「ハローマイライフ」で発見したこと

字引　それにしても「ハローマイライフ」でボーカルをやってほしいっていうオファーが来たのはびっくりした。突然だったし。

石橋　去年の12月だよね？ でも「Circle h」のテーマソングとして歌モノを作ろうって話になったときには、僕の中でもうボーカル候補が字引くん一択になってたんだよ。音域もわかっていたからメロディはすべて字引くんに向けて当て書きで書いてました。

字引　確かに「なんだろうこの歌いやすさ、自分のことをめちゃくちゃ知ってくれてる気がする」って思った（笑）。

──インストバンドのtoconomaにとって初めてのボーカル曲、しかもボーカルはバンド外の人間で、というのは新しい試みだったのでは？

石橋　はい。普段の「4人の楽器で音を重ねていく」っていう考え方の作曲とは違っていて、単純にすごく面白かったですね。ボーカルが入る隙間を作ったり、いつもなら4人でレコーディングして終わるはずのところへ歌が入って楽曲の強度がもう一段階上がったり。仮歌が入ったときは興奮してtoconomaのメンバー同士で思わず顔を見合わせました。

歌を入れることに専念できた

──字引さんはいかがでしたか？ fulaのときと今回の客演で違いを感じましたか？

字引　自分のバンドでギターボーカルをやるのとは違って、レコーディングでは作ってもらったものに歌を入れることに専念できました。それに明確な指標を提示してくれたことで肩の力を入れずに楽しくできて。自分がどんな気持ちを込めて、どんな歌い方にすればいいのかもわかりましたね。

──歌詞は「外へ出て何かを見つける」というコンセプトに基づいた内容になっています。そこで出会ったものが人生を豊かにしてくれるというテーマが、親と子それぞれの目線で書かれた内容になっているそうですね。字引さんはこの歌詞を歌う際に何を思い浮かべましたか？

字引　僕はまだ結婚してないし子供もいないんですけど、fulaには子供がいるメンバーもいて。同じバンドメンバーとしてそれがどれだけ大変なのかを理解しようとはしていますし、自分の仲間たちが家族に対してどんな感情を抱いているのかっていうのも想像しながら歌詞をリンクさせて歌ってたので、すんなり入り込めた気がします。

哲学がないといけない

──それにしても“WEBサイトの主題歌”があるって不思議ですね。

石橋　企画した立場から言うと、サイトには哲学がないといけないと思っていて。なんとなくでも「このサイトで買い物したいな」って思ってもらえるようなものを表現したいって考えたんです。サイト自体に主題歌があるっていうのは不思議かもしれませんが、ちゃんと歌にして伝えたいものがサイトに込められているっていうことがこのWEBモールの面白いところだと思っています。

字引　自分たちの歌が流れるところで買い物するっていいね。というか僕は釣りもするから、サイトの「フィッシング」のカテゴリーは気になるなあ。

石橋　「管理釣り場で初めてのトラウト釣り」って特集がありますね。

字引　そうそう。

──サイトには訪問者の意見を書き込める「声のアトリエ」というコンテンツもありますね。

石橋　何か欲しいもの言っておけば後々ラインナップされるんじゃない？

字引　なるほど。今かなり欲しいものとしては、シマノのアルテグラのスピニングリールですかね（笑）。