ばってん少女隊が10月28日にニューアルバム「ふぁん」をリリースした。
今年6月、ばってん少女隊は自主レーベル・BATTEN Recordsを設立。新型コロナウイルス感染拡大の影響で今まで通りの活動を行えない中、結成5周年というタイミングに合わせて次の章へと歩みを進めた。そんな転機を経て制作されたニューアルバムは、コロナ禍で“不安”を抱えている人の気持ちを自分たちの音楽で“FUN(楽しみ)”に変えていけるように、という思いを込めた作品に。渡邊忍(ASPARAGUS)が手がけたリード曲「OiSa」をはじめ、メンバーが新たな表現に挑戦した全12曲が収められている。
音楽ナタリーではメンバー5人にインタビューを行い、結成6年目にして訪れたグループ内の変化やコロナ禍の中駆け抜けた夏の思い出、新曲に対する印象について話を聞いた。またアルバムのコンセプトにちなみ、彼女たちが最近経験した楽しい出来事、それぞれの“ふぁん”を紹介してもらった。
取材・文 / 土屋恵介 撮影 / 藤木裕之
新体制になってメンバーと深く向き合えた
──ばってん少女隊は今年の4月末に西垣有彩さんが脱退し、新体制になりました。いろいろと変化が多かったんじゃないですか?
上田理子 グループ内のこともそうですけど、結成5周年を迎えた今年6月のタイミングで自分たちのレーベルのBATTEN Recordsを立ち上げたり、オンラインストアのBATTEN Storeができたりと体制が一気に変わったんです。私たちも気持ちが切り替わったし、ここからもっとがんばらなきゃと思いました。ただ、ちょうどコロナの問題と時期が重なってしまって。
──期待と不安が入り混じる感覚にはなりますよね。
上田 はい。正直どうなるんだろうという気持ちでした。でも、ワクワクのほうが大きかったです。
──5年という月日を振り返るとどんな思いがありますか?
上田 いろいろと乗り越えてきたという感覚があって。5年経って、メンバーの仲が深まった感じがします。
希山愛 今まで仲が悪かったわけじゃないんですけど、メンバー同士ぶつかることもなく平和な感じだったんですよ。
上田 それは完全にいい意味での平和ということではなくて、お互いに探り探りな空気がずっとあったんです。
──メンバーに遠慮してた部分があったんですね。
瀬田さくら そうなんです。その状況がきつかったわけじゃないんですが、もっとお互いに気持ちでぶつかれたほうがいいなという思いがあって。
春乃きいな それはみんなあったよね。
星野蒼良 それが徐々に変わってきて、グループとしての居心地や雰囲気がすごくよくなったと思います。
──新体制になると改めてメンバー同士の気持ちが固まって、グループをどうしていくか、ということを見つめるきっかけになりますよね。
上田 それはありました。やっぱり、新体制になることへの不安はすごくあったんです。でも、その経験があったおかげでグループに対してもメンバーに対しても深く向き合えたと思います。前はメンバー同士であまり話さなかったような深い話を、今はするようになりました。グループについてとか、自分はどう生きていくかとか(笑)、そんな話もします。
星野 個人個人の将来について話したりね。
春乃 そういうの面白いよね。
上田 前まではメンバーと一緒に泊まってもそれぞれが個人で行動していて、たまに話をするくらいの距離感だったんですよ。でも最近は、一緒に自分たちの動画をYouTubeで観て「今のところもう1回観たい!」とか盛り上がっていて(笑)。より活動が楽しくなりました。
ステージに出る瞬間、雨がザーッて
──新体制になってチーム力がアップしたということですが、コロナ禍という逆境もあったばっしょーの今年の夏を振り返らせてください。
上田 まず、6月21日に結成5周年記念公演をオンラインライブという形で開催しました。そして、7月19日に福岡県宗像市の道の駅むなかたで「九州の台所・道の駅むなかたで歌って踊って食べまくろう!」というドライブインイベントに出演して、そこでやっとお客さんと会うことができました。
瀬田 お客さんに車の中からパフォーマンスを観ていただく形のライブだったんです。最初は「ファンの方はこれで楽しんでくれるのかな?」と心配だったんですが、皆さんペンライトやワイパーを振りながら楽しんでくださって。中にはごはんを食べながらライブを観ていた方もいて、それぞれが安全な環境でゆったりと楽しんでいただけたようでよかったです。
上田 そのあと、8月9日に大分県の城島高原パークで「JUPITER BATTEN GIRLS LIVE 2020 SUMMER」という単独ライブをやりました。ライブ前はすごく晴れてたんですけど、私たちがステージに出る瞬間に雨がザーッて降り出して(笑)。
瀬田 私、雨が目に入ってコンタクトが流れちゃったんです(笑)。それくらいの大雨でした。
星野 ホントに雨すごかったね、目が開かんかったよね。
一同 開かんかったー。
上田 雨雲レーダーを見たら、城島公園のところだけに雨雲があったんですよ(笑)。
星野 その日は暑くなって日焼けしちゃうかもとみんな覚悟していたんです。それで朝から気合いを入れて、メイクして髪もセットして日焼け止めもしっかり塗っていたのに、一瞬にして雨で全部流れ落ちました(笑)。
上田 でもある意味、夏の印象深いライブになりました。ただでさえライブをやりにくい状況なのに、雨でもステージに立てたのはありがたいことだなって。
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自分たちでばっしょーを作っていく
城島高原パークのイベントに出演した日の夜、メンバーでUNOをしたことです。初めてメンバーと一緒にUNOをやったんですが、そのときはさくらが強かったです。