カシオトーンCT-S200特集 ヒャダイン×たなしん対談|みんな、本当は楽器やりたかったんでしょ?ヒャダイン&グドモたなしんが語るウィズコロナ時代の音楽の楽しみ方

カシオ計算機の電子キーボード「CT-S200」は、シンプルな操作性ながら、簡単に本格的なダンスミュージック演奏を楽しめる機能などを盛り込んだ「カシオトーン」ブランドの最新モデル。昨年9月の発売当時、音楽ナタリーではヒャダインに同機種を試奏してもらう企画を実施した(リンク:ヒャダイン×CASIO「CT-S200」インタビュー)。それから1年余りが過ぎた現在、世界の状況は新型コロナウイルス感染拡大の影響によって一変してしまっている。外出自粛のお供に楽器を選ぶ人が増える中、人気モデルであるCT-S200がステイホームを楽しむ選択肢として再び注目されている。

音楽ナタリーでは、このタイミングで再びヒャダインを招き、今年鍵盤を弾き始めたばかりだというたなしん(グッドモーニングアメリカ)との対談をセッティング。鍵盤楽器のエキスパートと初心者、双方の目線からCT-S200の魅力を改めて語り合ってもらった。

取材・文 / ナカニシキュウ 撮影 / 宇佐美亮

人としての姿勢を試された

──お2人は今回が初対面だそうですね。

左からたなしん、ヒャダイン。

たなしん 今日ヒャダインさんにお会いできるのをすごく楽しみにしてました。僕は今年37歳でヒャダインさんより少し年下なんですけど、おおむね同世代だと思っています。生きてきた時代は似ているんじゃないかと思うので、話が盛り上がればいいなと(笑)。

ヒャダイン 盛り上がりましょう(笑)。

──たなしんさんは最近鍵盤にハマったとのことですが、いつ頃始めたんですか?

たなしん 僕はバンドではベーシストなんですけど、今年2月に所属するバンドが活動休止になったんですよ。その前後くらいに初めて鍵盤を触って、YouTubeの企画でもカシオさんとコラボさせていただいたりしていて。それでもっと勉強したいなと思っていた矢先にコロナ禍に突入したので、ステイホーム期間で一気にハマっていきました。今37歳なんですが、40歳くらいまでに作曲や映像制作を勉強して、世界を旅したいと思ってまして。

ヒャダイン おお、カッコいい。

たなしん その場所その場所の景色や空気を感じながら、人種を越えていろんな人たちと音楽を作るというのが目標です。それに向けて今、鍵盤の勉強をしている最中で。

CT-S200

ヒャダイン だったらCT-S200はめちゃくちゃいいと思いますよ。お値段的にもプレッシャーかからないですし、それでいていろんな音やパターンを楽しめる。何より鍵盤の感触がいいんですよね。安っぽくないから、ちゃんと練習してる気持ちになれる。

──たなしんさんは鍵盤をどなたかに習ったりはしているんでしょうか?

たなしん してないです。この令和の時代、なんでもYouTubeで学べるんですよ。しかもコロナ以降、家にいる時間が本当に増えたので。時間は作りやすいし無料で学べるし、楽器に限らず誰もが新しいことを学びやすいタイミングだと思います。

──コロナの影響はやはり大きかったですか?

たなしん 僕の場合はバンドの活動休止が重なったんで、コロナの影響だと言い切れるかどうかはわからない部分もあるんですけど、生活は大きく変わりました。仮にバンドが続いていてもライブはできなかったので、結果的に同じような生活をしていたかもしれません。

ヒャダイン 僕はけっこう影響を受けましたね。提供先のアーティストのリリースが中止になると当然曲の発注も止まるんで、急に暇になりました。というか、それ以上に落ち込みましたよね。暗いニュースが毎日入ってくるんで、嫌になっちゃった。「俺って、繊細?」と思っちゃいました。

たなしん その感覚は大切だと思いますよ。痛みを感じていないと、誰かを攻撃するような方向へ行っちゃうと思うんです。そっちではなく、いかに“陽”なことを発信していくか、人としての姿勢をすごく試された感覚がありますね。

童心に帰れる

──たなしんさんは現在、鍵盤をどんなふうに楽しんでいますか? 例えばベースと比べてここが違うみたいな話でいうと。

左からたなしん、ヒャダイン。左からたなしん、ヒャダイン。

たなしん ベースはプロの演奏家として、アスリートのように追い込んでいく感覚に近いんですよね。それに対して鍵盤は、どっちかというと遊び道具に近いかもしれないです。例えば子供の頃に遊んだコマ回しとか公園の遊具って、普通に遊んでるだけだと飽きてきますよね。そこで子供たちは「どう遊ぼう?」って自分たちなりの工夫を乗せてクリエイティブに遊んでいくわけですけど、その感覚に近いです。

ヒャダイン めっちゃわかります。CT-S200は簡単にいろんな音が出せるし、いろんな遊び方ができるから、童心に帰れますよね。

たなしん ベースと違って自由に弾けるんですよ。あまり知識がなくても「こんな感じかな?」でできちゃう。

──ヒャダインさんから、たなしんさんにオススメの機能などはありますか?

ヒャダイン やっぱり、インド系の音色やリズムパターンがとても多いところですね。シタールの音色なんて2種類ありますけど、どう違うのかパッと聴いただけだとわからないですもん(笑)。これらの音で遊んでるだけで発想の源になったりもすると思います。(リズムパターンを選びながら)これとか、めっちゃなじみのないリズムじゃないですか? どこが拍アタマなのかわからないし。

たなしん ホントだ!

ヒャダイン こういうインドっぽいパターンがめっちゃ入ってるんですよ。(さらにリズムパターンを選びながら)これとかマハラジャ感出ますよね。「インディアンポップ」って書いてあります。

たなしん すごく明るくなれる、ポップなリズムですね(笑)。

ヒャダイン

ヒャダイン 屋外でこのインディアンポップを爆音で流しながらみんなで踊ったりすると楽しいでしょうね。

たなしん それ面白いですね! CT-S200って、わりとそういう方向性の楽器ですよね。

ヒャダイン 僕はその目的で作られたと思ってます。軽くて電池で動くから外に持っていけるし、ガンジス川沿いでみんなで踊るみたいなこともできるでしょうし。

たなしん めちゃくちゃ楽しそう。YouTube企画としても何かできそうです!

ヒャダイン 「インドにカシオトーン持ち込んでみんなで踊ってみた」みたいな。最高じゃないですか。