- パーソナリティ
- 菅野結以
「Coming Next Artists」第34回に登場するのはお笑いコンビ、ラニーノーズのすざき(Vo, G)とけんと(Vo, G)を擁するメロコアバンド・Runny Noize。すざきとけんとはミュージシャンとお笑い芸人を掛け持ちしつつ、昨年9月には初のミニアルバム「We are Runny Noize」を発表するなど、積極的な音楽活動を展開している。まったく異なる2つの活動を通し、2人が掲げる目標とは何か。自身もファッションモデルをはじめ、アパレルブランド「Crayme,」のデザイナーやラジオDJなど、多彩な活動を行う菅野結以が話を聞いた。
取材 / 菅野結以 文 / 高橋拓也 撮影 / 奥本昭久
- Runny Noize(ラニーノイズ)
- お笑いコンビ・ラニーノーズのすざき(Vo, G)、けんと(Vo, G)をメンバーに擁するメロコアバンド。2008年にすざきを中心に結成され、2009年にはカナダに移住。翌2010年に帰国し、2013年にすざき、けんと、てつや(B)、こだま(Dr)の現体制となった。ラニーノーズとしての活動はバンドと平行する形で2012年にスタートしている。これまで西海岸系メロディックパンクを基調とした楽曲を制作し、2017年に配信シングル「Bunny」「Successor -Old Mix-」を発表。同年9月にはバンドにとって初のミニアルバムとなる「We are Runny Noize」をリリースした。8月1日にはニューアルバム(タイトル未定)を発売し、12月には大阪・なんばグランド花月で主催企画「Runny Fes」を開催する予定。
40万円払えば誰でもお笑い芸人になれるんですよ
──すざきさんとけんとさんはバンドとお笑い芸人という二足のわらじを履いて活動を行っていますが、先にスタートさせたのはどちらですか?
すざき(Vo, G) バンドが先ですね。僕とけんとが大学で知り合ってバンドを結成して、そのあとお笑い芸人になったんです。
──バンドを組んでからお笑い芸人になるのって珍しいですよね。
けんと(Vo, G) そうですね。周りにも全然いない。お笑い芸人になってからバンドを始める人はけっこういるんですけど。
──なぜバンドだけでなく、お笑い芸人としても活動することになったんでしょうか?
けんと 僕の子供の頃の夢はお笑い芸人で、バンドを始めたあともお笑いをやりたいって思ってたんです。それで22、3歳ぐらいのときにラニーノーズを結成しました。
──でもお笑い芸人って簡単になれないですよね……?
けんと よしもとだったら学費の40万円払えば誰でもなれるんですよ(笑)。養成所のオーディションはお金払えるやつかどうか見るだけなんで。よっぽどヤバいやつは落とされるんですけど。
──ミュージシャンとお笑い芸人の活動を掛け持ちすると時間のやりくりが大変じゃないでしょうか?
けんと ラニーノーズを結成した頃は、バンド活動はあんまりできていなくて。養成所に入ったのは僕とすざき以外のバンドメンバーが辞めて、2人きりになったタイミングだったんです。そのあと、今のメンバーのてつや(B)とこだま(Dr)が加入しました。2人は僕らがお笑い芸人として活動していることを知ったうえで入ってくれたんです。
──てつやさんとこだまさんはお笑いの活動はやってないんですね。
すざき 全然ですね。僕とけんとがラニーノーズとして稼働しているとき、てつやとこだまは別のバンドで活動してます。
昔は掛け持ちとか考えられなかった
──私ももともとモデルの活動だけをしていたんですけど、今はアパレルブランドのデザイナーやラジオのDJ、アートディレクターなどもやっているんです。
すざき 二足どころじゃないじゃないですか! 僕らの存在感、薄くなっちゃう……。
──いやいや!(笑) こういったパラレルワークって今流行っていると言うか、時代的に合っているみたいで。お二人にとって、2つの活動を掛け持ちすることのメリットは?
すざき バンドではMCが苦手だったんですけど、お笑いの現場で学んだことでなんとかしゃべれるようになってきました。お笑いで言うと、音楽ネタのコントが作りやすかったり。
けんと お笑い芸人1年目のときは、バンドをやってたから呼んでもらえたイベントもけっこうあったんです。音楽イベントにお笑い芸人として出演させてもらったり、お笑いのイベントにバンドとして呼んでもらったこともあったし。最初の頃はそこが有利でしたね。
すざき 僕らの活動を知ってもらえる機会は多かったと思います。
──逆に、掛け持ちすることで生まれた悩みはありますか?
すざき けんとは曲とお笑いのネタ、両方作らないといけないんです。僕は楽ですけど。
けんと こっちはすごい大変なのに(笑)。
──けんとさんは楽曲とお笑いのネタを作る際はどちらが早いですか?
けんと ネタのほうがすぐ作れますね。音楽だと関わる人の数が多いし、スタジオに入って練習しないといけないし。アレンジとか大変なんですよ。
──音楽だと1人で完結できないんですね。
けんと ネタだったらすざきに内容を伝えるだけでできるんで。お笑いのイベントで新しいネタを披露する機会も多いんで、バンドのオリジナル曲よりもネタのほうが数は多いです。
──周りから2つの活動を行うことについて何か言われることはありますか?
けんと 悪く言ってくる人は少なかったです。もっと厳しいと思ってたんですけど。
すざき 「どっちがホンマにやりたいの?」ってたまに聞かれますけどね。
けんと 僕らの5、6歳年上の先輩でもお笑い芸人とバンドを掛け持ちしていた人がいたんですけど、その人は芸人1本に絞ったんですよ。当時は掛け持ちとか考えられなかった時代だったみたいで。僕らが芸人を始めたタイミングはお笑い業界全体の考え方が変わってきていて、むしろいろんなことをやったほうが得っていうふうになってたんです。だから風当たりもそこまで強くなかった。
──確かに今と比べて、以前は1つの活動に専念する人のほうが評価される風潮は強かったですね。
けんと もちろん1つに絞ったほうが注げる力も強くなるんでしょうけど、僕らは掛け持ちしたことで活動を広げられたので、これでよかったかなと思います。
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めっちゃカッコいいことを言っても説得力がない
- Runny Noize「We are Runny Noize」
- 2017年9月27日発売 / よしもとアール・アンド・シー
- 収録曲
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- Successor
- Unsung Hero
- Runny Nose
- Nine Deadly Sins
- The Plan to be poor
- Bunny
- This is