- パーソナリティ
- 菅野結以
原点回帰とチャレンジの詰まった音作り
──是永くんはアルバム制作を振り返ってみていかがですか?
是永 ベースらしいベースが弾けたと思います。
──すごい原点回帰。確かに、これまでの楽曲ではベースだと思えないような音色を出していますよね。
是永 そうなんですよ。ちゃんとベースがうまくなりたいと思って、去年すごい練習したんです。その中で、やっぱりもうちょっとベースらしいベースも弾きたいなって。今回のアルバムではベースっぽい音をたくさん出せたし、フレーズを決め込まずに自由に弾いたりもしたので楽しかったです。
福永 亮ちゃんの言い方だと下手くそだから練習したみたいに聞こえるけど、彼はもともとめちゃくちゃうまいですよ(笑)。だけど、さらに練習したっていう感じ。
是永 「You & I」とか、たぶん去年の自分じゃ弾けなかった。練習を重ねてやっと弾けるようになってきました。
福永 康介さんも、ギターがギターらしくなったよね。でも、シンセはもっと自由になった。
山崎 そうだね、わりと素直になったのかな。
──素直になった?
福永 隠していたものを出した、みたいな感じですかね。これまでは時代と合わないんじゃないかと思って、ギターの泣きのフレーズを曲に入れることはなかったんです。でも僕はこれからそういうフレーズが来るんじゃないかなと思ってて、泣きのフレーズを解禁しました。あと、康介さんはシンセを最近より使いこなせるようになってきていて。「Reason of Black Color」のシンセ音は歪ませていて、めちゃくちゃな感じでカッコいいんですよ。
──実音穂ちゃんはレコーディングを振り返ってみてどうですか?
大澤 これまで以上に挑戦できましたね。
福永 うん。実音穂さんもこのバンドを組んでから、生ドラムだけじゃなくいろんな音をアサインしたサンプリングパッドを叩くとか、普通のドラマーではありえないプレイをやってもらってて。しかも今回は、トラップっぽい3連符のトラックはサンプリングパッドで叩いてるんです。普通は手で叩くドラマーはあんまりいないよなあと。
自分たちの色をより濃く表現できた“黒色”のアルバム
──「Reason of Black Color」は新たな試みが入ったアルバムなんですね。すごく贅沢で濃い14曲という感じがします。
福永 そうですね。アルバム全体のボリュームも、14曲で50分なのでそんなに重くないと思います。これまでは、僕らの中でリード曲と思えるまで1曲1曲を作り込んでいたんですけど、今回はワンコーラスで終わる曲が入っていたりと、デモの構成のまま完成させたものもあって。そういう曲が入ることによって、すごく聴きやすくて好きなアルバムになりました。
──「Reason of Black Color」は直訳すると「黒色の理由」。どんな意味を込めたタイトルなんですか?
福永 自分たちの中にあったいろんな色を、より濃く表現できたアルバムだと思っていて。いろんな色の絵の具を混ぜたら黒色になるので、「Reason of Black Color」というタイトルにしました。あと僕らはけっこう私服でも黒が多くて、よく黒がイメージカラーと言われることもあるので、それを逆手にとってコンセプチュアルに見せられたらなあと。
──アルバムのジャケットは白黒のマーブル模様ですね。
福永 「Reason of Black Color」というタイトルのコンセプトをアートディレクターの方に伝えて作ってもらいました。僕らのアーティスト写真をぐちゃぐちゃに混ぜたものなんです。
──へえ! もう原型がわからない。アーティスト写真やジャケット写真はもちろん、ミュージックビデオにも毎回こだわってる印象がありますけど、今回はどんな作品になってますか?
福永 今回は「MARCH」と「Reason of Black Color」のMVを作っていて。「MARCH」は絶対学園モノだなあと思って、島田大介さんにテーマを渡して作ってもらいました。めちゃめちゃいい感じの学園モノになってます。
──雨のパレードが学園モノって、想像つかない!(※取材はMV公開前に実施)
福永 僕らは一切出てなくて、役者の方にお任せしました。
山崎 あれいいよなあ。
大澤 甘酸っぱいよねえ。
──甘酸っぱいんだ!
福永 甘酸っぱいのがいいなと思って。これまでだったら「学園モノのMVにしたい」っていう発想は出なかったと思うんですけど、今はいろいろ力が抜けてきてて。その曲が一番生きる状態にしてほしいなっていう思いがあるんです。
力み過ぎず、きちんと100%で力を出せてる
──音楽の面でも映像の面でも、人に委ねられたりとか抜く部分ができたりとか、いい意味で力が抜けてきたんですね。
福永 今までは100%に対して120%の力を出そうとして、結果80%しか力が出せない、みたいなこともあって。それが今は力み過ぎず、きちんと100%を出せてるみたいな感覚です。ベストな状態で制作に取り組めてますね。
──アルバムができあがって、雨のパレードがこの先目指すところを教えてください。
福永 ホントに常々言ってるんですけど、時代を変えたいです。毎回納得いく作品が出せてるんですけど、「これもう来たでしょ!」っていう作品が今年もできましたんで(笑)。
一同 (笑)。
福永 どんどんクオリティが上がってますんで、ホントに世間の10人中10人に僕たちの音楽を知ってほしいですね!(笑)
大澤 ホントに最高の作品ができたと思っているので、月並みな言葉ですけど売れたいしもっと大きくなりたいと思います。
山崎 今の雨のパレードができることをすべて詰め込んだアルバムなので、初めて僕らの楽曲を聴く人も雨のパレードを知ってる人もびっくりすると思います。これが今の僕らの1番カッコいい形だと自信をもって言える作品なので、みんなもぜひ雨のパレードについてきてほしいなと思っております。
是永 あとはやっぱり、生でライブで体感してほしいなと。ぜひライブにも足を運んでいただけたらと思う次第でございます。
──クールなイメージのあるバンドだけど、実はすごくライブで熱を感じられますからね。私もぜひライブに行ってほしいと思います!
- 雨のパレード「Reason of Black Color」
- 2018年3月14日発売 / SPEEDSTAR RECORDS
- CD収録曲
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- Reason of Black Color
- Dive
- Horizon
- GOLD
- Shoes
- ice
- (soda)
- Hometown feat. Tabuzombie (from SOIL & "PIMP" SESSIONS)
- You & I
- What's your name? (plus strings ver.)
- H.Apartment
- Hwyl
- #556b2f
- MARCH
- 初回限定盤DVD収録内容
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Live at TOKYO-SHINKIBA STUDIO COAST 2017.9.24
- new place
- 1969
- encore
- Focus
- Shoes
- Thunderbird
- Voice
- 寝顔
- Take my hand
- You
- morning
- Hey Boy,
- Change your mind
- Count me out
- tage
- Tokyo
- Petrichor
- ライブ情報ame_no_parade Oneman Tour 2018 "COLORS"
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- 2018年3月31日(土)宮城県 Rensa
- 2018年4月1日(日)新潟県 NEXS Niigata
- 2018年4月6日(金)香川県 高松MONSTER
- 2018年4月8日(日)福岡県 BEAT STATION
- 2018年4月12日(木)北海道 cube garden
- 2018年4月15日(日)広島県 広島セカンド・クラッチ
- 2018年4月17日(火)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
- 2018年4月18日(水)大阪府 なんばHatch
- 2018年4月21日(土)東京都 日比谷野外大音楽堂
- 雨のパレード(アメノパレード)
- 2013年に結成された福永浩平(Vo)、山崎康介(G, Syn)、是永亮祐(B)、大澤実音穂(Dr)からなるバンド。ポストダブステップ、80'sポップ、インディR&B、エレクトロハウス、アンビエント、トラップなどを取り入れた音楽性が持ち味で、アナログシンセサイザーやサンプラー、ドラムマシンなどによるバンド形態にこだわらないサウンドメイクで注目を集める。2016年3月に1stフルアルバム「New generation」でSPEEDSTAR RECORDSよりメジャーデビュー。2017年8月にはテレビ東京系ドラマ「下北沢ダイハード」のエンディングテーマを表題曲とした3rdシングル「Shoes」を発売した。9月から行われたワンマンツアーは、東京・新木場STUDIO COAST公演を含む全公演がチケットソールドアウトとなった。2018年3月にはメジャー3枚目となるオリジナルアルバム「Reason of Black Color」をリリースし、ワンマンツアーを開催。ツアーの東京公演は日比谷野外大音楽堂で行われる。
- 菅野結以(カンノユイ)
- 雑誌「LARME」「with」などで活躍するファッションモデル。10代の頃から「Popteen」「PopSister」の専属モデルを務め、カリスマモデルと称される。2010年8月に初の著書「(C)かんの」を出版し、その後最新スタイルブック「yuitopia」まで6冊の書籍を発売。アパレルブランド「Crayme,」、コスメブランド「baby+A」のプロデュースおよびディレクションを行っているほか、TOKYO FM「RADIO DRAGON -NEXT- 」、@FM「LiveFans」では豊富な音楽知識を生かしてパーソナリティを担当している。TwitterやInstagramなどSNSの総フォロワー数は約100万人におよぶ。2017年11月に初の写真集「Halation」を刊行した。