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- Tom-H@ck
「Coming Next Artists」第18回に登場するのは、現役女子高生による3人組バンド・DROP DOLL。もともと女優として活動していた3人は、ガールズバンド映画のメインキャストに選ばれたことをきっかけに2016年11月にバンドを結成した。楽器の経験がなかった彼女たちは、バンドを始めてから毎日のようにスタジオに集まり、がむしゃらに練習に取り組んできたという。
そんなDROP DOLLが2017年12月についにメジャーデビューシングル「未完成なDreamer」をリリース。映画の役作りのためにバンドを結成した彼女たちが、ストイックにバンド活動に取り組む理由とは? 今後の展望を含め、Tom-H@ckが話を聞いた。
取材 / Tom-H@ck 文 / 中川麻梨花 撮影 / 藤田二朗
- DROP DOLL(ドロップドール)
- U(B, Vo)、I(G, Vo)、J(Dr, Vo)の3人からなるバンド。女子高生のガールズバンドを描く映画のメインキャストに選出されたことをきっかけに、2016年11月に結成された。2017年3月にライブ活動をスタートさせ、7月に東名阪でツアー開催。11月に初のワンマンライブ「DROP DOLL 1st ANNIVERSARY ! ~spread our wings~」を東京・青山RizMで行い、結成1周年を迎えた。12月にはメジャーデビューシングル「未完成なDreamer」をリリース。2000年代生まれならではのフレッシュなパフォーマンス、そしてYouTubeやTopbuzz Videoへの個性あふれる動画投稿でも注目を浴びている。
“本物のガールズバンド”への道のり
──3人共バンドを結成する前から、女優さんとして活動されていたんですよね?
J(Dr, Vo) はい。私たちは女子高生のガールズバンドの映画のオーディションを受けて、そこで出会ったんです。映画の撮影には本物のガールズバンドとして挑みたいという気持ちがあって、3人でバンドを組んで楽器と歌を始めました。最初は「映画の役作りのために」と思ってやってたんですけど、今はみんなバンドそのものに夢中ですね。
──映画の中だけじゃなくて、実際にバンドを組んじゃおうと思ったわけですね。
J もともと3人共音楽が好きだったので、バンドをやってみたいなという思いもあったんです。そういう感じでいろんなきっかけや思いが重なって、「じゃあバンド組んでみようか」という流れになりました。
──と言うことは、お互いのことをほとんど知らない状態でバンドを組んだんですか?
I(G, Vo) はい。そうです。
──最初に会ったとき、うまくバンドをやっていけそうだと思いました?
I いや、最初はみんな全然しゃべらなくて……バンドの練習って意見を言い合うことが大事だと思うんですけど、3人共なかなか「ここを注意しよう」とか言えなかったんです。
U(B, Vo) しばらく猫かぶってたのかも(笑)。
──ははは(笑)。その後ちゃんと意見を言い合えるようになったんですか?
I 今はホントになんでも言っちゃいます。
U 「そこまで言うか」って感じです(笑)。初ライブが終わったあたりからじゃないかな?
J うん。
──ライブは人の心を通わせますからね。そういう意味では、僕はライブと銭湯って似てると思うんですよ(笑)。
一同 あー!
──一緒に銭湯に入ると、なんか心が溶け合うじゃないですか。
U 裸の付き合い!
J そういうことだ(笑)。
バンドの楽しさをどんどん知っていった1年
──10月の結成1周年ライブの映像を観させていただいたんですけど、パフォーマンスや歌のクオリティがものすごく高くて驚きました。何か特別な教育を受けてきたのかなと……。
一同 ははは(笑)。
U 受けてないです!
──最初からあんなにバキバキにできあがってたんですか?
I いや、1年前は全然できてませんでした。
J みんな楽器も歌もやったことがなかったので……毎日学校が終わったら、すぐにスタジオに集まって練習してましたね。
U ゼロの状態から始めました。
──ライブ中のあのパワフルな動きも最初からわかっていたわけではなく?
U わかんなかったです。
I 最初は演奏に必死で棒立ちでした(笑)。
──そこからどうやってパフォーマンスの仕方を身に付けていったんですか?
U どういうのがカッコいいかなってみんなで話し合って考えたり、ほかのアーティストさんの動画を観て「こういうのを取り入れたいね」って練習したり。私たちはパフォーマンスを強みにしたいなと思っているので、ステージ上で動きながらどれくらい楽器ができるかというのは意識しています。
──普通1年であそこまでレベルの高いパフォーマンスはできないですよ。「映画の役作りのために」というところから始まったわけですけど、毎日練習してここまでストイックにバンドに取り組むその熱意はどこから?
J 私はまず自分の中に「なんでもできるようになりたいな」という気持ちがあって、ドラムを始めたんです。でもやっているうちに、だんだんドラム自体が好きになってきて。3人で音を合わせてるとすごく楽しいし、どんどん没頭していってここまできました。
──皆さんものすごく努力されたと思うんですけど、かなり苦労しました?
U 苦労したという意識はあまりないかもしれない。バンドを好きになっちゃったから、もうがんばるしかないと思って1年間やってきました。
I バンドをやるのが楽しくて。もしできないことが出てきても、それが1つの目標になるんです。それをできるようになったときの達成感がうれしい。
──バンドのどういうところが楽しかったんでしょう?
J 3人でガチッと音が合ったときの気持ちよさとか。あとは結成4カ月で初めてライブをしたんですけど、そのときにお客さんが私たちの曲を口ずさんで歌ってくれる姿を目の当たりにして「幸せだな、うれしいな」と思ったんです。そういうところから、バンドに夢中になっていきました。
──音楽をすごくピュアに楽しんでいる感じが伝わってきますね。
I 私もライブ活動をしていく中で、音楽の楽しさを体で感じるようになりました。これからも3人で音楽をやっていきたいって強く思っています。
U DROP DOLLは楽器をやっていた人たちが集まってバンドを組んで……という形でできたわけではないし、普通にバンドをやっている人とはスタートが違うと思うんですよ。でも、1年間やっていくうちにバンドの楽しさをどんどん知っていって、今はもう後戻りできないなと思ってます。メジャーデビューシングルも出して、ここからが本当のスタートですね。
──「楽しい」という気持ちで前に進んできた1年間の中で、皆さんにとって一番大きかった出来事は?
J やっぱり初ライブですかね。私たちを一番変えてくれた出来事でした。
U あとは、自分たちにとって区切りの結成1周年ライブが印象に残ってます。初ワンマンだったので、やる前はどういうライブになるのか想像が付かなかったんですけど、あのライブが終わってから3人の距離がグッと近くなりましたね。「これからもこの3人でやっていこう」と強く思いました。
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バリバリロックなことをやるガールズバンド
- DROP DOLL「未完成なDreamer」
- 2017年12月13日発売 / 徳間ジャパンコミュニケーションズ
- CD収録曲
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- 未完成なDreamer
- We Go
- JUST MY WAY
- 未完成なDreamer(Instrumental)
- We Go(Instrumental)
- JUST MY WAY(Instrumental)
- 初回限定盤DVD収録内容
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- JK★ROCK(Short Story Music Video)