音楽ナタリー PowerPush - Czecho No Republic
ドラゴンボール愛とバンド愛が生んだ「Oh Yeah!!!!!!!」
Czecho No Republicのメジャー1stシングル「Oh Yeah!!!!!!!」は、フジテレビ系でオンエア中のアニメ「ドラゴンボール改」のエンディングテーマ。ビッグタイトルのタイアップながら、アニメの世界観に寄せすぎずバンドのカラーを強く打ち出した1曲に仕上がっている。今回ナタリーではメンバー全員にインタビューを行い、シングル「Oh Yeah!!!!!!!」はもちろんバンドの現状や未来について話を聞いた。
取材・文 / 宇野維正 撮影 / 笹森健一
ワンマンツアーの手応え
──メジャーからの2ndアルバム「MANTLE」を7月にリリースして、ワンマンツアーを終えて、今度は「ドラゴンボール改」というビッグなタイアップがついたシングルと、このところバンドの快進撃が続いています。今のバンドの状況とリスナーからのリアクションを、それぞれどのように受け止めていますか?
武井優心(Vo, B) ライブを重ねるごとに「MANTLE」の曲と仲良くなっていった感じはありますね。ツアーでも新曲をいっぱい放り込んで、バンドとして今、ガツガツしている感じは意思表示できたかなって。
八木類(G, Cho, Syn) これまでは作品をリリースして、CDを聴いた人たちの反応を見て、そこからライブでやるって感じだったんですけど、「MANTLE」をリリースしたあとはすぐにフェスがあって、そのあとはツアーがあったので、お客さんの反応をライブの現場で知るという感じが新鮮でしたね。バンドを取り巻くスピードが上がっていって、方向性も少しずつ変わっていって。今は、ちゃんとそれをバンド側でコントロールできていると思います。
山崎正太郎(Dr) やっぱりフェスとかの短いライブと違って、ツアーは刺激的だし、得るものが大きかったですね。
タカハシマイ(Cho, Syn, Per) ワンマンで全国を回るのは初めてだったので。みんながチェコだけを観にきてくれているというのが単純にうれしかったし、歓声の温かさも違うなって(笑)。
砂川一黄(G) 特にタカハシさんと自分はあとから入ったメンバーなので。初めてゼロから一緒にアルバムを作って、その曲を中心にしたワンマンツアーで全国を回ったというのは、すごく自信につながりましたね。
武井 今のところライブの動員も目に見えて増えてきているので、ここからは落ちたくはないなって(笑)。
──え? 「もっとガンガンいって、バンドをどんどんでっかくするぜ」って感じではないんですか?(笑)
武井 いや、もちろんでっかくなっていきたいとは思っていますけど。どんなバンドマンもそうだと思いますけど、焦りもあるし、先が見えないことへの不安というのはありますよ。手元にはまだ発表してない曲もあるし、今作っている曲もあるし、それを「みんな気に入ってくれるかな?」っていう心配は常につきまとうものなので。
「ドラゴンボール」が好きすぎて
──そういう意味では、今回の「Oh Yeah!!!!!!!」は大きなタイアップでありながら、決して置きにいった曲ではない、かなりぶっ飛ばした攻めの曲になっていますね。
武井 確かに、置きにいってはないです。やっぱり、やるからには自分たちのバンドのカラーを強く出したいし、長い目で見たときに、タイアップに寄せすぎることで2年後や3年後の自分たちのライブのセットリストに入らなくなるような曲はリリースしたくなかったんですよね。ただ、単純にアニメのタイアップの場合、59秒以内にサビまで聴かせるという条件があったりするので、難しかったっちゃ難しかったですけど。いいものができてよかったって感じです。
──なるほど。バースとコーラスの構成が型にはまってなくて予測不可能というのは、もともとチェコの曲の面白さの重要な要素ですよね。
武井 そう。1曲をまるごと聴いてもらって「なるほど!」と思わせるような曲作りをしてきたところがあるから。あと、正直、「ドラゴンボール」が好きすぎて、本当に自分が関わっていいのかなという気持ちもありました(笑)。
──そうなんだ(笑)。でも、大好きな人が作った曲ならではの堂々としている感じがあってすごくいいと思いました。「タイアップのために作品について勉強しました」みたいな手探り感はまったくない。
武井 確かに、作品の全部をわかった上で、そこからどこの部分を切り取って曲にしていこうかという作業でしたね。
タカハシ すごくライブ映えする曲なんですよね。ツアーでもさっそくやって、リリース前の曲なのにお客さんの反応もすごくよくて。
八木 駆け抜ける感じがあるよね。それはライブのテンション感にも合っているし、「ドラゴンボール」という作品の世界にも合っている。
山崎 シングル曲としては、初めてシンセベースを使った曲なんですよね。そういう意味では、新しい試みをした曲でもあって。シンセベースだからこそ、生ドラムの勢いは大切にしました。
砂川 タカハシさんのシンセソロもカッコいいんですよね。曲全体のシンセ感を前面に出すために、ギターはその空間を意識して、あまり難しいことはしないようにしました。
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- メジャー1stシングル「Oh Yeah!!!!!!!」 / 2014年11月12日発売 / 日本コロムビア
- 「Oh Yeah!!!!!!!」ジャケット
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 1404円 / COZA-992~3
- 通常盤 [CD] / 1080円 / COCA-16956
CD収録曲
- Oh Yeah!!!!!!!
- Come On
- Sunday Juggler
- Yeah Oh!!!!!!!
初回限定盤DVD収録内容
「RUSH BALL 2014」ライブ映像
- Amazing Parade
- ダイナソー
「MANTLE TOUR ~2014年宇宙の旅~」@F.A.D YOKOHAMA ライブ映像
- Crazy Crazy Love
- JOB!
- Field Poppy
- No Way
MUSIC VIDEO
- ネバーランド
- MUSIC
- Amazing Parade
- No Way
Oh Yeah!!!!!!! TOUR
2015年2月6日(金)東京都 TSUTAYA O-EAST
2015年2月12日(木)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
2015年2月13日(金)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
Czecho No Republic(チェコノーリパブリック)
武井優心(Vo, B)、山崎正太郎(Dr, Cho)の2人を中心に2010年3月結成。その後吉田アディム(G, Syn, Cho)、八木類(G, Syn, Cho)を加えた4人編成となり、2010年11月に初のCD作品「erectionary」をタワーレコード限定でリリースする。同作が高い評価を受ける中、2011年10月に初のフルアルバム「Maminka」を発表。2012年8月に吉田がバンドを脱退し、2013年1月にサポートメンバーだったタカハシマイ(Cho, Syn, Per)、砂川一黄(G, Cho)が正式メンバーとして加入した。同年10月に2ndフルアルバム「NEVERLAND」で日本コロムビアよりメジャーデビューし、2014年7月にはセルフプロデュースのニューアルバム「MANTLE」をリリース。11月にフジテレビ系アニメ「ドラゴンボール改」のエンディングテーマ「Oh Yeah!!!!!!!」をシングルとして発売する。