「Coming Next Artists」#12 ORESAMA|再スタートを切った2人の戦略

Tom-H@ck

パーソナリティ
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「Coming Next Artists」の第12回に登場するのは今年5月にLantisに移籍し、すでにシングルを3枚リリースしているORESAMA。彼らは「アリスと蔵六」「魔法陣グルグル」など人気アニメの主題歌を手がけ、着々と知名度を高めている2人組ユニットだ。今回の「Coming Next Artists」では数々のアニメソングのプロデュースや楽曲提供をしているTom-H@ckがインタビューを実施。ORESAMAのルーツや楽曲制作の裏側に迫ったほか、2組にはアニメシーンに関わっているアーティスト同士のクロストークを展開してもらった。

取材 / Tom-H@ck 文 / 倉嶌孝彦 撮影 / 佐藤類

Coming Next Artists #12

ORESAMA(オレサマ)
ORESAMA
ぽん(Vo)と小島英也(programming, G)による男女2人組ユニット。2013年に「The 6th Music Revolution Japan Final」で優秀賞を獲得し、2014年12月にテレビアニメ「オオカミ少女と黒王子」のエンディングテーマ「オオカミハート」でデビューを果たした。2015年12月に1stアルバム「oresama」を発表。同時にぽんが音楽SNSアプリ「nana」にて正体を隠して投稿を始める。6月には正体を明かし、以降は「nana」での人気ユーザーとして活躍。2016年9月、「nana」への思いを込めた新曲「『ねぇ、神様?』」を発表した。2017年5月にはLantisに移籍し、アニメ「アリスと蔵六」のオープニングテーマを収録したシングル「ワンダードライブ」をリリース。アニメ「魔法陣グルグル」のオープニング主題歌を2クールにわたって担当しており、同年10月25日にはアニメへの提供曲「流星ダンスフロア」を表題曲に収めたシングルを発表する。

舞台上では堂々としていたい

──お二人は長野出身なんですよね? 長野というと有名なお寺の……。

左からORESAMA、Tom-H@ck。

ぽん(Vo) 善光寺がありますね。

小島英也(Programming, G) ただ僕らの地元はけっこう善光寺から遠いところなんです。

──そうなんですね。もともと長野でもバンドを組んでいたんですよね?

ぽん はい。今と同じバンド名で音楽をやっていました。私たち、普段は人前に立って何かをやるようなタイプではないんです。だから「舞台上では堂々としていたいよね」っていう願いを込めてORESAMAって名前を付けて。

──お二人は本格的に音楽をやるために上京したんですか?

ぽん 実は一度バンドを解散していて。上京して東京で音楽をやっていた小島くんが「やっぱり歌う人がほしい」と言って、また私を誘ってくれたんです。だから一度解散したORESAMAを2人で再結成した感じですね。

憧れている音楽をそのままやっても勝てない

──これまでリリースされた楽曲を聴かせていただいて、ディスコサウンドをはじめとした1970~80年代のダンスミュージックがルーツにあるように感じました。小島さんはまだお若いですよね。

小島 僕自身は90年代生まれなのでもちろん世代ではないですね。ギターのサウンドはナイル・ロジャースの影響をすごく受けてます。

──逆アングルピッキングで演奏するアメリカのギタリストですね。プロデューサーとしても有名です。

小島 まずは真似から入るタイプなので、カッティングとかはすごく参考にしています。ただ彼は腕が長いから真似をするのがけっこう大変で……。

小島英也(programming, G)

──親指の形とかも関係がありますからね。

小島 あとはアル・マッケイも大好きで。彼の教則ビデオは全部買って真似をしました(笑)。

──ORESAMAのサウンドに含まれている70~80年代の音色の感じの背景がわかりました。ただ真似をしているだけじゃなくて、ぽんさんの声と合わせることで、新しさも表現できているのがORESAMAの魅力だと感じました。

小島 ありがとうございます。僕が憧れているディスコ音楽をそのままやっても、国内外の先人たちには勝てないと思っていて。ルーツとなる音楽をベースにしつつ、ORESAMAとして日本のポップスとどう混ぜ込んで曲を生み出すかはすごく意識しています。

──こういう音楽的な話は、ぽんさんともするんですか?

小島 あまりしないですね。

ぽん サウンド作りに関しては小島くんに任せているんです。今日はすごく小島くんが生き生きとしている気がします(笑)。

今の時代の音楽には絶対必要なこと

──曲作りは小島さんが担当していますが、歌詞はすべてぽんさんが手がけているんですよね?

ぽん はい。小島くんが書いた曲に詞を付けることが多いですけど、私が書いた詞をもとに小島くんが曲を書く場合もあるんです。

──曲先と詞先、どういう割合ですか?

小島 だいたい8割は曲先だと思います。でも最近は詞先が増えてきたかな。

ぽん 例えば「Trip Trip Trip」というシングルの「耳元でつかまえて」って曲は詞先なんですけど、自分の内面を深く掘り下げたときに出てきた言葉を詞にして小島くんに渡すんです。そうすると小島くんがいろいろ汲み取って楽曲を作ってくれる。

小島 実は詞が先にあったほうが曲を作りやすいんだよね。

ぽん え、そうなんだ?

小島 提供曲も含めて、曲を先に作ることが多いから詞が先にあって曲を作るのは楽しいんだよね。でもあんまり増えたら嫌になっちゃうかも(笑)。

──詞を書くときに一番大事にしていることはなんですか?

ぽん サビで使う言葉のチョイスには一番時間をかけます。歌詞は最初にサビから作るんですけど、そこさえ決まればわりとスラスラ書けるんです。基本的に詞に関しては私に任せてもらってるんですけど、サビ頭の言葉だけは小島くんから指摘が入ることがありますね。

小島 初めて聴く曲って頭の10秒で心をつかめるかどうかがすごく重要だと思っているんです。世の中には聴ききれないほど曲があふれていますから、いかに曲の頭でフックを作るかっていうのが今の時代の音楽には絶対必要だと考えています。

──音楽という芸術を仕事にしつつも、それをちゃんと聴いてもらって、CDを手に取ってもらうためのビジネス的な視点も持ち合わせているんですね。すごく大事なことだと思います。

小島 特に僕らみたいなまだ知名度もそんな高くないアーティストは勝負をするために、曲の頭やサビの頭はどれだけ時間をかけてもいいから作り込むようにしています。

ORESAMA「流星ダンスフロア」
2017年10月25日発売 / Lantis
ORESAMA「流星ダンスフロア」

[CD]
1296円 / LACM-14659

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TOWER RECORDS

ローチケHMV

収録曲
  1. 流星ダンスフロア
  2. ヨソユキノマチ
  3. Waiting for...
  4. 流星ダンスフロア -Instrumental-
  5. ヨソユキノマチ -Instrumental-
  6. Waiting for... -Instrumental-
ORESAMA「Trip Trip Trip」
2017年7月26日発売 / Lantis
ORESAMA「Trip Trip Trip」

[CD]
1296円 / LACM-14622

Amazon.co.jp

TOWER RECORDS

ローチケHMV

収録曲
  1. Trip Trip Trip
  2. 耳もとでつかまえて
  3. 空想フライト
  4. Trip Trip Trip -Instrumental-
  5. 耳もとでつかまえて -Instrumental-
  6. 空想フライト -Instrumental-