- パーソナリティ
- Tom-H@ck
「Coming Next Artists」第8回に登場するのは、9月にニューシングル「シグナル」をリリースしたDEVIL NO ID。沖縄で結成された彼女たちは2016年9月にVAPよりデビューし、EDMやベースミュージック、ヒップホップなどのさまざまなダンスミュージックに十代の多感な感情を描いたリリックを乗せて歌い上げてきた。今回はそんな彼女たちにTom-H@ckがインタビュー。ストイックに音楽と向き合う3人の素顔に迫った。
取材 / Tom-H@ck 文 / 中川麻梨花 撮影 / 草場雄介
- DEVIL NO ID(デビルノーアイディ)
- karin(Vo)、hana(Vo)、mion(Rap)の3人からなる沖縄出身のユニット。2016年9月にTeddyLoidのサウンドプロデュースによってシングル「EVE -革命前夜-」でデビューした彼女たちは、EDMやヒップホップなどジャンルを横断した幅広いダンスミュージックで注目を集めている。2017年6月に東京・渋谷エリアで行われたやついいちろう(エレキコミック)の主催イベント「YATSUI FESTIVAL! 2017」、8月に東京・味の素スタジアムで行われたライブイベント「SIF(しがこうげんアイドルフェスティバル)」に出演。音楽のみならず、クリエイティブチームのPOPCONEとイラストレーターのうとまるがメンバーをマンガ化するプロジェクトも進行している。
自分たちのことを理解してくれている
──今はシーンにいろんなアーティストやアイドルがいますが、DEVIL NO IDがやっているハードでストイックな音楽やダンスはなかなかないですよね。いい意味でJ-POPらしくないと思います。
karin(Vo) もともと私たちは3人共結成前からダンスをやっていたので、ビートの強い音楽を聴いていたんです。DNIの音楽性は音が強いから、自分たちの中にスッと入ってきましたね。
mion(Rap) 初めてDNIの曲を聴いたときに、自分たちに合っている曲だなと思いました。踊りやすいし、歌ってても楽しくて感情を入れやすいです。
hana(Vo) ほかのアーティストさんとはひと味違う曲調や歌詞かなって。それと、3人共得意なダンスのジャンルが違うんですけど、それが合わさってカッコよくなっているのかなと思います。
──ニューシングルの表題曲「シグナル」のアレンジとミックスはTeddyLoidさんが担当されています。実は僕、TeddyLoidさんとは仲がよくて一緒にご飯を食べに行ったりしていて。エレクトロミュージックシーンの最前線で活躍されている人ですが、皆さん実際に会ってお話しされましたか?
mion レコーディングのときにお会いしました。
karin mionはTeddyLoidさんのライブにも行ってたよね?
mion TeddyLoidさんが沖縄でライブをやるって聞いて、観に行きました。
karin 私たちのお披露目パーティで、TeddyLoidさんにDJをやってもらったこともありましたね。
──「シグナル」を聴いていると、TeddyLoidさんもかなり力を入れて作っている感じがします。僕たちプロデューサーがトラックをプロデュースするときにはアレンジや構成、メロディに「これをやったら売れるよね。間違いないよね」っていう“決まり文句”みたいなものがあるんですが、この曲はいい意味でそれが全部ぶっ壊されて生まれ変わっている状態だなと。皆さんは初めて「シグナル」を聴いたときにどう思いました?
hana 曲自体が明るくて、ライブで歌ったら絶対盛り上がるなって。個人的に歌詞に共感できる部分が多かったので、リスナーのみんなも共感してくれるような気がしました。
──トラックはやっぱりストイックでありつつ、DEVIL NO IDの作品の中では一番キャッチーでメロディが覚えやすい曲ですよね。
mion 1stシングル曲の「EVE -革命前夜-」は強い感じで、2ndシングル曲の「Sweet Escape」は静かな感じだったんですが、「シグナル」はポップで爽やかなイメージです。誰でも盛り上がれる曲かなと思いました。
──楽曲が届く前に、制作サイドに「こういうことをやりたい」って意見を出すことはありますか?
karin ほとんどないですね。制作チームは結成時からずっとDNIの音作りをしていて、私たちのことを理解したうえで曲調や歌詞を考えてくれています。
hana 全部自分たちに合ってるよね。
──DEVIL NO IDのミュージックビデオは皆さんのシルエットや蛍光ペイントなどをうまく使っていて、かなり凝っていますよね。
karin 蛍光ペイントを使って撮影したときは、どんな映りなのかなってできあがるまでワクワクしてました。
──僕も自分の会社でミュージックビデオを作っていますが、相当凝らないとここまでアーティスティックなものは作れないですよ。ダンスの振り付けは振付師さんが?
karin これまで(シングルの)表題曲は振付師さんが付けてくださっているんですけど、カップリング曲やまだ発表してない曲の中には私が振り付けを担当したものもあるんです。
mion karinはダンスの先生なんですよ。
hana 本当にすごいなって。
karin ホントに?(笑)
hana もちろん! だって振り付けを覚えるだけでも大変なのに、自分で振り付けもしていて……やることがいっぱいあって、忙しいなって思います。
子供じゃない
──今回のシングルの収録曲「まよいのもり」のダンスはものすごく独創的ですね。
hana ミュージックビデオではパジャマで踊ってます(笑)。
karin 「まよいのもり」では“ヴォーギング”っていう手の動きで魅せるダンスを取り入れているんですが、このダンスのジャンルは3人共今までやったことがなかったんです。初めて挑戦するジャンルだったんで、いっぱい練習しました。動きを自分たちのものにしていくために、どこを見せたらキレイかっていうことを3人で相談しながら考えていきましたね。この曲はイライラしている感じの曲なんですよ。
──確かにそういう気持ちを表現しているようなダンスです。
karin なんか……表に出せないモヤモヤした気持ちや言いたいけど言えないことを、サビとラップの部分では特にダイレクトに言っていますね。
──DEVIL NO IDの楽曲の歌詞は、大人たちに向けた尖った言葉が多いですよね。3人の中にも「大人たちこの野郎!」みたいな気持ちはあるんですか?
karin 「BANDANA」(1stシングル収録曲)に「子供じゃないの」っていう歌詞があるんですけど……「子供じゃないよ」って思います(笑)。
──まさにそう思ってるんですね。
mion ふふ(笑)。
──「BANDANA」もJ-POPにまったくないようなすごい曲です。「BANDANA」には「大人達に何がわかるの?」、そして「まよいのもり」にも「ほっといてよ、もう Let It Be 心は機内モード」と、なかなか尖った歌詞が出てきますよね。
karin 通信オフです(笑)。
──やっぱり共感する部分は多いですか?
hana 多いですね。
──トラックだけじゃなくて歌詞もストイックですよね。ここまでストレートに尖った感情を歌っている女の子のユニットはあまりないと思います。
mion 十代の女の子たちが特に共感できる歌詞かなと思います。
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ラップで自分の気持ちを出せる
- DEVIL NO ID「シグナル 」
- 2017年9月6日発売 / VAP
- 収録曲
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- シグナル
- まよいのもり
- シグナル -Instrumental-
- まよいのもり -Instrumental-