楽器を弾けない人でも楽しめる
──せっかくなので、目玉機能とも言える「ダンスミュージックモード」で遊んでみてください。低音側の鍵盤でドラム、ベース、シンセの自動演奏パターンを選んで、高音側の鍵盤では自由にメロディを弾いたりエフェクトを鳴らしたりできる機能です。
たなしん なるほど、確かにこれなら誰でもできますね! まさにカシオトーンの神髄。
ヒャダイン そうなんですよ。たなしんさん、ビートもらっていいですか、ビート。
たなしん じゃあ、ゴー!(と、しばし2人でセッションに興じる)
ヒャダイン (即興演奏を終えて)イエーイ。延々やれますね、これは。
たなしん 楽器を弾けない人でも楽しめます。これは面白い……。
──何かすごいことができたような気持ちになれるというか。
ヒャダイン そうなんですよ。
たなしん 要は組み合わせで遊べるってことですね。でも右手側の鍵盤はクリエイティブという。
ヒャダイン 右手は音階ですからね。もう、これは一生遊んでられる。しかもいろんなパターンがある中でなぜかEDMに分厚いっていう(笑)。前回も言ったんですけど、なぜかEDMのパターンが妙に豊富で……(別パターンを鳴らして)これとか、ちょっとトラップなんですよね。
たなしん ホントだ、面白い! マニアックですねえ。
ヒャダイン マニアックなんですよ。
遊びの質は高くなければいけない
──実は今回、 今年40周年を迎えたカシオ電子楽器ということで40年前の初代カシオトーンを用意してくださいまして(参照:カシオ電子楽器40周年サイト)。
ヒャダイン えっ!? すげえ! アツい!(実機を見て)おしゃれー! これが初代なんですか?
カシオスタッフ そうです。1980年、ヒャダインさんが生まれた年のモデルです。
ヒャダイン (試奏して)いい音! 素敵。
たなしん 音色も変えられるんですよね?(レバーを操作して)うわ、この音もめっちゃいいじゃないですか!
──29種類の音色が出せるんだそうです。そして持ち上げていただくとわかるんですけど、初代はさすがにかなり重いんですよ。
ヒャダイン (持ち上げようとしながら)ああ、確かにちょっと大変ですね……。でも当時は、少なくとも持ち運び可能というだけで画期的だったわけですよね? ピアノにせよオルガンにせよ、そんな発想すらなかったでしょうし。しかも、外観がすごくおしゃれ。
たなしん 木目調ですごくいいですよね。時代を超えてカッコいいと思えるものって、“本物”ですよ。
ヒャダイン これが源流にあって、CT-S200にたどり着くのは納得ですね。圧倒的に簡単に音を変えられるところとか、ボタンが少ないところは共通しています。当時も今も無駄がない。
たなしん そういう哲学がブレていないところに感動しますね。根っこを変えずに、軽さだったり利便性だったりがきっちり高められていて。
ヒャダイン この40年でずいぶん進化したんだなと。お値段も、当時よりはお安くなってるんですよね?
カシオスタッフ 当時の価格は9万7000円でした。
ヒャダイン あ、けっこうな金額ですね。当時の9万円というと、今の9万円の感覚よりもさらに高いはずですし。今の時代は本当にラクさせてもらってますね(笑)。お子さんにパッと与えるにも、CT-S200の価格ならちょうどいいですね。
たなしん そうですよね。……にしては本格的ですけど。
ヒャダイン オーバースペックですね(笑)。
──親しみやすさと質の高さを兼ね備えるカシオトーンの姿勢には、お二人とも共感するところがあるのでは?
たなしん 僕は、“品”ってすごく大切なものだと思ってるんですよ。初代モデルは今見ても素敵だなと感じますし、音色もキュンときますよね。
ヒャダイン キュンときますねー。
たなしん そこには確固たる哲学があって。それはおそらく「いろんな人に弾いてもらいたい」という気持ちだと思うんですけど、そこがブレずにCT-S200にもちゃんと息づいている。それがカシオトーンの持つ“品”というか、価値なんじゃないかなと僕は感じました。
ヒャダイン 何事も最初は遊びから始まるもので、そのときの遊びの質は高くなければいけないと思います。僕の知っているミュージシャンの中には、ニンテンドー3DSの作曲機能で曲作りを始めた人とか、携帯電話の着メロ制作機能が入り口だった人も多いんですよ。CT-S200もそういったきっかけになり得ると思います。これは本当に未来のミュージシャンも育ててくれるんじゃないですかね。
たなしん 僕の入口は、オールドのフェンダー製ベースだったんです。やっぱりいい楽器を触ってると、絶対に最後まで好きになれるんですよ。CT-S200の根っこにもそういう“ちゃんとしてる”部分があって、そのうえでキャッチーであること、敷居を下げることをすごくがんばっている印象があります。
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