前のバンドの子たちに土下座して謝りたい

──「ふわふわ」はどういうことをテーマに書いた曲なんですか？

なんだっけなあ……私、夜がすごく好きで、星を見るだけで泣けたんです。でも、夜通し飲んでて朝帰りしたときに、電車の中から見た空がめっちゃ晴れてて、それが悲しくって。「青空を見ても悲しめるようになったぞ！ と言うか、夜空よりも青空のほうが悲しいぞ！」って驚いたんです（笑）。

──「眠れない夜見た星空より 青空が涙を誘い込む」という歌詞ですね。

そうそう。そのときに、私はちょっとずつ変わってきているんだなと実感して。自分の中で大事にしてたものが失われていくような気がするから、私は変わることがすごく怖いんですけどね。ただ、そう思ったときにできたのが「ふわふわ」です。

──たぶん今後も日々変化しながら成長を続けていくんだと思いますけど、今後こういうアーティストになりたいみたいなイメージはありますか？

うーん……こうなりたいっていうのはなくて、ずっとこのままでいたいです。

──じゃあ、目標とかは？

早くツアーを回りたい！

──ライブをするのは好きなんですか？

好きですよ。でもライブハウスって悲しくなるんです。私たぶんエンパス（共感力が高い）体質で、だからライブハウスにいるのが苦手なのかも。感情をシャットアウトするのが大変だから集中できないのであんまりライブは観に行かないです。

──自分がステージに立つのは大丈夫？

ライブが始まるまでが大変だけど、歌い始めたら大丈夫ですね。

──インタビューの最初に「自分が作った歌を人に聴かれるのが恥ずかしい」という話をしていましたが、人前で歌うことには抵抗はないんですか？

そうなんです。でも緊張はしてます。私はガールズバンドをやってたとき、「あー、早く終わんないかな」って思いながらステージに立ってたんですよ。最低ですよね。いや、メンバーとは仲いいんですけどね。でも、いざソロになってステージの真ん中に立ってみたら「ライブってこんなに緊張するもんなんだ」って（笑）。「MCってこんなに難しいんだ」って初めて知ったから、前のバンドの子たちに土下座して謝りたいです。

──いい話（笑）。

だから今、バンドを組みたいんです。1人でやるの怖くて。

──いや、りんちゃんはバンド組まないほうがいいと思います（笑）。

やっぱヤバいですかねー。

──組んでも「やっぱソロがいい」って言い出すと思う。協調性のなさが原因でまたすぐ解散するはず（笑）。しばらく1人でやってみたほうがいいんじゃないかな。そこで孤独を知りながら強くなってほしい。

確かにそうですね。やめときます（笑）。

「かわいそう」って言葉でその相手が「かわいそう」になるのをわかってほしい

──そろそろ締めようと思うんですけど、せっかくなのでこの機会に、読者に対して言っておきたいことはあります？

言っておきたいこと？ うーん……「かわいそう」って言葉でその相手が「かわいそう」になるのをわかってほしいです。すぐに「かわいそう」って言う人いるじゃないですか。「大丈夫？」とか「心配！」とか言ってくる人。そう言われたせいで言われた側がかわいそうな人みたいに扱われるんですよ。前に「かわいそう」って言われて泣いたことがあるんですけど、悲しかったりうれしかったりして泣いたんじゃなくて、キレて泣いてたの。「なんでかわいそうって思われなきゃいけないんだー！」って（笑）。

──ヤバいね。絶対その場にいたくない（笑）。でも相手は絶対、よかれと思って「かわいそう」って言ってるんですよね。

そうそう、たぶんね。私もわかるんですよ。「大丈夫？」「心配だね」とか言いたくなる気持ちは。でも「大丈夫じゃない」って答えたら何か解決してくれるの？ って話になりますよね。力にもならないんだったら、そんなふうに口先だけで慰めないでえーって。

──たぶん今後、誰も「大丈夫？」って言ってこないと思います（笑）。

でも、それはそれでさみしくなります！（笑）