「Coming Next Artists」第31回にはアイドルグループ・ベボガ！が登場。2014年に結成され、事務所の移籍や改名などを経て活動を続けてきた彼女たちは、4月11日発売のシングル「Ｂｅ！」でメジャーデビューを果たした。今回のインタビューではピエール中野（凛として時雨）がインタビュアーを担当。ヒャダインこと前山田健一が作詞作曲したシングルの表題曲「Ｂｅ！」に対するメンバーの思いや、でんぱ組.incと兼任して活動しているぺろりん先生こと鹿目凛の現在の心境などを聞いた。

取材 / ピエール中野　文 / 近藤隼人　撮影 / 上山陽介

どんな下手な子でも成長できる

──ぺろりん先生（鹿目凛）、去年の「COUNTDOWN JAPAN」で根本凪（虹のコンキスタドール、でんぱ組.inc）さんと一緒にいませんでした？

鹿目凛　はい！ 「CDJ」にはでんぱ組.incとして出させていただきました。

──お二人を見かけて、前に虹コンさんにインタビューさせていただいたので（参照：「Coming Next Artists」第7回 虹のコンキスタドール）根本さんはすぐにわかったんですけど、ぺろりん先生はマスクをしていたし本人かどうか確信が持てなかったんです。

鹿目　そうだったんですね。

──そのときにご挨拶できなかったので、今回がはじめましてですね。僕はこれまでベボガ！の曲を聴いたことがなかったんですけど、今回メジャーデビュー曲の「Ｂｅ！」を聴いてびっくりしました。

水沢心愛　出だしの私の下手な歌のことですよね？（笑）

──あれはどういう狙いなのか、ぜひメンバーの言葉で聞かせてください。

水沢　「下手でも歌を歌いたい」というがむしゃらな気持ちを表現した曲なので、歌が下手な私が冒頭のパートに抜擢されたのだと思います（笑）。

鹿目　この曲では、冒頭のパートと同じ歌詞とメロディが落ちサビ前のDメロにもあるんです。最初は下手だった歌がDメロではうまくなっていて、どんな下手な子でも成長できるという意味が込められた曲なんです。

水沢　冒頭のパートも実際に使用されてるものよりもうまく歌えたテイクがあったんですけど、Dメロとの差を出すために下手なテイクが選ばれたんだと思います。

私たちにしか歌えない曲

──レコーディングで冒頭のパートを歌ってみて、どうでしたか？

水沢　すっごい緊張しました！ 私がこのパートを歌っていていいのかなと思ったし、これまで今回のような長いパートを歌ったことがなかったので未知の世界で、「大丈夫かな。ファンが離れていかないかな」と不安でした。メジャーデビューシングルということで今までよりたくさんの方が曲を聴いてくれると思うのに、出だしがこれだとすぐに聴くのを止めちゃうんじゃないかなって。ベボガ！の印象が私の歌で決まっちゃうかもしれないし、責任重大じゃないですか。

──ライブではアカペラで歌っているんですよね。

水沢　はい。音源では歌のバックにギターの音が入っているんですけど、ライブではアカペラで披露していて。「Ｂｅ！」を初披露するライブの前日にアカペラで歌うことを知らされて、どうしようと思いました。静まり返っている中で歌って、泣きそうでした（笑）。

──そのあと、だんだんとうまく歌えるようになったんですか？

水沢　もう1カ月くらいライブで歌っているので、最初の頃よりは上達していると思います。ファンの方も「うまくなったね」と言ってくださいます。

葉月梨花　最近は自信を持って大きな声で歌えるようになったよね。

鹿目　最初は自信がなかったのか声のボリュームが小さくて。私もうまく歌えなくて悩んでいた時期があったからその気持ちがわかるんです。でもそれを乗り越えて歌えるようになったし、ここたんもこの曲でレベルアップできるんじゃないかなと思います。

──うまく歌えないことへの悩みってやっぱりあるんですね。アイドルって見ている人にそういう部分を感じさせないじゃないですか。

鹿目　「純情NAMIDAカタルシス」という曲にロングトーンで歌う部分があるんですけど、私はロングトーンが苦手だったので苦労しました。

──そういった経験があるからこそ、「Ｂｅ！」はメンバーにとって大切な曲になっているんじゃないですか？

葉月　そうですね。すごくベボガ！らしい曲だと思います。最初に歌詞を見たときはびっくりしたんですよ。「歌上手くなきゃ 夢見ちゃダメなの？ 容姿端麗に生まれなきゃ 夢見ちゃダメなの？」って堂々と歌っていいのかなって。でも、私たちにしか歌えない曲なんだと思います。

鹿目　私は最初、歌詞を見たときにショックを受けました。「歌が下手で容姿端麗じゃないって思われてたんだ！」って（笑）。ベボガ！はもともと歌やダンスの経験がほとんどないメンバーで結成されたグループで、初期はレッスンもなくてライブをひたすらに積み重ねていたんです。

葉月　ファンの方もそのことを知ってくれているので、この曲を受け入れてくれていると思います。