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「Coming Next Artists」の第5回は、夜の本気ダンスが登場。インディーズ時代から熱いライブパフォーマンスによってフェスやサーキットイベントで注目を集めてきた彼らは、2016年3月にビクターエンタテインメントよりメジャーデビューを果たした。その後も数々の大型フェスへの出演を重ね、最近では真木よう子主演のフジテレビ系木曜劇場枠で放送されているドラマ「セシルのもくろみ」の主題歌を担当するなど、お茶の間にもその名を広めている。今回はそんな4人にTom-H@ckがインタビューを実施。プロデューサーや作家として活躍するTom-H@ckの目線から、夜の本気ダンスのマインドやメジャーデビュー後の状況を聞いた。
取材 / Tom-H@ck 文 / 石橋果奈 撮影 / 草場雄介
- 夜の本気ダンス(ヨルノホンキダンス)
- 米田貴紀(Vo, G)、鈴鹿秋斗(Dr)、マイケル(B)、西田一紀(G)からなる4人組ロックバンド。2008年に京都府で結成された。2014年2月にタワーレコード限定シングル「Bitch」を発表したのち、3月に初の全国流通ミニアルバム「DANCE STEP」をリリース。同年11月にアルバム「DANCE TIME」を、2015年にシングル「By My Side」を発売する。2016年2月から3月にかけてスペースシャワーTV主催のライブツアー「スペースシャワー列伝15周年記念公演 JAPAN TOUR 2016」に出演。同年3月にアルバム「DANCEABLE」でビクターエンタテインメントからメジャーデビューを果たす。9月に前ギタリストの町田建人がバンドを脱退し、10月に西田が加入する。12月に新体制後初の作品となるメジャー1stシングル「Without You / LIBERTY」をリリースしたのち、2017年4月にはメジャー2ndシングル「SHINY E.P.」を発表。8月にはメジャー3rdシングル「TAKE MY HAND」を発売する。
メジャーデビュー後のサウンドの変化
──皆さんは2016年3月にメジャーデビューされたということで。楽曲を聴いて、僕はインディーズ時代と現在ですごくサウンドが変わってるなって思ったんですよね。
米田貴紀(Vo, G) メジャーデビューして、けっこうすぐに前のギタリストが辞めて新しく西田(一紀)が入ったんですけど、そこでギターのサウンドがガラッと変わったのかなと。
──西田さんはどんな音楽が好きなんですか?
西田一紀(G) 1950~60年代のロックが好きですね。
米田 そのルーツが反映されている部分があると思います。あとはいろんなプロデューサーやエンジニアの方と関わるようになって、それで音を模索し始めたところはありますね。
鈴鹿秋斗(Dr) メジャーデビューして圧倒的に音作りの環境が変わりました。今まではホントに自分らだけでやってたから、金銭的にもやれることが限られていて。デビューしてからレーベルの人が、それまで知らなかったスタジオやエンジニアさんを紹介してくれて、その中で「そんなんもできるんや」って新たな発見もたくさんありました。
──例えば自分たちから、「こういう人と一緒にやりたいです」ってエンジニアを指名することはあるんですか?
米田 スタッフさんに提案してもらって、「この方とやってみたいです」って僕たちと合いそうな方を決める感じですね。エンジニアさんはけっこう作品によってバラバラで。
──夜の本気ダンスのサウンドって、本当に魂から出る音楽だなと思うんですよね。今後さらに活躍のフィールドを広げていく皆さんだと思うので、音楽ビジネスに常に向き合ってプロデューサーをしている僕の願いとしては、ぜひエンジニアリングにも積極的に興味を持って、音を追求していってほしいなと。日本でしか作れないパワフルでカッコいい音楽をやっている皆さんに、音楽シーンを盛り上げてほしいなって思うんですよね。
米田 この1年間、いろんな方とのレコーディングの機会を与えてもらったので、今後もそういう方と関わる中で成長できたらいいなと思います。
──ちなみに今、レコーディングで大事にしている部分は?
マイケル(B) これまではきちっと弾けているテイクを選ぼうっていう気持ちが強かったんですけど、ベーシストの根岸孝旨さんにサウンドプロデューサーとしてレコーディングに参加していただいた際に「このテイクは荒かったけど、ドラムとのグルーヴ感や勢いがすごく出てるから採用しよう」って言われたことがあって。「そういう考え方でいいんや!」って思ったんです。それがきっかけで、多少演奏が荒くても「ノリがいいから採用しよう」っていう選び方もするようになりました。テクニックも大事ですけど、一緒に演奏する方との関わりが最終的に音につながってくるのかなって思いますね。
ライブは一番大事にしてる主戦場
──インディーズ時代からライブをたくさんやられてきたと思うんですけど、ライブのステージは皆さんにとってどんなものだと思いますか?
マイケル やっぱり主戦場ですね。レコーディングや音源の制作はたくさんの方に音楽を聴いてもらう手段ではあるんですけど、やっぱり自分たちはライブで映えるバンドだと思うので。
──自分たちを魅せられるホントの場だっていう感じですかね?
マイケル はい。ほかのバンドさんも、もちろん同じようにライブを大事にしていると思うんですけど、僕らにとってもライブは一番大事なもので。生でしか見せられないパフォーマンスがあるし、ライブで熱量を出していけるバンドだと思います。
──今度、ぜひとも観たいです。
米田 あ、もうぜひ。
──ちなみに先日のツアーファイナルの会場は東京・EX THEATER ROPPONGIでしたが、インディーズのときも何千単位のキャパシティの場所でやってらっしゃったんですか?(参照:僕も皆さんを愛してます!夜の本気ダンス、EXシアターで観客“漬け込む”)
米田 いや、インディーズではやってないですね。最大でどれくらいやったっけ?
マイケル 僕らそもそも初めてワンマンをやったのが、メジャーデビューの半年前とかだったんですね。それが大阪のShangri-Laっていう場所なんですけど、そこが300~400人ぐらい。
──ではこのおよそ1年半でどんどん会場のキャパシティが大きくなっていったんですね。
マイケル そうですね。フェスやサーキットイベントに出させていただいて知ってもらうようになったバンドだと思うんですけど、出させてもらうステージがちょっとずつ大きくなっていって。それと同じように、自分たちのワンマンライブも大きな会場でできるようになりました。
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メジャーデビューして有給が取りやすくなった
- 夜の本気ダンス「TAKE MY HAND」
- 2017年8月9日発売 / Victor Entertainment
- 収録曲
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- TAKE MY HAND
- This is pop (new mix)
- HONKI DANCE TIME(Japanese Style ~ fuckin' so tired ~ Only Nineteen ~ B!tch ~ You gotta move ~ Logical heart)
2017年8月24日更新