自分たちでばっしょーを作っていく
──そういった夏の活動を経て、10月28日にニューアルバム「ふぁん」がリリースされます。自分たちのレーベル、BATTEN Recordsが立ち上がったことに関してはどんな思いがありますか?
上田 「自分たちでばっしょーを作り上げていきたいよね」って最近メンバーとよく話していて、BATTEN Recordsはそれを実現できる場所なのかなと考えています。
瀬田 今までは作品に関しては基本的にスタッフさんにお任せしていたんです。でも、今回のアルバムからスタッフさんが「どういうことがしたい?」とか聞いてくださって、自分たちも発言することが増えました。アルバム制作に携わることで「自分たちで作っていくんだ」という前向きな気持ちになれました。
上田 「ふぁん」の楽曲にはどれも今の自分たちの気持ちが詰め込まれていると思います。
──皆さんの思いを取り入れた結果、「ふぁん」はどんな作品になりましたか?
星野 今までのばっしょーみたいな明るくて楽しくて元気な曲もありつつ、5周年を迎えたこともあり、ちょっと大人な雰囲気の曲にも挑戦していて。いろんなジャンルの曲が入っています。不安な気持ちで下を向いちゃうときがあっても、聴くと楽しい“ふぁん”な気持ちになれるアルバムになったと思います。
上田 5周年を迎える前は不安な気持ちがすごくあって、そこから世の中全体もコロナで不安な状態になってしまいましたが、私たちは今、そこを乗り越えて楽しい気持ちが一番に来ているんです。アルバムを通じて、そうした楽しい気持ちを皆さんに伝えられたらと思っています。
──アルバムのリード曲はASPARAGUSの渡邊忍さんが手がけた「OiSa」ですが、これまでのばっしょーの楽曲とはかなり雰囲気が異なるシンセポップチューンですね。
瀬田 そうなんです。まったく触れたことのない音楽だったので、最初はどうやって歌で表現すればいいのかわからなくて。でも、メンバーがそれぞれの解釈でレコーディングして曲が完成したとき、5人の歌詞の表現の仕方は違うけどいろんな気持ちが重なり合うように聴こえて、それがすごく素敵だなと思いました。
上田 ホント、最初は「どう歌ったらいいんだろう?」という感じでした(笑)。渡邊さんがこうやって歌ってほしいと直接アドバイスしてくださって、それも含めてみんなで作り上げた感じがします。カッコいい曲になりましたね。
春乃 レコーディングしてしばらく「オイサオイサ」というフレーズが頭の中で流れてました(笑)。ちょっと和の要素も入っているし、振り付けもキャッチーだし、すごく好きな曲です。
希山 「オイサ」は山笠のかけ声なので、タイトルを聞いたときは走っていくような楽しい曲を想像していたんですが、実際はその真逆で驚きました。語尾が上がって裏声になる部分とか、難しい歌い方がたくさんあって、私たちにとって挑戦の曲でしたね。
星野 メジャーデビューのときに渡邊さんが作ってくださった「おっしょい!」は、「これからがんばっていくぞ!」という気持ちを表した楽曲だったんですけど、「OiSa」の歌詞を見るとそこからさらに成長した印象を受けます。
──「おっしょい!」も山笠のかけ声ですが、それとはタイプの違う「OiSa」も表現できるグループになったということですね。
星野 はい。「OiSa」は自分たちでこれからを変えていくという意志を感じられる、「おっしょい!」の延長線上の曲だと思います。
5人のフェイバリットソングは
──それぞれアルバムの中でお気に入りの曲はありますか?
上田 うーん、私は絞りに絞って「Just mean it!」と「Dancer in the night」の2曲です。どちらも今まで挑戦してこなかった大人っぽい曲なんですよ。歌ってても聴いてても、「私たち大人になったな」と思えるんです。曲調は静かめですけど、両方共しっかり踊る振り付けになっているので、そのギャップに注目してほしいです。
春乃 私はさっきお話しした「OiSa」です! メロディのフレーズはすごく少ないんですが、それが重なり合って1曲になっているのがすごいなと思いましたし、繰り返される「オイサオイサ」にすごく中毒性があってハマりました(笑)。レコーディングしたときの印象と、完成した曲が全然違うものになったのにも驚かされたし、とにかくたくさん聴いています。
この前、レッスン前にみんなで円陣パスみたいなバレーボールをしたことです。ばっしょーはみんなスポーツができるイメージだったんですけど、5人共ひどくて(笑)。めちゃめちゃだったけど、すごく楽しかったです。
瀬田 私は「OTOMEdeshite」がお気に入りです。今回のアルバムは大人っぽい曲が多いんですけど、その中で「OTOMEdeshite」は逆にアイドルらしい曲で。ライブで盛り上がりそうだし、歌詞に青春感があるんです。私は曲をいただくたびに毎回「どんな子が主人公なんだろう?」と考えるんですけど、今までは中学生とか高校生とか、若い主人公のイメージが多かった中、この曲は高校3年生か大学生のいじられキャラの女の子なんだろうなと思いました。そのイメージを勝手にメンバーに当てはめて楽しんでます(笑)。
──瀬田さんの頭の中でMVのようなものができあがってるんですね。
瀬田 そうです! 頭の中のMVでは、メンバーに1人ずつ主役をやってもらってます(笑)。
春乃 バージョンがいっぱいあるんだ(笑)。
瀬田 そうそう(笑)。
──希山さん、星野さんのお気に入りはどの曲ですか?
希山 私が一番にビビっときたのは「Dear My Blues」です。どこか懐かしいメロディでいいなと感じました。背中を押してくれる前向きな歌詞で、私が特に好きなのは「くだらなすぎて最高!」というところです。言葉に表しづらいけど、ホントにいいなって思うんです。大人になっても「くだらないこと最高!」と思っていたいですね。
星野 私は「Over」がお気に入りです。この曲のサビに、5人それぞれが違うパートを歌って1つのハーモニーを作り出すところがあるんですけど、それが初めての挑戦だったんです。すごく難しくて、6月の5周年ライブで披露する前はみんなでたくさん練習しました。あと、この曲にはライブの締めくくりにぴったりな、温かくて幸せな雰囲気があるんです。会場に一体感が出るし、またライブで歌う日が来るのが待ち遠しいです。
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5人がチャレンジした新しい歌の表現
私は今高校2年生なんですけど、学校の体育のバドミントンがすごく楽しいです。ダンス以外でひさしぶりに体を動かしたら、次の日にラケット持ってた右腕が筋肉痛になりました(笑)。