音楽ナタリー PowerPush - Czecho No Republic

ドラゴンボール愛とバンド愛が生んだ「Oh Yeah!!!!!!!」

チェコは新しいことへの抵抗がない人間の集まり

──シンセ感の強い「Oh Yeah!!!!!!!」もそうですけど、カップリングの曲も、いわゆるロックバンドという枠組だけでは捉えられないほど自由な曲作りをしていて。八木さん作曲の「Sunday Juggler」の出だしとか、ほとんどディズニーソングみたいな世界で。

八木 ディズニーだとか、童謡だとか、それこそ「みんなのうた」みたいな曲が自分は好きで。それと、ボーカルが3人で代わる代わる変わっていくアイデアとかは、アイドルソングのようなイメージもあって。

──なるほど。

八木類(G, Cho, Syn)

八木 みんなで歌えるような曲がやれたら楽しいかなって。

──チェコの音楽性といえば、バンド初期の頃はUSインディーからの影響という文脈で語られることも多かったですけど、もうそういう段階ではないのかなって今作を聴いて思ったんですよね。

武井 これからのバンドの音楽の方向性に関しては、まだはっきりと言えるようなことはあまりないんですよね。シンセの音に凝りたいとか、複数のメンバーで歌う曲が増えていくだろうとか、そうした細部ではいろいろあるんですけど。

──メンバーみんなが歌えるバンドっていうのも、なかなか珍しいですよね。

タカハシ ボーカルが1人ドンといて、演奏のスタイルが固定しているバンドではないので、みんながいろんなアイデアを出しあって、型にはまらないことをもっと好きなようにやって進化していければいいなって思っています。もともとちっちゃい頃から一緒の5人が集まってバンドをやってますとか、そういうバンドではなくて、それぞれ別のバンドをやっていたメンバーが5人集まってやっているので。

──確かに。子供の頃からずっと一緒だった仲間がやってるバンドには、もちろんそれゆえのよさというのもありますけど、音楽的にも、キャラクター的にも、メンバーそれぞれの役割が固定しちゃいがちですよね。

砂川 5人それぞれかなり個性が強いし、音楽的にやれることもたくさんあるし、新しいことをやることに抵抗がない人間が集まっているんで。そこは僕らの強みだと思うし、その5人が個性はそのままによりひとつのカタマリになったときに、唯一無二のバンドになれるんじゃないかなって思うんですよね。

──メンバー2人があとから加入したことも含め、まだそれぞれがメンバーの新たな一面を発見し合っているということなのかな?

武井 発見もあるし、それぞれが「こういう面もあるけど、どうよ?」みたいな感じでアピールすることもあるし。今回の「Oh Yeah!!!!!!!」で八木ちゃんがシンセベースを弾いているのも、提案されて「じゃあ、ちょっとやってみてよ」って感じだったし。そういう意味で、今はすごくバンドが面白い時期かもしれませんね。

──メンバーの趣向がバラバラなことで、意見がぶつかり合ったりすることはないんですか?

武井 いつもデモまではしっかり作っていって、その先の曲をブラッシュアップしていくところで意見を交わすことが多いから、そこは大丈夫ですね。ゼロから一緒に曲を作るってなると、どうなるかわからないけど(笑)。

八木 それぞれ、プレーヤーとしての意識の前に、曲をいかに大事にするかってことを考えているんですよね。だから「この曲でこの音はいらないかな」って思ったら、自分が担当しているパートでもバッサリなくしたりもするし。

砂川 ギターソロを入れなきゃ気がすまないとか、そういうのはないからね(笑)。

──じゃあ、ライブのあとで反省会とかをして、そこで言い争いになったりすることもない?

山崎正太郎(Dr)

八木 言い争いにはならないですね。

山崎 みんな自分の内にためて(笑)。

タカハシ 各々が(笑)。

──逆に怖いんですけど(笑)。

砂川 ケンカにはならないけど、ギクシャクすることはありますよ。

タカハシ みんな性格が悪いから(笑)。

サーカス的なノリの要素だけじゃ情けない

──武井さんは先ほどバンドの将来的な音楽性についてはまだ明言できないと言っていましたけど、短期的な話として、次はどんな作品を作っていきたいと思っていますか?

武井 ライブでお客さんが楽しめるものというのはもちろん大事にはしていきたいんですけど、ちゃんと曲単体として、ただノレるとか、一緒に歌えるとかだけじゃなくて、体感としてしっくりくるようなものを作っていかなきゃなとは思っているんですよね。

──体感というのは?

武井 曲に合わせて、自然に身体が揺れてくるような。今のライブって、ちょっとサーカス的なノリの要素に寄ってきているんで、もうちょっとアートな部分を見せていかないと、音楽家として情けないかなって。

──すごく正直な発言だと思うんですけど、それはいわゆる今の音楽シーンにおいて支配的な、大型ロックフェス的なノリとは別の場所にいるリスナーのところにも、もっと自分たちの音楽を届けていきたいってことなのかな?

武井 別に今の居場所に居心地の悪さを感じているわけじゃないんですけど、新しいところに広がっていってほしいという気持ちはもちろんあります。そのためにも、パフォーマンスもそうですけど、まずはこれまでとは違った感じの曲も発表できるタイミングがあればと思っていて。

砂川一黄(G)

砂川 お客さんが今のチェコに求めているものと、自分たちがカッコいいと思う音楽との間に、ギャップとまでは言いませんけど、やっぱりちょっとしたズレのようなものはあって。そこにどう折り合いをつけていくかというのは課題ではあると思いますね。

──そこは、とてもうまく折り合いをつけているバンドという認識を持っていたんですけど。

砂川 でも、実はもっとエレクトロ寄りのダークな曲とかもたくさんあるんですよね。

武井 アルバムにはそういう曲をもっと入れてみたいんですけど、「どうすっかね」というのはありますね。

タカハシ そうだ! 明るいアルバムと暗いアルバム、2枚一緒に出せばいいんじゃない?

一同 (笑)。

Czecho No Republic
メジャー1stシングル「Oh Yeah!!!!!!!」 / 2014年11月12日発売 / 日本コロムビア
「Oh Yeah!!!!!!!」ジャケット
初回限定盤 [CD+DVD] / 1404円 / COZA-992~3
通常盤 [CD] / 1080円 / COCA-16956
CD収録曲
  1. Oh Yeah!!!!!!!
  2. Come On
  3. Sunday Juggler
  4. Yeah Oh!!!!!!!
初回限定盤DVD収録内容

「RUSH BALL 2014」ライブ映像

  1. Amazing Parade
  2. ダイナソー

「MANTLE TOUR ~2014年宇宙の旅~」@F.A.D YOKOHAMA ライブ映像

  1. Crazy Crazy Love
  2. JOB!
  3. Field Poppy
  4. No Way

MUSIC VIDEO

  1. ネバーランド
  2. MUSIC
  3. Amazing Parade
  4. No Way

Oh Yeah!!!!!!! TOUR

2015年2月6日(金)東京都 TSUTAYA O-EAST
2015年2月12日(木)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
2015年2月13日(金)大阪府 梅田CLUB QUATTRO

Czecho No Republic(チェコノーリパブリック)
cnr05

武井優心(Vo, B)、山崎正太郎(Dr, Cho)の2人を中心に2010年3月結成。その後吉田アディム(G, Syn, Cho)、八木類(G, Syn, Cho)を加えた4人編成となり、2010年11月に初のCD作品「erectionary」をタワーレコード限定でリリースする。同作が高い評価を受ける中、2011年10月に初のフルアルバム「Maminka」を発表。2012年8月に吉田がバンドを脱退し、2013年1月にサポートメンバーだったタカハシマイ(Cho, Syn, Per)、砂川一黄(G, Cho)が正式メンバーとして加入した。同年10月に2ndフルアルバム「NEVERLAND」で日本コロムビアよりメジャーデビューし、2014年7月にはセルフプロデュースのニューアルバム「MANTLE」をリリース。11月にフジテレビ系アニメ「ドラゴンボール改」のエンディングテーマ「Oh Yeah!!!!!!!」をシングルとして発売する。