ナタリー PowerPush - チャラン・ポ・ランタン
こういうわけでエイベックス契約&たらふくシングル
「チャラン・ポ・ランタン、今さらメジャーデビュー! しかもエイベックスから!」。そんな衝撃のニュースとともに始まったカンカンバルカンとの全国ツアーも終わり、いよいよ“1stたらふくシングル”「忘れかけてた物語」を7月9日にリリースするチャラン・ポ・ランタン。今回のインタビューでは、ツアーのこと、メジャーデビューのこと、そして色の異なる4曲を収録したシングルのことをタップリ話してもらった。
取材・文 / 内本順一 撮影 / 広川智基
カンカンバルカンのことが今さらいろいろわかった
──まずはツアー(「チャラン・ポ・ランタンと愉快なカンカンバルカン“五月病の特効薬ツアー2014”」)を振り返っておきましょうか。大盛況のうちに終わりましたが、かなりやりきった感があるんじゃないですか?
小春(Accordion) そうだね。今やれることはやりきった感じがあったかなあ。
もも(Vo) はい。今までより場所も増えたので。まあ今までっていっても、ツアー自体そんなにやってきてないんですけど。バンドメンバーとこんなに長時間一緒にいたのも初めてのことで。
小春 だからみんなのことが今さらいろいろわかったってところもあって。カンカンバルカンを結成して4年経つんだけどね。
もも 4年間も一緒にやってきたとはいえ、今までは打ち上げもやらなかったバンドだったので。一緒に行動もしてなかったですからね。「じゃあ何時にどこどこ集合で」って感じで、それぞれバラバラに行動してたんですけど、今回はみんなで一緒に動いてましたから。すごい楽しかった。打ち上げもやって、打ち上げ終わったあとも部屋飲みとか言って全員そろったり。今まではそんなのあり得なかったので。
──小春さんが一番あり得なかったでしょ。なるべく1人でいたい人ですもんね。
小春 うん。
もも 楽しんでたよね、小春。
小春 っていうかね、前は打ち上げって参加しなくてもいい場所なのかと思ってたんだけど、ツアーをやるとなるとそれもライブのうちに含まれてるんだってことがわかったというか。そこで盛り上げておかないと周りが心配するかなと思って。だからステージのテンションを維持したまま打ち上げも出てた。もともとはライブが終わったら何もしゃべらないで帰るタイプなんだけど。
もも そういう意味では、小春が本当にいいリーダーになったなって思いましたよ。ちゃんと気を遣ってるというか、いろいろ考えてるんだなーって。
小春 そこまでがライブだっていう考え方をするようにしてたからね。意識の中でライブを延長したの。で、朝までカンカンバルカンのメンバーの悩みとかまで聞いたりして。すげー眠かった。
もも 「すげー眠かった」は言わなくていいんだけど(笑)。
小春 昔だったら「こいつあんまりいいプレイしてないな」とか思ったら、秒速でクビにしてたからね。でも今回はこのメンバーで最終日までやりきらないとっていうのがちゃんとあったから。この人たちと一緒に成功させるにはって考えて、普通に「これこれこうしたほうがいいと思うんだ」って個人個人に直接メールしてみたりとか。ストレス溜まってる部分もあるんだろうなって感じたメンバーとは朝までホテルで話してみたりとかね。
──立派にリーダーしてるじゃないですか。
小春 でもそれ、普段の小春だったら100%やらないから。だから“チャラン・ポ・ランタンと愉快なカンカンバルカン”を朝まで延長しましたって感じ。このくらいの期間のツアーならそういうのもやったほうがいいんだろうなと思ってやってみた。で、思ったんだけど、チャラン・ポ・ランタン、バンドじゃなくてよかったなって。バンドの人たちって、ずっとこれやってんの? それって大変だなあって思って。
もも ずっとバンドだと大変だよね。
小春 ときどきこういうツアーをカンカンバルカンで回るっていうのは自分も刺激になるし、他人との交流ってことでいいと思うんだけど、ずっとはできないよね。
──だからカンカンバルカンでやったら、今度は2人だけでやったり、ふーちん(Dr)と3人でやったり、崩壊バンド(さくらん[B]、とんちゃん[S.Sax]、舞子たん[Violin]、ふーちん[Dr]による4人編成バンド)とやったりっていうふうに、編成を変えながら続けていくやり方が合ってるんでしょうね。いろんな形態を設けておいてよかったよね。
小春 そうだねー。それはでも、なんとなくの流れでそうなっただけなんだけど。確かにいろんな形があってよかったなとは思う。
ウチらとしては「へえー、モノ好きだねー」
──では、この話はこれくらいにして。「メジャーデビュー、どうですか?」って話をしましょうか。そもそも2人はメジャーとかインディーとか、こだわってなかったんでしょ?
小春 うん。違いもよく知らなくてね。何回か説明してもらったけど、あと何回かは聞くと思うよ。
──エイベックスって聞いてどう思ったんですか?
もも エイベックスって名前は聞いたことあって……って当たり前ですけど。で、やっぱり名前のイメージから、なんかイケイケの人たちから声かけられたみたいな感じがして、「なんでウチらなんだろね」って戸惑いはありましたね。でも会ってみたら、すごいサバサバした女の人で。
──あ、担当のディレクターが?
もも はい。まず自分のプロフィールを話し出して、聞いてもいないのにバツイチでとか言い出して(笑)。なんか面白い人だなって。で、チャラン・ポ・ランタンの位置というかキャラとかもわかってくれてるんだなってことがそのときにわかって。そこから始まった感じですかね。
──まず、その人が面白かったと。
小春 まあ、そうですね。だって、どういう会社かとか知らないからね。イメージでしかわからないし。だからウチらとしては「へえー、モノ好きだねー」とか、そういう感じ。むしろエイベックスの人に興味持たれてビックリしてたのは(事務所の)スタッフのほうなんじゃないかな。
──メジャーでやることに関してはどう思ったんですか?
小春 うーん、予算が増えるかな、とか。
もも お金たくさん持ってるかな、って。
──予算があるとやりたいことができるようになるな、と。
小春 うん。サーカステント作ってくれるかなとか。
もも トラックをステージにして、パーンって開いて出てくるとか、そういうのもできるかなとか。
小春 私たちのやりたいことをやるには人手が必要だから。エイベックスなら人がたくさんいそうだなっていう、すごく漠然とした発想(笑)。本当にね、漠然としたことしか言えないの。ウチらがなんにもわかってないから。
- メジャーデビューシングル「忘れかけてた物語」 / 2014年7月9日発売 / avex trax
- CD+DVD / 1728円 / AVCD-83037/B
- CD / 1080円 / AVCD-83038
CD収録曲
- 忘れかけてた物語
- フランスかぶれ
- スーダラ節
- 私の宇宙
DVD収録内容
- チャラン・ポ・ランタンが行く!【Profile Video】
- 忘れかけてた物語【Music Video】
チャラン・ポ・ランタン
1993年生まれのもも(Vo)と1988年生まれの小春(Accordion)による姉妹ユニット。2009年に結成。2010年8月に「チャラン・ポ・ランタンと愉快なカンカンバルカン」名義でアルバム「ただ、それだけ。」をリリースする。2012年6月にはZAZEN BOYS、group_inouらとのカナダツアーを大盛況に収めるなど海外での活動も多数。2012年9月に、約2年ぶりの新作アルバム「つがいの歯車」を発表すると同時に、ももが20歳の誕生日を迎える2013年4月9日までに3枚のアルバムをリリースすることを公約。各作品で話題を振りまき、2014年7月にシングル「忘れかけてた物語」でエイベックスからメジャーデビューを果たす。