障子の向こうで大苦戦
──「Killer Killer Smile」のミュージックビデオも公開されています。今回は楽曲に合わせて和テイストに振り切った世界観のMVですね。
希山 撮影した場所がなんか……現代じゃないみたいでした(笑)。街を歩いていてもこんな場所はなかなかないから昔にタイムスリップしたような気分で撮影できました。教科書で見たような場所で……。
──千利休の茶室みたいな(笑)。
希山 そうです!
──障子の向こうで刀を振り回すシーンもありますね。
希山 本当に刀が重たくて片手で振るのが難しかったです。
西垣 刀を抜くシーンはヒヤヒヤしました。真横の障子に穴が開くんじゃないかって……でも実際は刀が重くてそんなに勢いよくは抜けなかったので穴を開けずに済みました(笑)。
春乃 シルエットだけのダンスシーンは苦戦しました。シルエットだけだと動きが見えづらくなるから大げさに踊らなきゃいけないのに、1枚の障子に収まるように踊らなくちゃいけなくて。あのシーンは2人ずつ撮ったんですけど、完成した映像を観たら6人で踊っているシーンになっていて驚きました。
──和装をしたシーンでは少し大人びた表情を披露しています。
星野 セットも和室だったから、和室……じゃなくて、和風な感じでほほ笑んでって言われてがんばりました。
希山 最初のほうは慣れなくて顔がピクピクしちゃったんですけど、だんだん慣れてきて後半は大丈夫だったので、映像ではピクピクしてないと思います(笑)。
歌っていて気持ちいい「崇シ増シ×××物語」
──「Killer Killer Smile」と一緒にレコーディングしたという「崇シ増シ×××物語」はTAKUYAさんの提供曲です。「×」はなんと読むんでしょうか?
春乃 ×は読まずに“崇シ増シ物語”と読みます! 私はエビ中(私立恵比寿中学)ちゃんの「紅の詩」が大好きなので、同じTAKUYAさんに曲を書いてもらえてうれしかったです。サビの疾走感がすごく気に入っています。
──博多弁やちょっとした英語に「バズる」や「ぱねぇ」のような今どきの言葉も混ぜ込んだ独特の歌詞ですよね。それに音域も広くてかなり難しい歌だったのでは?
希山 低いところから高いところまであるので大変でした。でもサビの音がちゃんと出ると、歌っていて気持ちいいんですよ。私、落ちサビのきいなが歌うところがカッコよくて好きなんです。
春乃 本当!? ありがとう!
──夏ソングが増えてこれからの季節のライブが楽しみですね。アルバムはそのあと「MEGRRY GO ROUND」や「無敵のビーナス」といったシングル曲やそのカップリング曲が続いていきます。11曲目には新曲「Number Shot」が入っています。九州でこのタイトルと言えば……。
西垣 そうです。今年初めて出演させていただく「NUMBER SHOT」に向けて作っていただいた曲です。Zeppツアーでもご一緒させていただいたMAYSON's PARTYさんに演奏してもらっていて、聴くたびに楽しかったライブを思い出します。博多弁がいっぱい入った歌詞もお気に入りで、英語もいっぱい入ってます。英語を歌うのは難しかったんですけど、歌えたら英語をしゃべれてる気がしました。「NUMBER SHOT」みたいな外のステージにぴったりな曲で早く披露したいです。
──この曲は「NUMBER SHOT」まで取っておくんですか?
春乃 「NUMBER SHOT」の前に披露することも考えてるんですけど……まだ決まってません。でも私たちの「NUMBER SHOT」初出演をぜひファンの皆さんに観てもらいたいです。
ついに宇宙まで行ったか……
──アルバムのラストを飾るのは歌詞も曲もスケール感満点の「FORCES」です。今までのばっしょーにはまったくなかったタイプの曲で驚きました。広大な宇宙をテーマにしたこの歌詞ですが、どう受け取りましたか?
春乃 宇宙にポーンと投げ出された私たちが、みんながんばって1カ所に集まってくるような感じだなと思いました。
星野 「自分たちの色で自分たちの世界を作り上げるぞ」みたいな、そういうメッセージを感じました。特にサビからは。この曲、最初はけっこう静かな感じなんですよ。サビに向かって大きくなるスケール感……歌詞も壮大なことを歌っているので、そのスケール感を大事にしながら歌うというのが今までとは違う感じでした。歌っていて楽しかったです。
希山 まっすぐ歌うだけじゃなくて、感情も込めて、アクセントも付けるというのが難しかったです。今までとは全然違いますね。
──宇宙というテーマは、ばっしょーの曲に「星」にまつわる言葉が多かったから決まったそうですよ。
希山 ついに宇宙まで行ったか……と思いましたね。
──宇宙の前はどこにいたんですか?
希山 福岡です!
──福岡から宇宙へ(笑)。宇宙の次はどこに行くんですか?
西垣 ブラックホールの向こう側!
春乃 帰ってこれるの?(笑)
西垣 わかんない。
──アルバムタイトルの「BGM」は生活に溶け込む音楽という意味もあるそうですが、どんな場所やどんなときに聴くのがおすすめですか?
西垣 私はお風呂で聴くのがオススメです。お風呂がロケットみたいな感じで……宇宙へ行っちゃう(笑)。
希山 「Killer Killer Smile」はいたずらをするときとかにいいかなって。「驚かせよう ハッ!」って歌詞にもあるし。
星野 私はこのアルバムの流れが朝起きてから寝るまでの流れみたいだなと思ったんです。「今日は楽しかった! よーし寝よう!」って「FORCES」で眠りについて、朝また「BDM」で気合いを入れるみたいな。そういう流れだなと思いました。
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