「歌がうまい男の子」をずっと探していた
──まずはオーディションの開催に至った経緯を教えていただけますか?
「歌がうまい男の子」は、ずっと探していたんです。内々にオーディションとかもやっていたんですけど、男の子のボーカルに限ってのオーディションは今までにしたことがなかったし「ちょっと1回やってみようか」と。
──もともと男性ボーカリストを探していたというのはどういった理由で?
うちの事務所に所属する子って、スカウトで入ることが多いんですよ。そうした子が歌もうまければいいんだけど、なかなかそうもいかないということがあって。もちろん超特急のメンバーのように歌やダンスができる子も中にはいるんだけど、それは特殊な例なんです。スカウトってだいたい外見から入るから、歌える子がずっと不足しがちだったんです。僕らは6年ほど前からボーイズグループを初めたけれど、当初から「歌える人がなかなかいないよね」という悩みみたいなものはずっとあったから「いつの日かLDHさんのようなオーディションをしてみたい」っていう話は常に出ていました。で、今回大々的にやってみようと。それが今回のオーディションの趣旨ですね。
──ちなみにスカウトで事務所に所属したメンバーからボーカルの才能を見出すのは、どんな方法で?
基本全員に歌ってもらいます。その中から可能性を探しますね。歌ってもらって、調子がよさそうならボイトレを強化して、徐々に……って感じです。だからなかなかに時間がかかるんです。
──今回のオーディションはその流れをショートカットする、じゃないですけど。
そうですね。もともと歌を歌いたい人たちっていうのが世の中にはいるわけじゃないですか。そこを今まで僕らは探しに行っていなかったから「歌が歌いたい」と思っている子に直接募集をかけて、来てもらえたらいいなという思いです。
──また募集が今のタイミングになったというのは、EBiDAN全体の知名度が世間に広がっていっているという主催者側の実感もあったりするのでしょうか。
うん、そうですね。また新しいグループを作ろうともしているんですよ。で、変な話うちのグループって、本格派とはまた少し違うじゃないですか。例えばLDHさんのグループに比べたら、ダンスも歌も可愛げがあると言うか。だからそういう、歌が好きだけどゴリゴリしてない感じの人がいればいいなあと……難しいですけどね(笑)。
ソロでデビューしてもらってもいい
──SDR、スターダスト音楽出版に所属してボーカルとして活動している皆さんは、普段はどんなふうに自分の歌声を磨いているんですか?
一生懸命ボイトレをやらせていますね。レッスンにお金を取る会社もあるけれど、うちは無償です。歌で行くと決まったら……あ、決まってない子もか。全員演技のレッスンとボイトレはやるから、そこでうまくなる子もいるし、そうではない子もいるしって感じです。レッスンの体制は、ちゃんとしていると思います。
──今回オーディションで合格した方は、どういったステップを踏むことになるのでしょうか?
まずレッスンを受けてもらってね。即戦力だったらそのままグループに入ってもらってもいいと思いますし、練習してからでもいいと思うし。すごく才能のある方だったら、ソロでデビューしてもらってもいいと思っているくらいなので。
──可能性は定めていない。
そうですね。審査についても、いろいろなことを考えています。例えば今「BATTLE BOYS」というプロジェクトをやっているんですけど(参照:LOVEボタンでメンバーを応援、EBiDAN研究生の「BATTLE BOYSプロジェクト」)、それの評判がいいから、僕らではなくユーザーの皆さんにグランプリを選んでもらうといったような展開も考えているんです。
──審査の流れはどのような感じになるのでしょうか。
2月末で1次の募集を一旦締めさせてもらって、その後にユーザーさんの投票企画を立ち上げようと思っています。顔を見られて声も聴けるっていう内容のものをサイトに上げて、「いいね」で投票できるような。そういうことを2、3カ月やっていこうかなと。最終的な審査も、ユーザーさんの投票で決められたらいいなと思っているんですよ。
声で魅了できる人を探したい
──では審査が始まったとして、主催者側の皆さんは応募者のどんなところを見ていくのでしょうか? どんな方を求めていくのかを聞かせてもらえれば。
まだ明確には決まっていないんですけど、例えばどこかのグループに入ってもらっても遜色ないような人がいいかな。
──ハードルが高いですね(笑)。
あ、そうかな? まあそれは希望だけど(笑)、歌がちゃんと歌えて……変な話、歌がそこまでじゃなくても声がよかったら何よりだと思うので、声で人々を魅了できるような人を探したいですね。
──スカウトは外見をまず見るというお話もありましたが、今回のオーディションに関して外見の部分はどうですか?
見た目はね、今回はそこまで重視しないです。
──本当に、第一に歌声だと。
そうですね。声の質。歌のうまさっていうのはあとから付いて来るような気もするので、もともと持っていて変えることのできない声の質っていうのを大事に、真剣に探したいなと思っています。あと日本だけでなく、中国や台湾、欧米の方にもぜひ来てもらいたいなと思っています。海外にも広告を出そうと思っていますし、もちろん日本に住んでる外国の方でも。
──他薦での募集も受け付けていらっしゃいますが、推薦者にはどのような人を推薦してほしいですか?
さっきと一緒で、まず「この人の声は素敵だな」という人がいれば、推薦してほしいですね。顔や歌のうまさは置いておいてね。
──では応募を考えている方に、メッセージをお願いします。
「エンタテインメントの分野で活躍したいな」とか「人前で歌ってみたいな」と思っている方は、残らず応募してもらえたらありがたいです。どうぞよろしくお願いします。
──最後に宮井さんから読者の方へ、伝えたいことはありますか?
最終的には、応援してくださる皆さんに決めてもらえたらという思いがあります。こっちが決めるんじゃなくってね。「事務所の一存で」みたいなことは、うちはできないですよ。そこは、みんなが納得できる方法を取るつもりです。
- 宮井晶(ミヤイアキラ)
- 音楽ディレクター、プロデューサー。スターダスト音楽出版に所属し、スターダスト・レコーズの取締役も務める。過去にソニー・ミュージックエンタテインメント、株式会社FENOMENO、MF247に所属。これまでに、セリーヌ・ディオン、Jamiroquai、テレンス・トレント・ダービー、LTJブケム、4hero、鈴木亜美、TM NETWORK、TRUE KiSS DESTiNATiON、bird、中島美嘉、SUIKEN、MAKOTO、ももいろクローバーZ、私立恵比寿中学、超特急などの音楽制作を担当した。