が笑えば それでいい それだけで 幸せが広がる」って重ねるとかね。一緒に歌うとすごい気持ちがいいと思います。

──AIさんにとって“ハッピー”とは、与えたりもらったりするもの？

本当にそうだと思う。例えばライブで言ったら、自分が出ていってみんながワーッて言ってくれる。もうそれだけでうれしいし、私もパワーを出すよ。何か面白いことしてやろうとか、みんなが喜ぶことはなんだろうとかたくさん考えて。それで笑ってくれたらまたうれしい。結局お互いの思いやりなんだよね。恥ずかしがらずに、いいことはいいことなんだから、どんどんやればいいのになって思いますね。

──では、これまで体験した最高の“ハッピー”はどんなことですか？

いっぱいあるけど、今パッと出てきたのが、ライブでお客さん全員が自然と私の曲を歌い始めたとき。もう感動しすぎて泣きわめいて（笑）。それまで自分のことを知らない人たちもいっぱいいたし、何回もライブをやってきて、やっと届いたなって気がしました。それが忘れられないですね。初めての大合唱の、あの声はヤバかったなあ。