音楽ナタリー PowerPush - キャラメルペッパーズ
インタビュー解禁!“共感SONG”ができるまで
ツイートをそのまま曲にした今作
PASSER 今回のアルバムは僕の音楽人生で初めて、最初から明確にコンセプトがあったアルバムなんですよ。
──そうなんですか。コンセプトはなんですか?
PASSER Twitterでつぶやいてることをそのまんま歌詞にしてやろうと。前作「LOVE LOVE LOVE SONGS 4 & BEST!」までは自分が歌ってるところだけを自分で書いてたんですよ。例えば僕がAメロ、Bメロ、サビまで歌詞書いて「テーマはこんな感じ、2人はここ歌ってほしい」ってトラックを渡して、あとは感じた通り書いてねっていう。だけど今回はTwitterっていう武器を推したいなっていうのもあって。まず自分がデモを作って、1曲全部歌うんです。そこからそれぞれが歌う箇所を割り振って、メロディも歌詞もこのままじゃなくてもいいよって言って、似たようなツイートをいっぱい送って、その中からチョイスしてもらうっていう作り方をしました。
──なるほど。
PASSER あとは何年も何十年もずっと聴いてもらえるような普遍的な曲と、逆に今しか聴けない曲と、その両方を入れるっていうのも最初から決めていて。今しか聴けない曲っていうのは「最高かよ」とか「それな」とかが入った「おっぱい SONG」。何年後かに聴いたら古いと思うかもしれないけど、あえて今しか聴けない曲も入れたいと思ったんです。
転調にハマった
──「今日まで流したキミの涙が明日への笑顔にかわりますように SONG」ができてからほかの曲も作り直したとTwitterに書かれていましたね。それはどういうことですか?
PASSER これは音楽的なことですね。僕、独学でずっとやってきちゃったんですけど、この先ずっと音楽をやり続けるには一から音楽勉強しなきゃ駄目だなと思ったんですよね。理論的にわかってないと、さすがにネタ切れしてくるなって思って。
──勉強した結果は?
PASSER 最後のサビだけ転調するっていうのはよくあるんですけど、イントロからAメロ行くときにもういきなり転調したりとか、サビに行ったら毎回転調して間奏でまた転調するとかって、前から偶然にはできてたんですけど、「今日まで流したキミの涙が明日への笑顔にかわりますように SONG」では意図的にできたので、自分の中で「転調」をキーワードにほかの曲も作り直しました。
──2人はPASSERさんが勉強したのを感じますか?
YUICHI 転調にハマってるって言ってたんで……。
RYO 確かに転調してるなあって思ってました(笑)。
──(笑)。転調以外に勉強の成果、感じました?
YUICHI 耳触りは今までPASSERが作ってた曲と逆に違わない、けどコードの動き方が今までと違うっていうのが一番ですかね。Bメロからサビに行くときに今までとは違う行き方をするんで、たぶんパッと聴きの印象はけっこう違うんじゃないかなと。でももちろんこれまでのキャラメルペッパーズの流れは踏んでるので、明らかに変わったわけではなく、かといって今までと確実に違う部分もある。
キャラメルペッパーズ、第2章に突入
──今まで「LOVE LOVE LOVE SONGS」シリーズ1から4までリリースしてきて、今回はそのシリーズを脱しましたね。キャラメルペッパーズの第2章という意味も込められてるんでしょうか?
PASSER そうです。前回ベスト的な要素を含めてフルアルバムを出したので、ここでひと区切りしようと。
──第2章では何をするんでしょうか?
PASSER 取材一切受けてなかったんで、今日この場がまさに第2章です。
──そもそも今まで取材受けてなかったのはなぜですか?
PASSER バンド時代にものすごい忙しい時期があって「曲作るのが仕事なんだから、それ以外のこといる?」っていうところまで行っちゃったんですよ。だからキャラメルペッパーズはいい音楽だけを作りたい、曲だけを作る時間を大切にしたいと思って、受けないようにしてたんです。
──それを第2章で解禁した理由は?
PASSER 何も言葉を発信しないと勘違いされることが多すぎるなってTwitterやってて思ったんですよね。はき違えて捉えられちゃってるなとか。だったら自分の言葉で発しようと。人にインタビューされることで思ってなかったことが言えたりして新たな一歩にもなるし、リスナーの人にも僕たち1人ひとりの個性や曲への思いを感じてほしいなっていうのもあって。
YUICHI それまでライブもあんまりやってなかったんですけど、「LOVE LOVE LOVE SONGS 3」くらいからインストアライブとかもやるようになって、リスナーの人と触れ合う機会が増えたんですよ。で、ファンの人たちを目の当たりにして会話したり握手したり関わっていくと、そういうのってすごい大切だなって思うようになって。こういうインタビューだったらさらに、今まで知らなかった人にも活字で届いたりするわけじゃないですか。
──そうですね。
YUICHI そういうので少しずつでも距離を縮められるといいかなと。顔出してないぶん、距離を縮めるっていうのが難しい部分もあるんですよね。例えばビジュアルがバーンと出てれば、いろんなことが想像しやすいじゃないですか。テレビ出てれば声がこういう感じとかもわかるし。そういうのが伝わりづらい状況なので、そういう意味でも伝えるって重要なのかなってここ2年くらいで改めて思いましたね。
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- ミニアルバム「『こっち恋よ、ぎゅーしてやるから。』」/ 2014年10月8日発売 / HILLS RECORDS
- 初回限定盤 [CD+DVD] 2592円 / POCS-9170
- 通常盤 [CD] 1944円 / POCS-1190
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CD収録曲
- 心配すんな、お前以外の女興味ねぇから SONG
- 青春 SONG ~YELL~
- おっぱい SONG
- 今日まで流したキミの涙が明日への笑顔にかわりますように SONG
- すべて抱きしめて SONG
- ボクの夢中は死ぬまでキミだけだから SONG
- 皆で行こうぜ●●● SONG feat. きゃらふぁみ
初回限定盤DVD 収録内容
- 可愛くなるSONG
- LIFE SONG
- 告白SONG
- 1%☆SONG
- 道~自分が自分らしくある為に~SONG
- アンコール:ウェディングSONG
キャラメルペッパーズ
PASSER、RYO、YUICHIからなる、横浜と横須賀在住の3人組音楽ユニット。作詞、作曲、アレンジ、レコーディングのすべてを自らこなす。“スタンプアーティスト”と名乗り、ライブ以外では素顔を隠して活動をしている。2010年に発表した1stミニアルバム「LOVE LOVE LOVE SONGS」の収録曲「ウェディングSONG」が、YouTubeで再生1100万回を超え、レコチョク「感動のウェディングSONG」ランキングでユーザー投票3位を獲得するなど話題を集めた。またオフィシャルTwitterによる“歌詞ツイート”も人気を呼んでいる。2013年発売の1stフルアルバム「LOVE LOVE LOVE SONGS 4 & BEST!」がロングヒットを続けるなか、2014年10月にミニアルバム「『こっち恋よ、ぎゅーしてやるから。』」をリリース。