自分の音楽の可能性を広げるために
──カップリング曲「SURVIVOR」は一転、Arte Refactの山本恭平さんが手がけたアグレッシブなロックチューンですね。
前作の「PORTRAiT」には“ザ・ロック”と言える楽曲が入らなかったので、今後のライブを考えたときにここでロック曲をやっておくべきだなと。私はLiSAさんの「ROCK-mode」のようにイントロを聴いただけでうわーっとテンションが上がる曲が大好きなので、この曲もイントロからインパクトのあるめちゃくちゃカッコいい仕上がりにしていただきました。
──歌詞に関しても何かオーダーはしたんですか?
今回はシングル1枚として「夜桜さんちの大作戦」に寄り添えたらなという気持ちがあって。「fam!」では「夜桜さん」という作品が持つ温かさを歌うことができたので、カップリングの「SURVIVOR」では物語の重要な要素である“スパイ”という部分にフォーカスしたかったんです。“スパイ生活を生き抜く”というテーマで歌詞をお願いさせていただきました。
──なるほど。それを踏まえて聴くと、確かに「夜桜さん」の世界観にリンクしていますね。同時に、ここで歌われていることは僕らの生活に当てはまるものでもあって。
そうです、そうです。もちろん作品に寄り添いつつ、私にとっての歌手人生や、聴いてくれる皆さんの人生にも重なる部分があると思っていて。日々戦っている人たちに共感してもらえるような内容にもなっています。この曲を聴いて気持ちを鼓舞してもらえたらうれしいですね。
──この曲のボーカルは、サウンドに負けない力強さに満ちあふれている印象です。
「エース」(2023年11月にCHiCO初のCD作品としてリリースされたロックチューン)とはまた違った体力のいるボーカルレコーディングでしたね。常に叫び、吠えるような歌い方をしているので。細かい部分でニュアンスをガッと入れた部分もあるし、かなり疲れました(笑)。
──2コーラス目の「Rock you!」のフレーズは思い切り巻き舌で歌われていたり。
思いきり巻きました(笑)。全編、力強く歌うことで出る味があると思ったので、今回はかなりオーバーめにやりましたね。2番の頭にはラップもありますし。
──あそこは大きな聴きどころですよね。CHiCOさんは普段、ラップを聴いたりすることもあるんですか?
私はあんまり冒険をしないので、お気に入りの曲をずっとリピートしてるタイプなんです。でも、もっと視野を広げるべきだなと思い、「ヒプノシスマイク」が流行ったくらいのタイミングでラップも聴くようになりました。とは言え、そこまでディープに聴いているわけではないので、今回のラップパートは自分なりの感覚でノリ切った感じです。照れくささが出てしまわないように、思いきりやりました。めちゃくちゃ難しかったですけどね(笑)。
──ライブで早く見たいですよね。ラッパーCHiCOの姿を。
あははは。ある意味、ラップパートは自由に遊べる部分だとも思うので、ライブでは音源とはまた違った表情を見てもらってもいいのかなとは思います。もっと言うと、この曲はいつかギターを弾きながら歌ってみたいなと思っていて。
──おー! いいじゃないですか。最近、ギターの練習もされているんですよね。
今練習してるのはアコギですけど、いつかはエレキも弾けるようになりたいんです。自分のエレキギターのメンテナンスが終わったら、ツアーでお世話になってるギタリストのOmmy(城石真臣)さんにレッスンしてもらおうと思います。
──CHiCOさんが弾くギターで「SURVIVOR」が始まったらめちゃくちゃテンション上がると思いますけど。
えー! そこはまだOmmyさんに弾いてもらったほうがいいかな(笑)。いつかはやってみたいですけどね。今年は「楽器にたくさん触れる」という目標を掲げたので、その成果を皆さんに見ていただけるようにがんばります。楽器が弾けるようになることで、自分の音楽の可能性や自由度がもっと広がっていったらいいですよね。
──「fam!」同様、「SURVIVOR」にもオーディエンスが参加できるパートが設けられていますね。そういった部分でもライブが楽しみになります。
そうですね。ラップ部分の最後に出てくる「Boo!」をみんなに言ってもらってもいいですし。みんながぶっ飛んでハイになる瞬間が見たいです!
チコハニとして手に入れた装備を持ったうえでのニューゲーム
──今夏にはソロとして初となる全6公演の全国ツアー「LAWSON presents CHiCO 1st Zepp tour 2024 “CONTiNUE”」がスタートします。CHiCOさんのギタープレイが実現するのかしないのかも含め、どんなライブになるか期待が高まります。
ツアー初日の8月6日がアーティスト活動の10周年記念日なので、その日はちょっと特別感が出るのかもなと思いつつ、大きな節目への思いを噛みしめながら最後まで駆け抜けたいですね。
──ツアータイトルに掲げられた「CONTiNUE」にはどんな意味を込めたんですか?
私がここまでアーティストとして歩んでこられたのは、HoneyWorksやソロライブでのバンドメンバー、スタッフさん、そしてたくさんのファンの方たちとの出会いがあってこそ。そんな活動の中で新しい仲間がどんどん増えていくさまが、どこかRPGみたいだなって思ったんです。ソロとしての活動はまだ始まったばかりだけど、それは決してゼロからのスタートではなく、チコハニとして手に入れたいろんな装備を持ったうえでのニューゲームでもあるわけで。そういう意味ではCHiCOとしての活動は途切れることなくずっと続いてきたし、そのアーティスト人生はこれからもまだまだ続いていく。そんな意味を込めて初めてのツアータイトルに「CONTiNUE」という言葉を選びました。グッズもかわいいものを作ってもらっていますし、絶対にいいツアーになることは間違いないので、ぜひ楽しみにしていてください!
大塚 愛「fam!」コメント
日曜日の夕方、家族みんなでご飯を食べている空気感を大切にしました。
優しくあったかいトーンでありながら、ノリの良いテンポ感とレスポンスを取り入れることで、より、みんなで歌える楽曲に仕上げました。
CHiCO ツアー情報
LAWSON presents CHiCO 1st Zepp tour 2024 “CONTiNUE”
- 2024年8月6日(火)Zepp DiverCity(TOKYO)
- 2024年8月12日(月・振休)Zepp Sapporo
- 2024年8月17日(土)Zepp Fukuoka
- 2024年8月18日(日)Zepp Namba(OSAKA)
- 2024年8月31日(土)Zepp Nagoya
- 2024年9月16日(月・祝)KT Zepp Yokohama
プロフィール
CHiCO(チコ)
クリエイターチームHoneyWorksとのコラボユニットCHiCO with HoneyWorksとして、2014年にシングル「世界は恋に落ちている」でデビュー。テレビアニメ「アオハライド」「まじっく快斗1412」「銀魂」シリーズ、「ハイキュー!! TO THE TOP」「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」「理系が恋に落ちたので証明してみた。r=1-sinθ」「彼女、お借りします」といった数々の人気アニメの主題歌を担当し、人気を博す。2023年4月に行ったツアーの最終公演をもって、CHiCO with HoneyWorksとしての活動を一時休止。7月にソロアーティストとして初めての楽曲「光のありか」、8月に第2弾楽曲「TRUE BLUE SKY」を発表した。11月にソロ作品としては初のCDシングル「エース」、2024年2月に初のEP「PORTRAiT」をリリース。同月に大阪と神奈川でソロとしては初のワンマンライブを開催した。5月に2ndシングル「fam!」をリリースし、8月からライブツアー「LAWSON presents CHiCO 1st Zepp tour 2024 “CONTiNUE”」を行う。