- パーソナリティ
- 須賀健太
「Coming Next Artists」第35回には、6月27日にミニアルバム「STAR LAND」でユニバーサルミュージック内のレーベル・UNIVERSAL SIGMAからメジャーデビューを果たすみやかわくんが登場。インタビューはみやかわくんと同世代の須賀健太が担当する。みやかわくんは6秒動画サービスVineに動画を上げたことをきっかけにキャリアをスタートさせ、YouTubeへの“歌ってみた”動画の投稿などで認知度を上げ、現在Twitterフォロワー数81万人を誇る。2017年3月にYouTubeに投稿したflumpool「君に届け」の“歌ってみた”動画の視聴回数は現時点で1000万回を突破している。そんなSNS世代の人気者・みやかわくんはどのようにしてこの地位を確立したのか、また音楽活動にかける思いについてもじっくりと話を聞いた。
取材 / 須賀健太 文 / 清本千尋 撮影 / 草場雄介
- みやかわくん
- 東京都の小さな離島・式根島出身、1996年7月11日生まれのクリエイター。学生時代に仲間らとSNSへの動画投稿をはじめ、ペン回し、歌など、趣味や特技の披露を中心とした配信を行い中高生の間で話題を集める。YouTubeやTwitterへの投稿を中心に活動しており、Twitterフォロワー数は82万人、YouTubeチャンネル登録者数は50万人を超える。2017年3月にYouTubeに投稿したflumpool「君に届け」の歌唱動画の再生回数は1000万回を突破。12月には1stミニアルバム「On Your Mark」をリリースし、同月に行った東京・Zepp DiverCity TOKYOでのワンマンライブのチケットはソールドアウトした。2018年4月より初の全国ツアー「secret blue 2018」を開催。6月にミニアルバム「STAR LAND」でUNIVERSAL SIGMAよりメジャーデビューを果たす。
これはちょっと状況が変わってきたぞ
──みやかわくんのクリエイターとしてのキャリアのスタートは動画投稿からだそうで。
自分が面白いと思うことを「いろんな人に広めたい」と思って、動画投稿を始めたんです。最初に動画を投稿したのは6秒動画サービスのVineです。友達となんとなく撮って上げた動画がTwitterでたくさんリツイートされて、これは面白いぞと思ってどんどん動画を上げるようになりました。
──みやかわくんは1996年生まれだから……Vineが流行っていたのは高校生くらいの頃ですか?
そうです。
──みやかわくんのVine投稿を見ていたら、ペン回し動画がすごくて……(笑)。
小学生の頃からの特技だったんです。
──そうなんですか。ペン回し動画をアップしていた頃から音楽は好きだったんですか?
音楽自体は好きだったんですけど、自分の歌声に自信がなくて。僕、基本的に人間はなんでもやればできるものだと思ってるんです。だから歌だってうまくなるはずだと思って、夜な夜な式根島の海に行って、声が出なくなるまでひたすら歌っていたんです。声が出なくなったら家に帰って寝て、次の日の夜にまた海に行って歌ってみたいなことを繰り返していました。
──ストイックですね。
もともと歌がヘタクソだったんで、友達にすら聴かれたくなくてカラオケも1、2回しか行ったことがなかったんです。とにかく僕は完璧主義者で、うまくなるまでは人には聴かせまいと思っていました。海での修業を重ねていくうちにだんだん喉が強くなってきて、歌がうまく歌えるようになったら楽しくなってきて。
──だいぶ野生的なトレーニングですよね。そんなマンガやアニメがありそうなくらい(笑)。
中二病なので、修業することが大好きなんです(笑)。満足できるくらいには歌えるようになってきたとき「そろそろ誰かに聴いてもらいたいな」と思って、思い切って“歌ってみた”動画をTwitterにアップロードしてみたんです。最初は数百人にでも聴いてもらえればいいなと思って投稿したら、再生回数がまさかの1000万近くいって、これはちょっと状況が変わってきたなと思いました。
流行の波に乗るんじゃなくて波を起こしたかった
──デビュー作の「STAR LAND」というタイトルは故郷の式根島から見える星空から来ているそうですが、式根島ってどんなところなんですか?
とにかく自然が豊かな場所です。子供の頃は“毎日が冒険”みたいな感覚で過ごしていて、学校の授業が終わったらそのまま森の秘密基地に行って、木に登ってそこで魚肉ソーセージを食べながら島を見渡して。そのへんになってる木の実も食べるし、素手で魚を捕まえて、その場でさばいて醤油つけて食べたりもしていて。僕ね……こう見えて超ワイルドなんですよ。
──それはワイルドですね(笑)。
そうやって育ってきたから、なんでも自分でできると思っていて。自然と触れ合い続けてきたことによって生まれた感性があって、今の僕があるんだなと強く思います。
──子供の頃のお話、もう少し聞かせてください。
とにかく何かを作ることが大好きで、特に伝説を作るのが好きでした……と言うより、面白いことをすると伝説になっちゃうんです。
──伝説?
通っていた小学校で、僕をきっかけにペン回しが大流行しちゃったんですよ。そしたら臨時集会が開かれてペン回し禁止令が出されて。あとゲームの「ゼルダの伝説」の大ファンで、NINTENDO64で発売された「ムジュラの仮面」をやったときに、“仮面”に非常に憧れを持ちまして。昼休みに画用紙を使って仮面を作って、それをかぶって廊下を歩いていたら、友達が「カッコいいから俺にも作って!」って言うので、みんなの仮面を作ったんです。それで僕らはみんなで仮面を付けて歩いていて……。
──また禁止令が?
そうなんです。そのほかにも“眉間の傷禁止令”とかも出されちゃって。これはたまたま眉間に傷が付いてしまって、すぐに治っちゃったんですけど、カッコいいと思って同じ場所を傷付け続けていたんです。そしたらそれも学校で流行ってしまって……。
──常に流行の最先端にいたんですね。
そうやって自分が面白いと思ったことが伝染していくのが本当に楽しいんですよね。
──そういう感覚って今でもあるんですか?
あります。上げた動画が拡散されて話題になっているのを見ると、昔の感覚を思い出して「そうそう、この感じ!」と思います(笑)。だってみんなが楽しくて最高じゃないですか。
──そんな式根島の子供が動画投稿をきっかけにこんなに大きな存在になったんですね。
とにかく僕は好奇心旺盛なんですよ。式根にいた頃は、式根のすべてを知り尽くしたいという思いで、その湾の隅々まで泳いでいろんな魚を見たり、森の中では植物を見たりして、いろんなことを学んで。式根の中学校を卒業して、高校に上がるタイミングで上京したんです。そしたら今度は都会ではどんなことが流行っているのかが気になって。いろんな流行りを見つけたけど、自分はそれに便乗したくなかった。波に乗るんじゃなくて波を起こしたかったんです。でも波を起こすにはとにかく知識が必要だと思ったので、今の流行をとことん勉強しました。僕はやっぱり絶対に失敗したくない完璧主義者なので、動画制作にもかなり力を注いでいましたね。
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ジャンルに縛られる必要はない
- みやかわくん「STAR LAND」
- 2018年6月27日発売 / UNIVERSAL SIGMA
- CD収録曲
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- Nobody knows
- スターランド
- ジャック・バイパー
- 東京シグナル
- aNYmORE
- Shape of You
iTunes Store盤限定ボーナストラック
- シュガーソングとビターステップ
- 初回限定映像盤DVD収録内容
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“みやと行くシリーズ第一弾”式根島に行くの巻 スターランド Music Video & Making