“カシオ1本で”世界中を旅することができる
──限定されてはいるけども、いわゆる音ゲーで遊ぶよりも自由度があって音楽的ですよね。
音ゲーより、もうちょっとアカデミックなのかな。もはや僕の知ってるカシオトーンではないですね。USB接続でMIDIキーボードとして使えたりもするし。でも、カシオトーンがもともと持っているポータビリティとか気軽さは踏襲されてるなと思いました。さっき持ち上げてみたんですけど、めっちゃ軽いんです。これを持って世界中を旅して、現地の人とセッションとかもできちゃいますね。
──昔で言うところの「ギター1本で」みたいな。
「カシオ1本で」行くわけですよね。全然これで行けますよ。クラシックの曲とかも内蔵されてますし、右手抜きとか左手抜きで鳴らして練習もできる。違うフレーズを重ねて弾いたりすれば1人セッションにもなりますし。
──1人でも合わせる楽しみを味わえるというのは大きいですよね。
音を重ねることもそうですけど、いろんな音に触れることは音楽が苦手な子でも絶対に楽しめる行為だと思うんです。ダイヤルをぐるぐる回すだけでいろんな音とめぐり会えるし、これに触れさせたら音楽を好きになる子がめっちゃ増える気がしますね。
──先ほどからヒャダインさんがこの楽器を触る姿を見ていると、まるでゲームで遊ぶ子供のようです。全然やめない(笑)。
中学生の頃にシンセサイザーをずっと触っていた感覚をすごく思い出しました。今の子供たちってゲームとかに夢中ですけど、それと同じ感じで楽しめると思う。いろんな音楽遊びができるので、情操教育にはぴったりでしょうね。お求めやすいお値段ですし、今すぐ教育現場に導入するべきです。これが1万円台で買えるって、びっくりですよ。僕には子供はいないですけど、いたら絶対に買い与えますね。
誰もがウィンブルドンを目指しているわけじゃない
──子供には間違いなくいいでしょうね。ほかには、こんな人にオススメとかあります?
カシオトーンって、バリバリに音楽をやってる人には正直必要ない楽器だとは思うんです。でも、世の中でバリバリ音楽やってる人なんて、ほんのひと握りじゃないですか。
──確かにそうです。社会人で言えば、セミプロくらいのレベルでがっつり活動している人か、まったくやっていない人か、って二極化しているイメージはありますね。中庸ゾーンの人口が極端に少ない。
音楽の世界には妙な選民意識があって、楽器や歌がうまくないといけないとか、プロを目指せるレベルじゃないとやっちゃダメみたいな風潮がある。趣味でやるなら、大したクオリティじゃなくても別にいいじゃんと思うんですけどね。スポーツだってそうじゃないですか。
──草野球やゴルフは広く楽しまれていますね。
そうそう。街のコートでテニスをやってる人とかも普通にいますけど、彼らは別にウィンブルドンを目指しているわけじゃない。音楽だって、本来は素人さんが趣味程度にやってもいいはずのものですよね。そういう方々にとって、このCT-S200はすごくフィットすると思います。昔ちょっとピアノをやっていて今また弾きたいと思っているような人も復帰がすごくしやすいですよね。年配の方にもいいと思います。全部の機能を使いこなす必要はないわけですし。
──単体でこれだけ簡単に楽しい音が出せる楽器ですから、ハードルは低いし満足度も高いでしょうね。
いろいろボタンを押してたら「わかんなくなっちゃった!」って迷子になることもあると思いますけど、この黄色いボタンを押したら一発でホームに復帰できる。年配のiPhoneユーザーの方が「丸いボタンを押せばとりあえず復帰できる」ことだけは覚えてるのと同じ感覚で扱えますね。復帰のしやすさは重要ですよ。メカに弱い方でも安心です。
──知識や技術がなくても音楽を楽しめるように、すごく考えて作られてますよね。
ですね。
フラッシュモブ・オーケストラ計画
──CT-S200でほかにできそうなことってありますか?
持ち運びがすごく簡単なんで、フラッシュモブとかもやれますよね。
──フラッシュモブ!?
100人くらいでこれを持ち寄って最大音量にしておいて、誰かが急にドラムパターンを流し始めるんですよ。そしたら別の1人がピアノでテーマフレーズを弾き始めて、次々にベースだのシンセだのラッパだのが入って、最終的にはめっちゃ豪華な感じになるっていう。オーケストラですね。振り付けを決めて踊ったりしても楽しそう。……見たい!
──それ、ぜひヒャダインさんの監修で映像を制作してもらいたいです。CMにも使えそう。
(カシオのスタッフに向かって)やりますか!(笑) この機械でしかできないことじゃないですか。電池で動いて、持ち運べる軽さで、音が大きく出て、音色がいっぱい使える。ここまで条件がそろってる機種って、世界中探してもなかなかないですよ。オールインワンシンセじゃ重すぎて非現実的ですけど、これなら片手で持っていけますし。むっちゃ楽しくないですか? OK Goのミュージックビデオみたい。
──本当ですね(笑)。
あるいは、テクノミュージシャンに遊んでもらうのもいいかもしれない。
──なるほど。テクノの人たちなら、この楽器のポテンシャルを生かしきって遊び尽くしてくれそうです。
彼らにとっては本当に原点ですからね。音を使っておもちゃのように遊ぶっていうのは。
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