buzz★Vibes×ZAQ|3人とリスナーで作り上げた“一期一会”の歌

“M.K.B”こと森久保祥太郎と元SOUL'd OUTのShinnosukeがタッグを組んだ音楽ユニットbuzz★Vibesと、ソロアーティストとして活動しながら作家としても幅広く活躍しているZAQが、スペシャルユニットbuzz★Vibes×ZAQを結成した。これは3人がDJを務めるbayfmのラジオ番組「バズザックファクトリー」をきっかけに生まれたユニット。放送開始から1周年を迎え、buzz★Vibes×ZAQは4月3日にスプリットシングル「One Time, One Meeting」をリリースする。

シングルにはbuzz★Vibes×ZAQ名義による表題曲のほか、buzz★VibesとZAQそれぞれの書き下ろし新曲が収録される。3人はこのスプリット作品をどのようにして完成させたのか? その制作背景を森久保、Shinnosuke、ZAQに聞いた。

取材・文 / 杉山仁 撮影 / 後藤壮太郎

どんどんドMになっていったレコーディング

──スプリットシングルは“モノづくり”をテーマにしたラジオ番組「バズザックファクトリー」をきっかけに生まれました。4月で放送1周年を迎えましたが、今この番組は皆さんにとってどんな場所になっていますか?

buzz★Vibes×ZAQ

ZAQ 2018年、私の中心にあったものですね。2週間に1度収録があって、どんどん行くのが楽しみになっていった場所でした。お二人と話すのもそうですし、「次はリスナーさんとどんなやりとりができるだろう?」と。

Shinnosuke 真面目だねえ。

ZAQ 真面目ですよ!(笑)

森久保祥太郎 でも、「2018年、自分の中心にあった」と言うわりには、けっこう遅刻してたよね? ラジオ的にはそういうハプニングがあったほうが面白いからいいんですけど(笑)。

ZAQ (笑)。お二人が仲よくしてくれて、すごく楽しい時間になっていますね。

森久保 自分の場合はbayfmは長年お世話になってるし、スタッフさんも知ってる人ばかりで始まった番組でしたけど、「3人でラジオをするとどんな感じになるだろう?」と思っていたんですよ。でも、せーの!でしゃべってみてすぐになんの心配もいらないと思ったし、最初から相性のよさを感じました。もともとShinnosukeとbuzz★Vibesを始める少し前にZAQとも出会っていて、「一緒に何かやってみたい」と思いつつも、なかなかタイミングがなくて。だから一緒にラジオができるようになって、その結果2組でコラボ曲を作れたことは、すごくうれしかったです。「バズザックファクトリー」は、そのコラボを生んでくれたプラットフォームですね。

──ラジオ番組をやっていく中で、お互いの人柄をより知ることになったんじゃないですか?

ZAQ それこそ、お二人は裏表がない方なので、最初の頃から印象が全然変わらなくて。本当に“いい男たち”という感覚です。

森久保 ラジオ番組ではなく、レコーディングの現場でZAQのミュージシャンとしての佇まいを見たときに、「ああ、本職の現場ではこうなんだ」と感じました。アイデアをいろいろ出してくれるし、ラジオとはまた違ったZAQのレコーディング現場でのテンションの上がり方や、楽曲制作の進め方もすごく面白かったです。シンちゃん(Shinnosuke)はシンちゃんで、ZAQと2人でのミュージシャン同士のやりとりは、僕と2人のときとはまた違っていて、そういう姿を見られたことが新鮮でした。

ZAQ 私にとっては、小さい頃に初めて聴いた日本語ラップがSOUL'd OUTだったんですよ。森久保さんもずっとファンだったので、レコーディングで3人一緒にいて、Shinnosukeさんがディレクションしてくれたり、自分の歌について「ここはもうちょっとこうしたほうがいい」と言ってくれていると、どんどんドMになっていって(笑)。「Shinnosukeさん、もっと言って!」みたいな気持ちになってました。

森久保 そのためにわざと間違えちゃうとか?

Shinnosuke なんでだよ(笑)。ZAQとは昔から共通の友人がいて、存在自体はずっと知っていました。そこからラジオでつながって、ようやく一緒に制作ができてうれしいです。

左から森久保祥太郎、ZAQ、Shinnosuke。

このタイトルじゃなかったら、全然違う曲になっていた

──では、今回の「One Time, One Meeting」がどんなふうにできていったのかを教えてください。この曲は、「バズザックファクトリー」内でも随時制作の進捗が伝えられていました。

Shinnosuke そうですね。タイトルもリスナーの方が送ってくれたものを採用していますし、楽曲の大枠のテーマについては、そこですべて決まったような感じがします。

森久保 「One Time, One Meeting」って、ラジオらしいワードだと思ったんですよ。“リスナーと僕らとの一期一会”という意味でも番組自体の魅力につながっている言葉ですし、タイトルとしてもすごくキャッチーですよね。

ZAQ めちゃくちゃキャッチー!

森久保 そういうところがいいなと思って、まずはタイトルを選びました。

──音楽性はどんなふうに考えていったんですか? 皆さんがコラボするとなると、さまざまなタイプの曲が作れる可能性があったと思います。

Shinnosuke 確か最初に、みんなで「こんな曲にしたい」という話をしたよね?

森久保 「テンポ感はこうしよう」「雰囲気はこんなものにしよう」「ZAQと僕がどんなふうにボーカルを入れよう」とか、そういうことは話しました。男女の複数のボーカルが入れられる音楽で、過去の自分が好きだった音楽から、イメージをふくらませていきました。

Shinnosuke 例えば、The Black Eyed Peasとかね。

森久保 そうそう。日本のアーティストだとbabamaniaとか。そこからまず、トラックをシンちゃんが作ってくれたんですよ。

──トラックはどんなことを工夫しましたか?

Shinnosuke 「ギターを使いたい」ということは考えていましたね。それを軸にロックともファンクとも取れるような雰囲気を出していきました。それから、「ラップを入れたい」という話もあったので、テンポの速い曲というよりは、グルーヴで魅せるタイプのものを考えていった形です。その後「サビは『One Time, One Meeting』という言葉が入るだろうな」と歌いながら作っていたら、完成形のようなメロディ、コードが降りてきました。このタイトルじゃなかったらまた全然違う曲になっていたんじゃないかな。

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