5月病を吹き飛ばすような1枚になれば
──あんにゅさんが詞と曲を手掛けた曲で言うと、「気球にのって」や「ごらんください」のようなちょっとほっこりするテイストもあって。このあたりはお得意な部分なのかなと。
あんにゅ ああ、そうですね。学生の頃からNHK「みんなのうた」で流れるような、子供が楽しめるような曲を作れる人になりたいという思いがあったんですよ。なので、こういうテイストの曲は作ること自体すごく好きだし、自然と出てきた印象がありますね。
──その一方で、ちょっとシリアスな感情を紡いだ「バードマン」のような曲もあって。表現の振り幅は広いですよね。
あんにゅ 確かにそうですね。「バードマン」はデビュー前のいろんな葛藤を歌ってるものなので。この曲のサウンドはちょっとThe Beatlesっぽくしたいなっていう思いが自分の中にはあったんですよ。で、それを言葉でお伝えしたわけじゃないのにバンドの方々が汲み取ってくださって、きっちりそういう仕上がりにしていただけたので、私としてはかなり気に入ってますね。
──不安や迷いが見える歌詞ですが、サウンドと相まって最終的にはすごく開けた景色が見えているのもコアラモード.らしいところだなと。
小幡 暗いままでは終われないっていう(笑)。
あんにゅ どの曲に関しても、“明日もがんばろう!”という気持ちになってもらいたいという思いを込めて作ってますからね。5月病を吹き飛ばすような1枚になればいいなって。
小幡 5月30日リリースですけどね(笑)。もう5月が終わるっていう。
あんにゅ いや、5月病は年中あるから。何月でも5月病になるから!
今のコアラモード.は風を欲している
──アルバムラストを飾るのはお二人の共作曲「セキララ☆キラキラ」。パーティ感のある明るい雰囲気でのエンディングが最高ですね。
あんにゅ 明るいですよねえ。ここまで現代語の入った歌詞を歌ったのは初めてです。
──「とりま」とか。
あんにゅ “とりま”なんて日常生活で使ったことないですよ!
小幡 これ、歌詞は僕が書いたんですけど、僕も言ったことないです(笑)。ただ、この曲ではすごくはっちゃけた人物を主人公にしたかったので、そういう言葉選びをしましたね。楽しいパーティ感を味わってもらえれば。
あんにゅ 歌詞には“野毛”という地名も出てくるので、これは横浜の歌でもありますね。そういう部分では私たちらしさも出ているんじゃないかな。
──アルバムには「~街風泥棒~」というサブタイトルが付けられていますが、そこにはどんな意味が込められているんですか?
小幡 曲を全部並べてみたとき、そのすべてに“風”というテーマが備わっていることに気付いたんですよ。それはきっと今の僕ら自身が“風”を欲している、“風”が吹くことで起こる変化を欲している時期だからだと思うんですよね。
あんにゅ そう。だから私たちはここから“風”を盗んでいこうと思って。
カバーの面白さ
──そしてアルバムにはボーナストラックとしてももいろクローバーZの「サラバ、愛しき悲しみたちよ」のカバーも収録されています。
あんにゅ 自分たちのラジオ番組で行ったアンケートで選ばれた曲です。カバーすると決まったらすぐに小幡さんが1人でぶわっと演奏して、その翌日に歌のレコーディングをして。その翌日にはもうミックスをしたという。ものすごいスピード感で完成しましたね。
小幡 深夜にスタジオに行って、1人でマイクを立ててドラムを録りましたからね。初めてレコーディングエンジニアも経験させてもらったと言うか(笑)。タイトなスケジュールでしたけど、集中して臨めた制作のスピード感が楽曲の持っている勢いにうまくハマったんじゃないかなって。ボーナストラックですけど、何度もリピートして聴いてしまうほどいい仕上がりになったと思うんですけど。
あんにゅ うん。コアラモード.にとっては新しい雰囲気の曲でもあるしね。自分たちの曲でもこういったテイストに挑戦してみようかなっていう気持ちにもなりました。そう思わせてもらえるのがカバーの楽しさ、醍醐味ですよね。しかし、ももクロちゃんはこの曲を踊りながら歌ってるんだと思うとね。
小幡 うん、とんでもないよね。
あんにゅ あらためてリスペクトの気持ちが強まりました。
──アルバムのリリース後、6月からは全6カ所を巡るツアー「THIS IS COALAMODE.!! 2018 ~街風泥棒ツアー~」もスタートします。
あんにゅ 前回のツアーファイナルで味わえた心地いい一体感がずっと忘れられないんですよ。本当にすごく楽しいツアーだったなって。なので今回もね、妥協せずにそれを超えるようなセットリストや演出を考えようと思っています。まだ考え中ですけど、またコントも何かしらお届けしたいなと思っていますので(笑)。ただ演奏して歌うだけじゃない、私たちのサービス精神を見せたいと思います!
小幡 今までのコアラモード.以上に盛り上がれる曲たちがそろったアルバムを携えたツアーになるので、それがバンドセットでどう再現され、どんな景色を生み出せるのかが自分たちとしても楽しみです。1公演と言わず、いろんな会場に遊びに来ていただければと。
- コアラモード.
「COALAMODE.2~街風泥棒~」 - 2018年5月30日発売 / アリオラジャパン
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初回限定盤 [CD+DVD]
3799円 / BVCL-888~9 -
通常盤 [CD]
3000円 / BVCL-890
- CD収録曲
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- トライアゲイン
- 恋愛定規
- 花鳥風月
- バードマン
- 大旋風
- 位置エネルギー
- ホップステップジャンプ
- Hurray!(フレー!)
- 気球にのって
- ごらんください
- どろぼう猫
- 僕に足りないものは
- セキララ☆キラキラ
初回限定盤ボーナストラック
- サラバ、愛しき悲しみたちよ(※ももいろクローバーZカバー)
- 初回限定盤DVD収録内容
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- 「花鳥風月」Music Video
- 「僕に足りないものは」short ver. in プラハ Music Video
- COALAMODE.2~街風泥棒メモリー~ おまけ
- コアラモード.全国ツアー
“THIS IS COALAMODE.!!2018 ~街風泥棒ツアー~” -
- 2018年6月23日(土)福岡県 Early Believers
- 2018年6月24日(日)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
- 2018年7月8日(日)愛知県 HeartLand
- 2018年7月14日(土)東京都 TSUTAYA O-WEST
- 2018年7月21日(土)大阪府 大丸心斎橋劇場
- 2018年8月4日(土)神奈川県 はまぎんホール ヴィアマーレ
- コアラモード.
- ボーカルのあんにゅとサウンドクリエイターの小幡康裕からなる神奈川・横浜出身の男女2人組ユニット。2013年の結成以来、横浜を拠点に精力的なライブ活動を行い徐々に注目を集める。2014年11月には自主制作の4曲入りシングル「メモリーズ」をリリース。2015年2月にフジテレビ系“ノイタミナ”アニメ「四月は君の嘘」後期オープニングテーマ「七色シンフォニー」でメジャーデビューを果たした。愛知学院大学のCMソング「拝啓、5年後の私」を収めたシングル「さくらぼっち」や、tvk「saku saku」のエンディングテーマとしてオンエアされていた「雨のち晴れのちスマイリー」などを発表。「ママのママのママのママ」がNHKみんなのうた2016年12月~2017年1月に決定した。2017年2月にこれらの楽曲を収めた1stアルバム「COALAOMODE.」をリリース。10月にシングル「大旋風」を、2018年4月にテレビ東京系アニメ「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」のエンディングテーマ「花鳥風月」を発表した。5月に2ndアルバム「COALAMODE.2~街風泥棒~」をリリースする。なお小幡は中孝介のサウンドプロデュースや、カサリンチュのアレンジも手がけている。