buzz★Vibes×ZAQ|3人とリスナーで作り上げた“一期一会”の歌

buzz★Vibes×ZAQの合言葉

──ラップパートはどんなふうに考えていったんですか?

森久保 シンちゃんのトラックの時点ではサビのコーラスだけが入っていて、その後僕らがラップパートを考えていったんですけど……なんか、ずっとグズグズしてたよね(笑)。

Shinnosuke 僕は「それぞれに考えてね」と言ってトラックを作って渡したのに、2人の作業が全然進まないんですよ。

森久保 「ボーカルの歌割りを決めなきゃね」と言ったまま、ずっとグズグズしていて……いや、でも頭ではできていたんですよ。

──ZAQさんも、ラジオ番組内でまったく同じフレーズをおっしゃっていました(笑)。

ZAQ だって、頭ではできていたんですよ!(笑) 実質、作曲は終わっているんです!

森久保 そう! 頭ではできていたんで!

Shinnosuke ははは(笑)。

ZAQ そんなふうにグズグズしつつ、プリプロの段階で森久保さんと私でサビの歌詞を考えていきました。

Shinnosuke プリプロのとき、ちょうど誕生日だったんだよね?(森久保のほうを見ながら)

森久保 そうそう。プリプロをやっている間に僕は1つ歳を取りました。

ZAQ それまでも、Shinnosukeさんは5回もデモを投げてくださって。

buzz★Vibes

Shinnosuke 「こんなパターンはどう?」と投げて、寝かせている間に新たに思いついたら、「こういうのもどうかな?」と新しく投げてみて。でも、2人の反応が返ってこない。

ZAQ 違いますよ! どれがいいか吟味していたんです(笑)。

Shinnosuke そうするうちに、だんだん締切が迫ってきて、ようやく作業が始まりました。

ZAQ (噛みしめるように)締め切りまでに曲を作るんじゃない、締切が曲を作るんだ……!

森久保 これが僕らの合言葉です(笑)。

Shinnosuke でも、最後に「バーン!」と火がついて、結果的にいいものができました。

──Shinnosukeさんのトラックは、いろいろ投げた中で最新のものが使われているんですか?

森久保 結果的にそうなりました。そこから「間奏をどうする?」と考えたり、「エンディングを変えない?」という話になったりして、曲がどんどん壮大になっていったんですよ。

Shinnosuke 当初は最後の部分も、今みたいに盛り上がる雰囲気じゃなかったんです。ただ、終わり方を想像したときに、「こっちのほうが合うな」と思って。

──最後の森久保さんとZAQさんのボーカルは、とてもライブで映えそうだと思いました。

Shinnosuke そうそう、僕もそう思います。

森久保 終わり方を変えたことで、曲自体がすごくハッピーな方向に向かっていったというか。曲のコンセプトに合ったものになりました。

ラジオを匂わせるような言葉を入れたい

──レコーディング中、お互いのアイデアで印象的だったものはありますか?

森久保 僕はラップパートのZAQの「ブラアアア!」というパート。これはしびれましたね。

ZAQ フィメールラッパーです(笑)。最初は普通に韻を踏もうと思ったんですけど、歌詞の世界観を考えても、「これでカッコつけないのは嘘でしょ」と思って。逆に私が印象的だったのは、森久保さんの歌詞ですね。基本的に、ラップの部分は森久保さん節です。表記の仕方も、「Rock to you」が「Rock 2 U」になっていたりして。

──buzz★Vibesでの森久保さんの歌詞につながる世界観ですよね。プリンスの「I Would Die 4 U」などに通じる雰囲気と言いますか。

森久保 まさに。

ZAQ 歌詞に「絆という名のWi-Fi」というフレーズが出てくるんですけど、すごい言葉じゃないですか? 「Fly high」と「Wi-Fi」で韻を踏んでいて。なかなかこんな言葉は出てこないと思います。

──僕もまさにお話を聞きたいと思っていたんです。すごいフレーズですよね。

森久保 歌詞に「ザッピング」や「チューニング」という言葉が入っているように、ここにも何かラジオを匂わせるような言葉を入れたいという話をしていたものの、なかなか難しかったんですよ。ただ、今はスマートフォンのアプリでWi-Fiを探しながら聴いている人も多いから、それなら「Wi-Fi」という言葉にしようと考えたところですね。

──なるほど。「シンデレラタイム」のように、金曜24:00から始まる「バズザックファクトリー」のことを連想させるようなワードも入っていますね。

Shinnosuke 最初は「#」(ハッシュタグ)や「URL」を入れようという話もありました。

森久保 番組のメールアドレスをそのまま入れようぜ、と言っていたんです(笑)。

Shinnosuke しかもそれを落ちサビの叙情的なところに乗せようとするから、「どうやってまとめるんだよ!」という話になって、最終的にはやめました(笑)。

左から森久保祥太郎、ZAQ、Shinnosuke。

buzz★Vibes×ZAQだって「One Time, One Meeting」

ZAQ  Shinnosukeさんの曲って、展開が全部カッコいいんですよね。展開ごとにコードも全然違いますし。

Shinnosuke たまに「展開が多すぎる!」って怒られることもあるけどね。でも、この曲のテーマが“一期一会”だからこそ、陰と陽のように、1曲の中でいろんな要素を表現したいと思っていました。

──いろいろな人たちが同じ時間に集う、ラジオの一期一会が表現されていると。

森久保 あと、ZAQはピアノも弾いたんだよね。それに加えて、リスナーがいろいろな効果音を録ってきてくれたものも曲にフィーチャーされているのでぜひ聴いてほしいです。

ZAQ 「些細な瞬間の巡り合わせだったんだ」のところに入る「ポコポコポコポコ」という音ですよね。これはコップを使って出した音なんです。

Shinnosuke よく聞こえるように、ミックスでも音を前に出しておきました。

──タイトルだけではなく、曲自体もリスナーの皆さんと一緒に作った楽曲なんですね。

森久保 曲の大元のテーマも、これまでリスナーの方とラジオを通して接してきた中で、いろいろな出会いがあった経験から生まれたものでした。そういういろいろな一期一会も描けたらいいね、という話をしていましたね。

ZAQ 例えるなら、「1つの出会いが、いろんな人の人生を明るく変えていくことがあるよ」ということで。私のカップリング曲も、そういうことをテーマにしています。

森久保 そもそも、buzz★Vibes×ZAQだって、「One Time, One Meeting」なんですよ。この3人が集まったのも、いい偶然によって生まれたことだと思っています。