音源を越えないとライブでやる意味がない

──ライブでのサウンドメイクについてはどんなことを意識していますか？ 特に「Don't Let Me Down」は音源とライブではガラッと印象が変わりそうですよね。

tatsuma　そうですね。例えばEXILEの曲って打ち込みが多いけど、ライブだと生バンドが演奏していたりするじゃないですか。僕もこの曲をライブでやるときは、生ドラムで思いっきり自分の色を出そうと意識してます。CD音源のコピーじゃ意味がないと言うか、音源を越えないとライブでやる意味がないと思うので。

──確かに音源を出した時点の楽曲よりも、成長していってほしいと思うよね。

ニワケン　僕もライブでは自分の色をどんどん出していこうと意識していて。もっといろんなアプローチを増やしたいから、最近はジャズとかを聴いて勉強してます。

──ああ、Cellchromeだったらジャズのアプローチは今後必ず出てきそうですよね。相性もよさそう。ますますライブがどうなっていくのか気になりますけど、先日開催されたフリーライブでの手応えはどんな感じだったんですか？

Mizki　大きい会場でのフリーライブはこれが初めてで。ぶっちゃけちょっと……めちゃめちゃ緊張しちゃって（笑）。もちろん大成功には終わったんですけど、「もっとやれたな」って。

tatsuma　ライブ自体は楽しかったんですけど、力が入っちゃった感はあります。ライブハウスでライブすること自体ひさびさだったから、煽りがいつもより強くなっちゃったり。

──オラオラになっちゃったんだ（笑）。でもそうやっていろんな場所でいろんな経験をしながら、自分たちに必要な見せ方がわかってくると思いますよ。

まずは名古屋を盛り上げないと

──これからどんなバンドになっていきたいですか？

Mizki　もともとバンドの音楽を聴かないような人たちにも、僕たちの音楽に触れてもらいたいなと思います。だから今は入り口を広げて、どんどん人を巻き込んでいく時期なのかなって。

──4人共柔軟な対応ができる人たちだと思うから、いろんなことに挑戦できそうですよね。何か提案したら面白がってチャレンジしてくれそうと言うか。

tatsuma　それはあると思います。変にこだわりは持っていなくて、基本的になんでもやってみたい人たちなので。

ニワケン　壁を作りたくないんですよね。何事も垣根がない状態がいいなと思って。

陽介　いろんなことに挑戦して、可能性を広げていきたいです。

──目標としているような、リスペクトしてるバンドはいるんですか？

全員　SPYAIRですね。

ニワケン　名古屋のバンドシーンの先輩でもあるんですけど、SPYAIRはまさに普段バンドを聴かない人も巻き込んでいったイメージがあって。

tatsuma　それこそインディーズ時代はゴリゴリのミクスチャーロックをやっていた人たちなので、自分たちと重なる部分もあるのかなって。僕らもまずは地元の名古屋から盛り上げていきたいですね。

陽介　酸いも甘いも経験してきた土地でもあるし、まずは地元を盛り上げないと。名古屋のお客さんってシャイと言うか、ちょっと一歩引いて観てる人が多いんです。そんなお客さんを全員振り向かせてから全国に行きたいよね。

tatsuma　うん。まずは名古屋を盛り上げないと出てこれないっしょ、俺たち。

Mizki　本当にそうだと思う。

「あのアー写」の真相

──ところで僕、前作のときのアー写がすごい気になって。あれ、どういう意図でこうなったの？

Mizki　ああ（笑）。これは主題歌を担当したテレビアニメ「コンビニカレシ」のキャラのポーズを真似してて……。

──なるほどね！ 納得。それ、積極的に言っていったほうがいいよ（笑）。

tatsuma　そのポーズをオマージュして撮り始めたんですけど、最終的には全然違う感じに仕上がりました（笑）。僕なんか、「パンチがないからジャンプしてみようか」みたいな感じで。結果50回くらい跳ばされたよね。

陽介　マリオのAボタン連打みたいなね。終わったときには汗だくだった（笑）。

──あはは（笑）。だってこのアー写、見たことないですよ。普通に絵になる人たちなのに。

全員　あははは（笑）。

──で、やっぱりこのイメージが付いていきますから。「ニワケンさん、今日眼鏡は？」みたいなことになるわけで。

ニワケン　あの、眼鏡1回も掛けたことないんです。これまで。この日限りの眼鏡（笑）。

──あははは！（笑） なるほど、このアー写の裏側にはそんなエピソードがあったと。最後にいい話が聞けました。

Mizki　僕らも忘れてました。話してみると意外と面白いですね（笑）。